アメリカの最高裁が
トランプ関税を「違憲」と判断!
金(ゴールド)はどう動く?わかりやすく解説
2026年2月20日、アメリカで大きなニュースが飛び込んできました。トランプ大統領が独自に課していた「関税」が、最高裁判所に「ルール違反だ」と判断されたのです。これが金(ゴールド)の価格にどう影響するのか、専門知識ゼロでもわかるように解説します!
✅ トランプ関税ってそもそも何だったの?
✅ なぜ最高裁が「ダメ」と言ったの?
✅ これが金(ゴールド)の値段にどう影響するの?
✅ 金価格は今後どうなりそう?どこで買えばいい?
そもそも「トランプ関税」って何?🤔
まず「関税」という言葉から説明しますね。
外国から物を輸入するときに政府が「手数料」として課すお金のこと。たとえば中国で作ったスマホをアメリカに持ち込むと「関税○%分を払え」となります。これが高くなると輸入品の値段が上がり、最終的には消費者が高い値段で買わされます。
トランプ大統領は2期目に就任してから、「アメリカをもっと強くするためだ!」と言って、ほぼ全世界の国からの輸入品に高い関税をかけました。
特徴的だったのは、議会(国会)の承認を取らず、大統領が一人で決めたという点です。「IEEPA(国際緊急経済権限法)」という、緊急事態のときに大統領に特別な権限を与える古い法律を使ったのです。
| 相手国・地域 | 関税率 | ひとこと |
|---|---|---|
| 🇨🇳 中国(合計) | 最大145% | $100の商品が$245相当に… |
| 🌍 全世界(相互関税) | 10〜50% | 全ての輸入品にかかるベース関税 |
| 🇧🇷 ブラジル | 50% | 政治的な理由も絡んでいた |
| 🇪🇺 EU | 15% | グリーンランド問題が背景に |
鉄鋼・アルミ・自動車への関税など、別の法律に基づくものは今回の判決の対象外です。つまり「全部の関税がなくなった」わけではありません。
関税=輸入品への手数料。トランプはIEEPAという法律を使い、議会を通さず独断で世界中に高い関税をかけた。この部分が今回「ルール違反だ」と判断された。
アメリカ国内はどう反応した?😰
「関税をかけると外国がお金を払うんでしょ?アメリカが得するんじゃないの?」と思った方、実はそうじゃないんです。
スーパーの値段で考えてみよう
中国製の野菜に50%の関税がかかったとします。中国の農家は「じゃあ値段下げるよ」とはなりません。代わりに、アメリカの輸入業者が関税を払って、その分を商品の値段に上乗せ。結果、スーパーで野菜が高くなって、最終的にはアメリカの消費者が高い値段で買わされます。
実際、ハーバード大学の研究チームが調べたところ、「関税コストのほぼ全額がアメリカの企業・消費者に転嫁されていた」ことがわかりました。
| 指標 | 結果 | どういうこと? |
|---|---|---|
| GDP成長率(2025年Q4) | +1.4% | 予想+2.8%の約半分。景気が失速 |
| コアインフレ(12月) | +0.4% | 予想+0.3%を超え、物価上昇が続く |
| 製造業の雇用変化 | -10万8千人 | 関税で守るはずの工場が逆に減少 |
| 米国の貿易赤字 | 9,010億ドル | 関税後もほとんど改善せず |
「景気が悪い(スタグネーション)+物価が上がる(インフレーション)」が同時に起きる最悪の組み合わせ。普通は「景気が悪ければ物価も下がる」のですが、関税が原因で物価だけ上がり続けたのです。これが後ほど金(ゴールド)に大きく関係してきます。
「関税はアメリカを豊かにする」どころか、物価上昇+景気悪化という最悪の組み合わせをもたらした。企業2,000社以上が訴訟を起こし、トランプの支持率も低下。
なぜ「違憲」と判断されたの?⚖️
2026年2月20日、アメリカの最高裁判所が「このIEEPA関税はルール違反(違憲)だ」と6対3で判断しました。
「憲法(国の最高ルール)に違反している」という意味。違憲と判断されたルールは、法律上なかったことになります。
裁判所の言い分はシンプルです。
マンションのルールで考えてみよう
