2026年2月26日(木)掲載|対象期間:2026年2月25日(日本時間 8:00) ~ 2月26日(7:00)
📊 グローバル金融市場 振り返りレポート|2026年2月25日
#SOTU一般教書演説 #トランプ関税継続 #NVIDIA決算前夜 #XAUUSD急落 #NYダウ続伸 #シルバー急騰 #VIX低下 #ドル円円安 #リッチモンド連銀 #ゴールド利確📈 株:SOTU演説に新たなサプライズなし→安堵でリスクオン継続。日経+2.20%・NYダウ+307ドル続伸
🥇 ゴールド:5,206まで上昇後、NY引け前に5,144へ急落。終値5,164.96(+0.41%)。5,200の壁が攻防ライン
👀 注目:NVIDIA決算(大引後)の結果が翌日の方向感を決める。5,200定着か、再び押し戻されるか
・トランプ大統領が日本時間午前11時頃から一般教書演説(SOTU)を開始。関税継続宣言・「議会承認不要」・「関税は所得税を置き換える」発言が1日を通じた相場のテーマとなり、NYダウは+307.65ドル(+0.63%)で続伸
・ゴールドはSOTU演説による関税継続リスクを背景に日中5,206ドルまで上昇したが、NY引け前(日本時間午前5時頃)に5,144まで急落し、5,164.96ドルで終値
・シルバーが+2.32%と大幅上昇、VIXは17.93(−8.29%)と2週間ぶりの低水準。NVIDIA決算はNY大引後(日本時間午前6時頃)に発表予定
SOTU演説の関税継続リスクを受け日中5,206ドルまで上昇したが、NY引け1時間前(日本時間午前5時頃)に5,144まで急落。終値は5,164.96ドル(+0.41%)。急落の背景は「上がりすぎの利益確定売り」——2月のゴールドで繰り返し見られるパターンだ。ただし終値ベースでは前日比プラスを維持しており、構造的な強さは揺らいでいない。詳細はコモディティセクションで整理した。
📝 前書き
2月25日の市場を一言で表すなら「SOTU演説が1日の相場を支配した日」だ。トランプ大統領は日本時間午前11時頃から史上最長(約1時間48分)の一般教書演説を行い、関税継続・強化を宣言。「議会の承認は不要」「関税はいずれ所得税に取って代わる」という踏み込んだ発言が、東京時間から翌NY大引まで1日を通じた相場テーマとして機能した。
株式市場は「演説に新たなネガティブサプライズがなかった」という安堵感とNVIDIA決算(NY大引後)への期待感が重なり、3指数揃って続伸。日経225は+1,262円(+2.20%)と大幅上昇した。一方ゴールドは関税継続リスクを背景に5,206ドルまで上昇したが、NY引け1時間前(日本時間午前5時頃)に5,144まで急落。終値は5,164.96ドルで前日比プラスを維持した。急落の本質は「利確」であり、構造的な強さは変わっていない。
🗞️ 主要ニュース(3点ピックアップ)
① トランプSOTU演説——「関税は所得税を置き換える」発言が貿易政策の永続性を意識させる
トランプ大統領は日本時間2月25日午前11時頃から、史上最長(約1時間48分)の一般教書演説を行った。経済分野の核心は関税政策だ。最高裁のIEEPA違憲判決(2/20)で一度は骨抜きにされたにもかかわらず、「Section122による15%関税は合法的にテスト済み」「議会の承認は不要」と宣言。さらに「関税はいずれ所得税に取って代わる」という長期ビジョンを示し、貿易政策の恒久化を強く示唆した。中国は翌日、対抗措置を辞さないと声明を発表している。
この演説が「市場を直撃する新たなネガティブサプライズを含まなかった」ことが、株式市場では安堵感として受け取られた。しかしゴールドにとっては「関税リスクプレミアムの継続」を再確認する内容であり、日中の上昇を支える主要因となった。
② NVIDIA決算(NY大引後・日本時間午前6時頃)——「AI投資の審判」を市場は一日中意識した
NVIDIA(NVDA)の2026会計年度第4四半期決算は、NY大引後の日本時間午前6時頃に発表された。発表前の段階でコンセンサスは売上高655億6,000万ドル・EPS1.52ドル。市場は「NVIDIA決算がAIインフラ投資の継続性を証明するかどうか」という文脈で、1日を通じてこの結果を意識していた。NVIDIA決算への期待感が半導体・テクノロジー株全般の上昇を後押しし、NASDAQ100の+1.41%につながった。
なお実際の結果(売上高681億3,000万ドル・EPS1.62ドルの大幅超過)は大引後の話であり、本日の株価上昇は「期待感」によるものだ。決算内容の市場への影響は翌日(2/26)以降の話となる。
③ リッチモンド連銀製造業指数 −10——予想下回り、製造業の脆弱性が続く
2月25日発表のリッチモンド連銀製造業指数は−10と、コンセンサス(−8)を下回った。前月の−6からさらに悪化し、出荷・新規受注・雇用が揃って低下した。2022年3月以来ゼロを超えたことがない同指数の低迷は、関税コスト高が製造業の実態を圧迫していることを示すシグナルとして注目される。ただし6ヶ月先行き指数は改善しており、「現況は厳しいが先行きはやや明るい」という市場参加者の分裂した景況感が浮かびあがる。
