2026年1月の相場振り返り
政治・金融政策・地政学リスクが交錯した月間市場動向
はじめに
2026年1月の金融市場は、株式・為替・コモディティを中心に歴史的な水準を更新する場面が相次いだ。一方で、月後半にかけては政治的発言や地政学リスクが再び意識され、ボラティリティの高い展開となった。
経済指標よりも、日米の政局、通商政策、国際情勢といったニュース主導型の相場環境が鮮明となった1か月である。
1. 2026年1月 主要市場データ一覧(確定値)
| 指標 | 始値(1/2) | 月間高値 | 月末終値(1/30) | 概要 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 51,010.50 | 54,487.32(1/14) | 53,322.85 | 衆院解散観測・積極財政期待 |
| S&P500 | 6,712.40 | 6,964.12(1/26) | 6,952.15 | 政策期待と関税懸念の交錯 |
| ドル円 | 156.73円 | 159.17円(1/13) | 154.74円 | ドル安容認発言で急反落 |
| 米10年国債利回り | 4.18%前後 | 4.35%近辺 | 4.22%前後 | 利下げ観測と国債需要 |
| WTI原油 | $57.41 | $66.48(1/29) | $65.21 | 南米情勢による供給懸念 |
| 金(NY先物) | $4,340.0 | $5,626.8(1/29) | $4,745.1 | 安全資産需要の急増 |
2. 株式市場
政治主導で上値を試した日米株式
■ 日本株
1月の日本株は、衆議院解散観測と総選挙を見据えた財政拡張期待を背景に大きく上昇した。
-
1月14日、通常国会冒頭での解散方針報道を受け、日経平均は54,487.32円と史上最高値を更新
-
海外投資家の資金流入が加速し、「5.4万円」という心理的節目を突破
月後半は、政策内容の具体化を見極めたいとの思惑から利益確定売りが優勢となったが、53,000円台を維持して月を終えたことは、市場の評価水準が一段切り上がったことを示している。
■ 米国株
S&P500は、トランプ政権の政策期待を背景に堅調に推移。
一方で、追加関税や通商摩擦への警戒感が上値を抑える要因となり、月末は高値圏でのもみ合いとなった。
3. 為替市場
ドル高から急転、政策発言に翻弄された円相場
ドル円相場は、1月中旬にかけて159円台まで円安が進行。
米国の堅調な景気と日米金利差が背景にあった。
しかしその後、
-
トランプ大統領によるドル高牽制(ドル安容認)発言
-
通商問題を巡る不透明感
を受け、相場は急変。月末にかけて154円台まで急反落した。
1月の為替市場は、「ファンダメンタルズ以上に政治発言が相場を動かす局面」が改めて確認された月だった。
4. 国債・金利市場
中央銀行は静観、市場は次の一手を探る
-
FRB:1月FOMCで政策金利を据え置き
→ 市場では「3月利下げの可能性」が意識され、米国債には断続的な買い -
日銀:金融政策は維持されたが、内部では利上げ議論が継続
結果として、米10年国債利回りは4%台前半で不安定な推移となり、
「金融政策の転換点を探る相場」が続いた。
5. コモディティ市場
地政学リスクが価格形成を主導
■ 原油
1月後半、ベネズエラ情勢の緊迫化と米国の関与観測を背景に、
WTI原油は一時66ドル台まで急騰。
供給不安が意識され、エネルギー市場は再び地政学リスクに敏感な反応を示した。
■ 金(ゴールド)
-
米欧関係の緊張(グリーンランド問題)
-
中東情勢の不安定化
-
通貨価値に対する不安
これらを背景に、安全資産への資金流入が加速。
1月29日には5,626.8ドルと史上最高値を記録し、「5,000ドル突破」は構造的な転換点として市場に認識された。
6. 1月の主なニューストピック(相場材料)
-
衆議院解散観測と総選挙を巡る政策期待
-
円安・ドル高を巡る日米政治家の発言
-
米欧通商摩擦と追加関税示唆
-
ベネズエラ情勢悪化によるエネルギー供給懸念
-
中央銀行は据え置き、政治が相場を主導する構図
7. まとめ:2026年1月相場が示した市場環境
2026年1月の市場は、以下の特徴を明確に示した。
-
政治・ニュース主導型相場の定着
-
資産価格レンジの切り上げ
-
高ボラティリティを前提とした市場構造
1月相場は単なる上昇局面ではなく、
市場の評価軸そのものが変化したことを示す月だったと言える。
執筆者
pablo
当ブログ運営者。
世界の金融市場分析を専門分野とし、株式・為替・金利・コモディティを中心に、
各国の経済指標、金融政策、政治・地政学リスクが市場に与える影響を、
事実とデータに基づき、中立的な立場で分析・解説しています。
※投資は、投資家自身の判断と責任において行われるべきものであり、
当ブログは投資判断に関する一切の責任を負いません。