マンションには「管理組合(=議会)」が決めたルールがあります。管理人(=大統領)は「緊急の場合は特別な対応ができる」権限を持っています。でも「廊下に荷物を置いてはいけない」というルールを「緊急権限で変更する」のはNGですよね。お金の徴収(関税)は、管理組合(議会)が決める事柄だから、管理人が勝手にやってはダメ、というのが今回の判断です。
| 立場 | 判事(6対3) | 主な意見 |
|---|---|---|
| 違憲(多数派) | ロバーツ長官ほか5名(保守3+リベラル3) | 「関税を課す権限は議会のもの。大統領が勝手にできない」 |
| 合憲(少数派) | カバノーほか2名 | 「法律の文言を読めば大統領権限の範囲内」 |
トランプが自ら任命したゴーサッチ判事とバレット判事(保守派)も違憲側に回ったのが大きなニュースでした。「党派を超えた判断」として注目されています。
「お金を徴収する(課税する)権限は議会のもの。大統領が勝手にやるのはルール違反」という判断。トランプが任命した保守派判事も含む6対3という大差だった。
払い戻しはいくら?お金はどうなる?💸
「違憲だった関税分は返ってくるの?」と思いますよね。返ってくる可能性はあるのですが、話はそう簡単ではありません。
| 推計元 | 推定払い戻し額 |
|---|---|
| ペン・ウォートン大学の試算 | 約1,750億ドル(約26兆円) |
| アメリカ政府の集計(2025年12月時点) | 約1,290億ドル(約19兆円) |
最高裁の判決文には「払い戻しのルール」が一切書かれていませんでした。トランプは記者会見で「うちが集めたお金はどうなるんだ?判決に何も書いてないじゃないか。2年は裁判が続くぞ」と発言。払い戻しを巡る訴訟は長期化する見通しです。
アメリカ政府が「26兆円分の関税収入を失うかもしれない」「訴訟で返す可能性もある」となると、財政(国のお金の状況)が悪化→ドルの価値が下がる→金(ゴールド)の価値が相対的に上がるという流れにつながります。
最大26兆円規模の払い戻し問題が発生。でもすぐには払われず長期訴訟へ。アメリカの財政悪化→ドル安→金高という連鎖が金価格の上昇材料になっている。
トランプ政権はどう動いた?議会は?🏛️
「違憲と言われたからハイそうですか」とトランプが引き下がるはずがありませんでした。
1974年通商法の「Section 122(セクション122)」という別の法律を使い、世界全体に10%の関税を宣言。
SNSで即日修正発表。Section 122の法律で認められる上限の15%に引き上げ。
ただしこの関税には「150日間(約5ヶ月)しか使えない」という期限があります。延長するには議会の承認が必要。
ここが最大の山場。議会が承認しなければ関税は失効。でもその前に別の法律での関税調査(Section 301)を完了させ「新たな根拠」で続ける作戦。
アメリカ大統領が関税をかけるには、いくつかの法律の「道具箱」があります。
| 道具(法律) | 上限 | 期間 | 議会 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| Section 122(今回) | 15% | 150日 | 要 | 貿易赤字対応 |
| Section 232 | 上限なし | 無制限 | 不要 | 安全保障 |
| Section 301 | 上限なし | 無制限 | 不要 | 不公平貿易 |
| Section 338 | 50% | 無制限 | 不要 | 差別への対抗 |
共和党が上下両院を握っているので、延長の賛成票は集まりやすい状況です。ただし2026年秋には「中間選挙」があり、関税に不満を持つ有権者の反応を気にする議員も出てくるかもしれません。「財政的にも関税収入(月3,000億円規模)を失うのは痛い」という計算も働いています。
「違憲」と言われても別の法律ですぐ関税を再開。ただし今度は150日の期限付き。7月24日の「期限切れ」が2026年最大のイベントで、ここを乗り越えるかどうかが金価格の次の大きな動きにつながる。
アメリカの「中央銀行」FRBはどう動く?🏦