📅 2/25(日本時間)に発表された主要経済指標
| 発表日時(日本時間) | 国・指標名 | 前回 | 予想 | 結果 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2/26 00:00 | 🇺🇸 リッチモンド連銀製造業指数(2月) | −6 | −8 | −10 | ↓ 予想下回り。製造業の脆弱性継続 |
| 2/26 00:00 | 🇺🇸 卸売在庫(確報値・12月・前月比) | +1.0% | +0.2% | +0.2% | → 予想通り・影響軽微 |
📈 株式市場
① 日本・アジア株
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経225 | 58,583.12 | +1,262.03 | +2.20% |
| TOPIX | 3,843.16 | +27.18 | +0.71% |
| ハンセン指数(香港) | 26,765.72 | +175.40 | +0.66% |
| 上海総合指数 | 4,147.23 | +29.82 | +0.72% |
| KOSPI(韓国) | 6,083.86 | +114.22 | +1.91% |
日経225が+1,262円(+2.20%)と大幅続伸。前日の円安(155円台後半)が輸出株・半導体関連株を広範に押し上げ、東京エレクトロン・レーザーテックなどが上昇を牽引した。TOPIXは+27.18ptと相対的に上昇は穏やかで、日経の上昇が指数寄与度の高い大型グロース株に集中したことを示す。アジア全般でも韓国KOSPIが+1.91%と力強く、香港・上海も堅調に推移した。
② 欧州・米国株
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| FTSE 100(英国) | 10,806.41 | +125.82 | +1.18% |
| DAX 30(ドイツ) | 25,171.08 | +184.83 | +0.74% |
| CAC 40(フランス) | 8,559.07 | +39.86 | +0.47% |
| NYダウ | 49,504.66 | +307.65 | +0.63% |
| NASDAQ 100 | 25,332.71 | +352.00 | +1.41% |
| S&P 500 | 6,949.46 | +56.06 | +0.81% |
欧州はFTSE100が+1.18%と力強く反発。SOTU演説が「想定内の内容にとどまった」という安堵感が欧州株全般を押し上げ、DAXも+0.74%と堅調だった。NYは3指数揃って続伸。NVIDIA決算への期待感が半導体・テクノロジー株全般に波及し、NASDAQ100が+1.41%と最も大きく上昇した。NYダウの+307.65ドルは前日(+370.44ドル)に続く2日連続の反発で、先週来の下落幅を着実に回復しつつある。
💱 為替
| 通貨ペア | 終値 | 前日比 | 方向感 |
|---|---|---|---|
| ドル円(USD/JPY) | 156.44 | +0.68 | ↑ 円安継続(日銀利上げ観測後退・リスクオン) |
| ユーロドル(EUR/USD) | 1.1809 | +0.0037 | ↑ ユーロ高(SOTU関税強化でのドル不確実性) |
| ドルインデックス(DXY) | 97.7 | −0.17 | ↓ ドル軟調(ユーロ高が主導) |
ドル円は156.44円と前日比+0.68円の円安が継続。前日の高市・植田会談報道に端を発した日銀利上げ観測後退が尾を引いており、NVIDIA決算への期待感によるリスクオン環境がそれを後押しした。前日の155.83円から156円台に乗せ、円安基調が維持されている。
注目はユーロドルが+0.31%と上昇し、DXYが−0.17%と下落した点だ。SOTUでのトランプ関税強化宣言は「ドル強材料」ではなく、貿易摩擦・長期的な財政リスクへの懸念から「ドル軟化材料」として機能した。ユーロ高は欧州株の堅調とも連動している。
📉 金利・債券
| 指標 | 水準 | 前日比 | 方向感 |
|---|---|---|---|
| JGB10Y(日本10年債) | 2.138% | +0.034% | ↑ 小幅上昇(前日の利上げ観測後退から若干戻し) |
| US10Y(米10年債) | 4.054% | +0.005% | → ほぼ横ばい(株高も利回り上昇は限定的) |
米10年債は4.054%とほぼ横ばい。株式が3指数続伸しリスクオン環境が続いているにもかかわらず、利回りが大きく上昇しない構図が続いている。コアPCEが3.0%と高止まりしている中でFRBが利下げに踏み切れない一方、リッチモンド連銀−10が示す景気鈍化懸念が債券買いを支えており、この「上にも下にも動けない」状況が4%台前半での膠着を生んでいる。
