📊 本稿は3/25 NYクローズ確定値(サマータイム・NY6時クローズ)を基に整理しています。
【2026年3月25日】日経+1,497円・WTI反落——米・イラン停戦交渉、イラン拒否で交錯
グローバル金融市場 振り返りレポート
⚡ 今日のマーケット早わかり(30秒で読む)
前夜のイスラエルTV「米・イラン1カ月停戦交渉」報道を引き継ぎ、東京市場は朝方から一時54,022円(+1,770円)まで急騰。トランプ「エネルギー施設攻撃撤回・交渉継続」発言でリスクオンが加速し、大引けは+1,497円(53,749.62)と大幅続伸。しかしイランは米国の15項目停戦案を拒否、独自5点案(ホルムズ海峡主権要求を含む)を提示し交渉の難航を示した。ゴールドは始値$4,546.77から高値$4,602まで急騰後、イランの拒否報道と米2月輸入物価+1.3%(予想+0.5%を大幅上回り)を受けて安値$4,487まで急落。終値$4,506.53(+0.72%)で2日続伸も、始値比では▲0.88%の「往って来い」。WTI終値90.32(▲2.20%)・米10年債4.337%(▼0.057pt)・VIX25.33(▼6.01%)。
① 日経平均が+1,497円(53,749)と大幅続伸——朝一時54,022円まで急騰後、停戦拒否報道でやや上げ縮小も高水準維持。VIX▲6.01%(25.33)でリスクオン改善が鮮明
② XAUUSD終値$4,506.53で2日続伸——高値$4,602から安値$4,487の往って来い。始値$4,546.77からは▲0.88%と失速。米輸入物価+1.3%サプライズがインフレ圧力を再確認させた
③ WTI▲2.2%(90.32)反落・米10年債4.337%(▼0.057pt)低下——停戦期待で原油売り・金利低下のリスクオン。ただしイランの条件闘争は継続中で先行き不透明
📌 本日のニュース
- ▶【前夜引き継ぎ】イスラエルTVが「米国がイランとの協議に向けて1カ月の停戦を目指している」と報道——NYクローズ間際に原油急落・ドル円が158円台前半に押し戻された流れをアジア時間が引き継ぐ
- ▶寄り付き直後日経平均、一時54,022円(前日比+1,770円)まで急騰——停戦期待と自律反発の買いが集中。東証プライム全銘柄の9割超が上昇する全面高の展開
- ▶「米・イランが木曜にも高官協議開催か」との報道でEUR/USD1.1630近辺まで上昇。ユーロが対ドルで買われるリスクオン地合い
- ▶日銀金融政策決定会合議事要旨(1/22〜23開催分)公表——タカ派的な内容と市場が解釈。USD/JPYは159.00方向へじり高も、円安への警戒感が上値を抑制
- ▶WTI原油、アジア時間は停戦期待で下落基調——前日終値92.35ドル台から徐々に水準を切り下げる
- ▶15:30日経平均大引け:53,749.62(+1,497.34 / +2.87%)——大幅続伸で着地。保険・非鉄金属・ガラス土石を筆頭に幅広い業種が上昇。売買代金7兆431億円
- ▶アジア株:上海+1.3%(3,932)、ハンセン+1.1%(25,336)、台湾+2.5%、豪ASX200+1.9%、韓国KOSPI+1.6%(5,642)とアジア全面高
- ▶AP通信:イランがトランプ政権の15項目停戦案を受け取ったことを確認——パキスタンを仲介とした経路での接触と報道。市場がリスクオンを継続
- ▶イラン国営PressTV:イランが5点反案を提示——主な条件として①ホルムズ海峡の主権をイランへ ②戦争賠償 ③攻撃・暗殺の完全停止 ④再発防止の具体的保証 ⑤核開発への不干渉を要求。事実上の交渉拒否に近い内容
- ▶イラン外相アラグチ:「停戦交渉の意図はない。パキスタン経由のメッセージ交換は交渉ではない」と表明——楽観的な停戦期待に冷や水
- ▶英2月CPI:3.0%(前月と横ばい・11カ月ぶり低水準)——イラン戦争前の数字であり、今後の物価上昇リスクが残ると指摘
- ▶独3月IFO景況感指数:86.4(予想86.3・前回88.4)——わずかに予想超えも期待指数は悪化。「イラン戦争で景気回復への期待が棚上げに」とコメント