「Federal Reserve Board(連邦準備制度理事会)」の略。日本で言えば日本銀行のようなもので、アメリカのお金の量や金利を調整する機関です。「政策金利」というレバーを上げ下げして景気を調整します。
金利が上がる→銀行にお金を預けると利息が増える→「利息を生まない金(ゴールド)」の魅力が下がる→金価格↓
金利が下がる→銀行にお金を預けても利息が減る→「金(ゴールド)」が相対的に魅力的になる→金価格↑
今のFRBは非常に難しいジレンマを抱えています。
😰 景気が悪い(利下げしたい)
- GDP成長率が+1.4%と予想の半分
- 工場が閉まり雇用が減っている
- 企業の設備投資が鈍化
🔥 物価が上がっている(利下げしにくい)
- コアインフレが予想を上回る+0.4%
- 関税による輸入品の値上がりが継続
- 「利上げもありうる」とFRB幹部が発言
現在のパウエル議長の任期が2026年5月15日に終わります。トランプが選ぶ新しい議長が「もっと金利を下げろ」というトランプ寄りの人物だと、「FRBの独立性が失われる」という不安が市場に広がります。こういった「政治的リスク」も金(ゴールド)への逃避需要を高める材料です。
| 項目 | 現状・予想 |
|---|---|
| 現在の政策金利 | 3.50〜3.75% |
| 3月の利下げ確率 | わずか7.9%(ほぼなし) |
| 最初の利下げ予想時期 | 2026年6月ごろが有力 |
| 年内の利下げ回数予想 | 2回(計0.5%下げ) |
FRBは「景気悪化(利下げしたい)vs 物価上昇(利下げしにくい)」の板挟み。スタグフレーション的な環境は歴史的に金(ゴールド)が最も輝くシナリオのひとつ。5月の議長交代も要チェック。
世界・日本はどう反応した?🌍🇯🇵
各国は「ひとまず歓迎」しつつも、「でもトランプはもう別の関税をかけてきた…」と冷静に構えています。
| 国・地域 | 関税の変化 | 反応 |
|---|---|---|
| 🇨🇳 中国 | 145% → 35%に低下 | 「貿易戦争は誰の得にもならない」との声明のみ |
| 🇪🇺 EU | IEEPA分が無効→15%に置き換え | 実質ほぼ変化なし。150日後への警戒続く |
| 🇲🇽 メキシコ | 貿易協定で多くが保護 | 慎重に内容を精査 |
| 🇮🇳 インド | IEEPA関税部分が無効に | 既に暫定協定を結んでいたため複雑な反応 |
| 🇯🇵 日本 | IEEPA関税(25%程度)→15%に低下 | 自動車関連株が一時買われたが、Section 232は継続で上値は重い |
今回の判断で日本向けのIEEPA関税(25%程度)は無効になり、Section 122の15%に置き換えられました。でも、自動車・鉄鋼・アルミへの「安全保障関税(Section 232)」は別の話で、そのまま続いています。
金融市場では円がドルに対してやや強くなりました。日本の個人投資家さんにとって大事なのは、「円高になると金(ゴールド)の円建て価格は目減りする」という点。ドル建て金価格が上がっても、円高が進むと利益が相殺されることがあります。
各国とも「良かった」と言いながら次の手を警戒中。日本は関税が少し下がったが完全解消ではない。日本人投資家は「ドル建て金価格」と「円ドル為替」のダブルチェックが重要。
金融市場と金(ゴールド)の動き📊
全体の動き(2月20日)
| 市場 | 動き | 理由 |
|---|---|---|
| アメリカ株(S&P500) | +0.69% | 関税が一部なくなる→企業業績の改善期待 |
| ナスダック(テック株) | +0.90% | 貿易摩擦の緩和期待 |
| ドル(DXY) | -0.13% | 関税収入が減る→財政悪化懸念→ドル売り |
| アメリカ長期金利 | ほぼ横ばい | 景気悪化(下落要因)とインフレ(上昇要因)が相殺 |
| 日経平均(翌営業日) | 小幅上昇 | 輸出企業の追加悪化回避の見方 |
🥇 金(ゴールド/XAUUSD)の動き
XAUUSD 現在の価格水準
「裁判でトランプが負けた」のに、なぜ金が上がったの?