JGB10Yは2.138%と前日比+0.034%の小幅上昇。前日の高市・植田会談報道による急低下から若干の戻しを見せた。植田総裁の次の発言と3月会合に向けたフォワードガイダンスが、今後の日本国債・円相場の方向を左右する最大変数であることに変わりはない。
🛢️ コモディティ
| 品目 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物 | $65.57/バレル | −$0.06 | −0.09% |
| ゴールドスポット(XAU/USD) | $5,164.96/oz | +$20.96 | +0.41% |
| シルバースポット(XAG/USD) | $89.1965/oz | +$2.0195 | +2.32% |
🥇 ゴールド(XAU/USD)深掘り:「5,206→5,144の急落」の本質を読む
本日のゴールドは、単純な終値(+0.41%)の数字より、その値動きのプロセスこそが重要だ。
【日中の動き】SOTU演説(日本時間午前11時頃〜)でトランプ大統領が関税継続・強化を宣言すると、貿易リスクプレミアムとドル軟化を背景にゴールドは買われ、5,206ドルまで上昇した。この水準は直近の高値圏であり、市場参加者にとって心理的な抵抗帯だった。
【急落の背景:NY引け前の利益確定売り】ところがNY大引1時間前の日本時間午前5時頃、ゴールドは5,206→5,144と急落(約−62ドル、−1.2%)した。断定的な単一原因は特定できないが、最も可能性が高い説明は「高値圏での利益確定売り」だ。2月のゴールドはこのパターン——高値圏に達すると引け前に急落する——を繰り返しており、今回も同様の動きとなった可能性が高い。5,200ドルという心理的節目をブレイクして定着できなかったことも、売りを加速させた一因と考えられる。なお事実として確認できるのは、急落がNVIDIA決算発表(日本時間午前6時頃)の約1時間前であり、決算内容は急落の原因ではないという点だ。
強気側の根拠:急落後も5,144ドルで下値を支え、終値は5,164.96ドルと前日比プラスを回復した。関税の構造リスク(Section122・150日適用、次の「代替手段」構築中)、スタグフレーション的な環境でFRBが身動きしにくい状況、中央銀行の継続的な金買い需要——これらの構造的要因は一日の急落で変わるものではない。ゴールドマン・サックスは年末目標を5,400ドルに引き上げており、Bank of Americaは6,000ドルを視野に入れたリポートを発表している。
弱気側のリスク:翌日のNVIDIA決算が大幅超過であればリスクオンがさらに加速し、セーフヘイブン需要の剥落がゴールド売り圧力を生むシナリオがある。また5,200ドルの節目を明確にブレイクできない状態が続けば、上値の重さが意識され利確売りが繰り返されるリスクもある。
急落の本質は「高値圏での利確」——2月の高値圏で繰り返される可能性が高いパターンと一致。構造的な強さは変わっていない。
📈 強気シナリオ:NVIDIA決算後も5,200突破・定着→次の上値目標へ/SOTU関税継続がリスクプレミアムを維持
📉 弱気シナリオ:NVIDIA好決算でリスクオン加速→セーフヘイブン需要剥落/5,200突破できずに利確売り再発
ゴールドマン・サックス目標5,400ドル・Bank of America目標6,000ドルを視野に、5,144〜5,200のレンジが当面の攻防ラインだ。
で、ゴールドどうなんだ?——5,200を抜けて定着するまでは上値を疑ってかかる。ただし押し目が5,144止まりなら、むしろ強い。
🥈 シルバー(XAG/USD:$89.1965 / +2.32%)
シルバーが単日+2.32%と大幅上昇し、コモディティセクション全体を牽引した。ゴールドの+0.41%を大きく上回る上昇率は、AI関連インフラ拡大による産業用需要への期待(太陽光パネル・電気部品)と、ゴールド/シルバー比率(GSR)の修正テーマが重なった形だ。Bank of Americaが「シルバーには100ドルへの可能性がある」とリポートを発表しており、強気のコンセンサスが形成されつつある。
WTI原油(−0.09% / $65.57)
ほぼ横ばい。SOTU演説でトランプ大統領がイラン軍事行動の可能性に言及したものの、具体的なタイムラインが示されず地政学プレミアムは限定的だった。翌日(2/26)に予定される米・イラン外交協議の結果が次の方向性を左右するとみられる。
🧠 市場心理・VIX
| 指標 | 水準 | 前日比 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| VIX(恐怖指数) | 17.93 | −1.62(−8.29%) | ↓ 2週間ぶりの低水準。恐怖感が著しく後退 |