- ▶欧州株は全面高。FTSE+1.42%・DAX+1.41%・CAC40+1.33%——原油価格下落によるインフレ懸念後退が欧州株の追い風に
- ▶ECBラガルド総裁:「躊躇によって行動不能に陥ることはない」と発言——イランリスクの中でも政策判断の柔軟性を強調
- ▶21:30 JST米2月輸入物価指数:+1.3%MoM(予想+0.5%を大幅上回り)——約4年ぶりの大幅上昇。燃料+3.8%・非燃料+1.1%と全面高。「イラン戦争前の数字がすでにこの水準」という警戒感を呼ぶ
- ▶21:30 JST米10-12月期経常収支:▲1,907億ドル(5年ぶり最低水準)——赤字縮小は輸入減少が主因。ドルへの直接的な影響は限定的
- ▶トランプ大統領(オーバルオフィス):「イランとまさに今交渉中。彼らは我々に話しかけ、理にかなったことを言っている」「エネルギー施設への攻撃脅しは撤回、交渉しているから」と発言
- ▶一方でイラン:「停戦案受け入れず、米国の交渉は非論理的」とファルス通信が報道——トランプ発言と真っ向対立。市場は「期待と拒否の交錯」に揺れる
- ▶ホワイトハウス報道官Leavitt:「和平交渉は継続中」と主張。副大統領バンスとイランの協議をパキスタンで開催試みるとの速報も
- ▶トランプ政権のナバロ上級顧問:「パウエル議長のFRB残留は極めて有害」と批判——Fed独立性への圧力が再浮上。利下げ圧力の政治化懸念がドルおよびゴールドの不確実性を高める材料として意識された
- ▶NY時間米5年債入札が不調——応札倍率が低水準で中期ゾーンの需要弱さが確認された。一時的に米10年債利回りを下支えし、ゴールドの上値を抑制
- ▶WTI原油、NY時間も下落継続——一時$86台まで急落する場面あり(日中安値)。停戦期待による需給逼迫懸念後退と、ホルムズ「非敵対的船舶通過を認める」報道が重なる。終値90.32(前日比▲2.20%)
- ▶米国債利回り低下:停戦期待+原油下落によるインフレ懸念後退で米10年債が4.337%まで低下(前日4.394%から▼0.057pt)
- ▶ゴールド、NY時間は乱高下——輸入物価サプライズ後に安値$4,487まで急落するが、WTI下落・金利低下を受けて持ち直し。終値$4,506.53(+0.72%)
- ▶NYクローズダウ+305.43(46,429)・S&P500+35.53(6,592)・NASDAQ+167.94(21,930)——原油下落×金利低下×停戦期待でリスクオン継続。米株は続伸で引け
- ▶ドル円 NYクローズ159.372(▼0.085 / ▼0.05%)——輸入物価サプライズ後も概ね159円台で推移。小幅円高で引け
- ▶スペースXが12兆円(約800億ドル)調達を目指す過去最大のIPO計画も報道——リスク資産への追い風材料
📅 主要経済指標(3/25発表)
この日の最大のサプライズは米2月輸入物価指数の+1.3%(予想+0.5%)だった。イラン戦争が始まる前の2月時点でこの数字が出てきたことは、「これから戦争の影響が上乗せされる」という意味で先行き懸念を大きく膨らませた。英CPIは横ばいで既報通りだったが、独IFOの軟化は欧州の景況感悪化を示した。
| 時刻(JST) | 指標 | 結果 | 予想 | 前回 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 16:00頃 | 英・2月消費者物価指数(CPI)前年比 | 3.0% | 3.0% | 3.0% | 横ばい。11カ月ぶり低水準もイラン戦争前の数字。今後の上昇リスクに警戒 |
| 18:00 | 独・3月IFO景況感指数 | 86.4 | 86.3 | 88.4 | 予想はわずかに上回るも前回から大幅悪化。「イラン戦争で景気回復が棚上げ」 |
| 21:30 | 米・2月輸入物価指数(前月比) | +1.3% | +0.5% | +0.6% | 約4年ぶりの大幅上昇。燃料・非燃料ともに上昇。イラン戦争前の数字がすでにインフレ圧力を示唆 |