「関税がなくなる→貿易が正常化→経済が回復→安全資産の金は要らない→金下がる」と普通は考えますよね。でも実際には逆に動きました。理由は3つです。
① 即日別の関税を再発動→「不確実性は全然終わっていない」
② 政府の財政が悪化→ドル安→金高
③ 景気悪化+物価上昇(スタグフレーション)の確認→金の安全資産としての魅力UP
「違憲判断→万事解決」ではなく「不確実性が続く・財政が悪化・スタグフレーション」という金に最も有利な環境が維持されたことが、判決後に金価格が上昇した理由。
今後の金(ゴールド)はどうなる?どこで買う?🎯
最後に、ぱぶちゃんが考える今後の見通しと、初心者向けの「考え方のヒント」をお伝えします。
投資は必ず自己責任で行ってください。この記事は「こういう見方もある」という情報提供であり、「絶対に上がります!買いましょう!」というものではありません。
主要な金融機関の2026年末の価格予想
| 機関 | 予想価格(年末) | 理由のポイント |
|---|---|---|
| JPモルガン(JPM) | $6,300(強気なら$8,500) | 世界の中央銀行が金を買い続ける |
| ゴールドマン・サックス | $5,400 | 利下げ+中央銀行の買い需要 |
| ウェルズ・ファーゴ | $6,100〜$6,300 | ドル安の継続 |
| UBS | $6,200(強気$7,200) | 地政学リスクと中銀需要 |
| 現在値(参考) | $5,106 | GS予想比+5.8%、JPM予想比+23%のアップサイド |
上がりそうな理由・下がりそうな理由
📈 上がりそうな理由
- 7月24日の「150日関税期限」まで不確実性が続く
- 景気悪化+物価上昇(スタグフレーション)環境
- アメリカの財政赤字がさらに拡大しそう
- 世界の中央銀行が金を大量に買い続けている
- 5月のFRB議長交代リスク
- 中東(イラン)など地政学的な不安
📉 下がりそうな理由
- 過去最高値から8.7%の調整後でも高値圏
- 物価が下がらず利下げが遅れる
- 関税問題が完全解決すればリスク選好が増す
- 円高が進むと日本円での利益が目減り
価格の目安(どこで買うか考える参考に)
XAUUSD チェックリスト
📅 今後の重要スケジュール
新たな関税の始まり。不確実性の継続を市場が確認する
金利の方向性が決まる。利下げ期待が強まれば金に追い風
後任次第でFRBの独立性に不安→金の安全資産需要が高まる可能性
2026年最大のイベント!議会が延長するか否かで大きな相場になる可能性
関税政策への有権者の「答え合わせ」が出る
今回の違憲判断を一言で言えば「関税の根拠が変わっただけで、不確実性は全然終わっていない」です。7月24日の期限切れ、5月のFRB議長交代、スタグフレーション的な経済環境——これら3つが重なる2026年前半は、金(ゴールド)にとって「風が吹いている状態」が続きそうです。過去最高値($5,595)への再挑戦は時間の問題かもしれません。ただし、必ず自己責任での判断をお忘れなく!
📚 参考・引用
- 国際緊急経済権限法(IEEPA、1977年)/ 1974年通商法 Section 122・301 / 1962年通商拡大法 Section 232
- Trump v. V.O.S. Selections(米最高裁 No.24-1287、2026年2月20日判決)
- West Virginia v. EPA(重要問題の法理の判例)
- 米経済分析局(BEA):Q4 GDP速報 / 米商務省:PCEインフレ指数
- Penn-Wharton予算モデル:関税払い戻し推計(約1,750億ドル)
- 世界金協議会(WGC):中央銀行の金購入統計(2025年863トン)
- CME FedWatch Tool:FOMC利下げ確率データ
- J.P. Morgan Research:Gold Outlook 2026(目標$6,300)
- Goldman Sachs:Commodities 2026(目標$5,400)
- Wells Fargo / UBS / Deutsche Bank / Morgan Stanley:各社Goldレポート
- Reuters / Bloomberg / Wall Street Journal / Financial Times / Nikkei Asia(2026年2月20〜21日配信記事)