VIXは17.93と前日比−8.29%の大幅低下。前日の19.55から一段下落し、20以下の「やや落ち着き」水準に入ってきた。SOTU演説が「想定内の内容」にとどまったことと、NVIDIA決算期待によるリスクオン傾斜が重なり、売り方の買い戻しが急速に進んだ。
ただし17台は「完全な安心」ではない。SOTU演説での関税継続宣言・中国の対抗措置警告・リッチモンド連銀の低迷・コアPCE3.0%高止まりなど、不確実性の火種はくすぶり続けており、NVIDIA決算(翌朝)の結果次第で方向感が一変する可能性もある。
- ✅ リスクオン材料:NYダウ+307.65ドル・NASDAQ100+1.41%・VIX−8.29%・日経+2.20%・シルバー+2.32%・NVIDIA決算期待
- ⚠️ 残存するリスク:SOTU関税継続宣言(Section122・150日)・中国の対抗措置警告・リッチモンド連銀−10・コアPCE3.0%・イラン情勢・NVIDIA決算の不確実性
📌 全体まとめ
2月25日(水)は「SOTUが1日のナラティブを作り、市場はNVIDIA決算を待ちながらリスクオンで動いた日」だ。
トランプ大統領の一般教書演説は日本時間午前11時頃から始まり、関税継続・強化の姿勢を改めて鮮明にした。「議会承認不要」「関税で所得税を置き換える」という発言は、貿易政策の恒久化と米国財政構造の抜本的変更を市場に意識させた。この「不確実性の継続宣言」がゴールド・ユーロ高・ドル軟調という構図を生んだ一方、「市場を直撃する新たな爆弾がなかった」という安堵感が株高を支えるという捻れた一日となった。
ゴールドは5,206ドルまで上昇後、NY引け前(日本時間午前5時頃)に5,144まで急落し終値5,164.96ドル。この急落は「2月の高値圏で繰り返される利確売りのパターン」と整合的であり、構造的な強さの否定ではない。シルバーの+2.32%という大幅上昇は、貴金属セクター全体への資金流入という側面を持つ。
今後の注目点は3つ。①NVIDIA決算の内容と翌日の市場反応——本日の期待感が実績で裏付けられるかどうかが、テクノロジー株・リスクセンチメント全体を左右する。②中国の具体的な対抗措置の内容と時期——「辞さず」発言がどこまで実行に移されるか。③5,200ドルの壁を越えられるか——ゴールドが今週の上値抵抗を明確にブレイクできれば、次の上値目標が視野に入る。
📊 マーケットデータ一覧(2/25 NYクローズ確定値)
| 資産 | 終値 | 前日比(値) | 前日比(率) |
|---|---|---|---|
| 日経225 | 58,583.12 | +1,262.03 | +2.20% |
| TOPIX | 3,843.16 | +27.18 | +0.71% |
| ハンセン指数 | 26,765.72 | +175.40 | +0.66% |
| 上海総合指数 | 4,147.23 | +29.82 | +0.72% |
| KOSPI | 6,083.86 | +114.22 | +1.91% |
| FTSE 100 | 10,806.41 | +125.82 | +1.18% |
| DAX 30 | 25,171.08 | +184.83 | +0.74% |
| CAC 40 | 8,559.07 | +39.86 | +0.47% |
| NYダウ | 49,504.66 | +307.65 | +0.63% |
| NASDAQ 100 | 25,332.71 | +352.00 | +1.41% |
| S&P 500 | 6,949.46 | +56.06 | +0.81% |
| ドル円(USD/JPY) | 156.44 | +0.68 | +0.44% |
| ユーロドル(EUR/USD) | 1.1809 | +0.0037 | +0.31% |
| DXY(ドルインデックス) | 97.7 | −0.17 | −0.17% |
| JGB10Y | 2.138% | +0.034 | +1.62% |
| US10Y | 4.054% | +0.005 | +0.12% |
| WTI原油 | $65.57 | −0.06 | −0.09% |
| ゴールド | $5,164.96 | +20.96 | +0.41% |
| シルバー | $89.1965 | +2.0195 | +2.32% |
| VIX | 17.93 | −1.62 | −8.29% |
・経済指標・金利:Investing.com / みんかぶFX / CME FedWatch Tool
・市場ニュース・中銀動向:ロイター / ブルームバーグ / 日本経済新聞 / CNBC / 各国中央銀行公式サイト
・実勢価格:主要取引所データ(CME, ICE, JPX等)
・終値データ:2/25 NYクローズ確定値