| 21:30 | 米・10〜12月期経常収支 | ▲1,907億ドル | — | — | 5年ぶり最低水準。赤字縮小は輸入減少が主因。ドルへの直接的影響は限定的 |
今回の輸入物価は3月2日以前のイラン戦争開戦前の数字だ。それでも燃料+3.8%・非燃料+1.1%・年率換算+2.5%と2022年10月以来最大の上昇幅を記録した。
この数字が意味するのは、戦争による原油高・物流コスト上昇が3月・4月データに反映されてくる段階では、さらに高水準になる可能性が高いということだ。Fedは「利下げ根拠」を見つけにくくなる一方、停戦が実現すれば一気に逆転するという非常に読みにくい局面にある。
市場がゴールドの上値を追えないのは、まさにこの「インフレという現実」と「停戦という期待」が同時に存在し、どちらも否定できない状況が続いているからだ。
📈 日経平均:+1,497円大幅続伸・一時54,022円
この日の日本株を一言で表すなら「本格的なリスクオン始動——ただし停戦は確定せず」だ。前夜の停戦報道を引き継ぎ、寄り付きから保険・非鉄・ガラス土石を中心に全面高の展開。一時54,022円(+1,770円)まで上昇し、大引けも+1,497円(53,749円)と前日の爆騰スタートから失速した3/24(+736円)とは異なり、高水準で安定して引けた点が今日の特徴だ。
① 東京時間前場:一時54,022円まで急騰
停戦交渉への期待感から寄り付きから全面高。一時54,022円(前日比+1,770円)まで急騰し、54,000円台を回復した。前場は買いが先行する中、中東情勢に関する新たな悪材料がなかったことで買い戻しが持続。日銀議事要旨のタカ派的内容はドル円をやや押し下げたが、株への影響は限定的だった。
② 東京時間後場〜大引け:+1,497円で安定的に着地
後場はイランの停戦拒否報道が伝わったものの、前日(3/24)と異なり上げ幅の大幅縮小にはならず、+1,400〜1,500円台を維持して引けた。原油下落による長期金利低下も株式市場を支え、東証プライムの値上がり比率は92.1%に達した。売買代金は7兆431億円と活況。
| 指数 | 水準 | 前日(3/24)比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経CFD 高値(朝方) | 54,022 | +1,770(+3.39%) | 54,000円台を回復。前場は活況 |
| 日経平均(大引け) | 53,749.62 | +1,497.34(+2.87%) | 大幅続伸で着地 |
| TOPIX | 3,650.99 | +91.32(+2.57%) | |
| グロース250 | 741.48 | +16.93(+2.34%) | 新興株も続伸 |
| 日本国債10年利回り | 2.244% | ▼0.027pt(▼1.19%) | 原油下落→インフレ懸念後退→金利低下 |
3/26早朝時点で日経CFDは53,830(日経比+81/+0.15%)・日経先物mini53,595(日経比▼154/▼0.29%)と先物がやや軟化。NYが続伸しても先物が日経より弱い状況はリスク警戒感の残存を示す。本日(3/26)は米新規失業保険申請件数が発表予定で、労働市場の強弱が次の方向感を決める。イランの停戦交渉は「期待」と「否定」が交錯する状態が継続しており、一方向的な動きになりにくい地合いが続く。
📊 株式市場(米欧アジア)
① アジア株(3/25)
停戦期待で全面高。台湾+2.5%・インド+1.73%・韓国+1.59%と新興国株も軒並み上昇。前日から続く「イラン緊張緩和→リスク回帰」の連続騰落を記録した。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| KOSPI(韓国) | 5,642.21 | +88.29 | +1.59% |
| ハンセン(香港) | 25,335.95 | +272.24 | +1.09% |
| 上海総合(中国) | 3,931.84 | +50.56 | +1.30% |
| Nifty50(インド) | 23,309.00 | +396.60 | +1.73% |
② 欧州株(3/25)
WTI下落(原油安)による欧州インフレ後退期待と停戦報道が好感され全面高。3指数いずれも+1.3%超と昨日の冴えない展開から一転、力強い上昇を見せた。独IFO悪化は材料にならず。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| FTSE 100(英国) | 10,106.84 | +141.68 | +1.42% |
| DAX(ドイツ) | 22,957.08 | +320.17 | +1.41% |
| CAC 40(フランス) | 7,846.55 | +102.63 | +1.33% |
③ 米国株(3/25)
停戦期待×原油下落×金利低下のトリプル追い風で全指数が続伸。前日(3/24)の「NY前半急騰→引けにかけて失速→ダウ▼84」という展開と対照的に、終日安定した上昇を維持して引けた。ラッセル2000+1.24%・SOX+1.21%と景気敏感株・半導体も健闘。FANG+は+0.34%と小幅ながらプラスに転じた。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 46,429.49 | +305.43 | +0.66% |
| NASDAQ | 21,929.83 | +167.94 | +0.77% |
| NASDAQ 100 | 24,162.98 | +160.53 | +0.67% |
| S&P 500 | 6,591.90 | +35.53 | +0.54% |
| ラッセル2000 | 2,536.38 | +30.94 | +1.24% |
| フィラデルフィア半導体(SOX) | 7,967.74 | +95.03 | +1.21% |
| NYSE FANG+ | 14,186.98 | +48.35 | +0.34% |
💱 為替
-
DXY(ドル指数)水準:99.62前日比:+0.41(+0.19%)前日終値:99.21米輸入物価+1.3%(予想大幅超)がインフレ圧力を示しドル買い。ただし停戦期待による原油下落・リスクオンでドルへの逃避需要は限定的。100.00の回復には届かず小幅プラスで推移。
-
ドル円(USD/JPY)NYクローズ:159.372前日比:▼0.085(▼0.05%)前日終値:158.692(3/24)→159.457(3/25始値)アジア時間は停戦期待でドル円が上昇傾向を示したが、日銀議事要旨のタカ派的内容が上値を抑制。NYでも輸入物価サプライズ後はドル買い・円売りが一時強まったが、全体としては159円台前半での攻防。前日比ではほぼ横ばい(▼0.05%)と方向感なし。
-
ユーロ円(EUR/JPY)水準:184.250前日比:+0.055(+0.03%)前日終値:184.195(3/24)→184.301(3/25始値)停戦期待でユーロが対ドルで若干強含みも、ドル円小幅円高が相殺しほぼ横ばい。独IFO悪化はユーロの重しも、ECBのスタンス変化なしで影響は軽微。184円台前半でのレンジ推移が続く。
-
ユーロドル(EUR/USD)水準:1.1559前日比:+0.0002(+0.02%)前日終値:1.1605(3/24)→1.1630(3/25早朝)アジア時間に停戦報道で1.1630まで上昇後、独IFO悪化とDXY持ち直しで1.1559まで押し戻されたが、前日3/24終値(1.1605)比では小幅ながらプラス。1.15〜1.16台での値固めが続いている。
📊 金利・債券
-
US10Y(米10年債利回り)水準:4.337%(▼0.057pt / ▼1.30%)4.394%から4.337%へ大幅低下。停戦期待による原油下落→インフレ懸念後退→債券買い・利回り低下という連鎖が主因。米輸入物価+1.3%のサプライズ発表直後は一時上昇したが、引けにかけて低下が継続し前日の上昇分(+0.050pt)を上回る反落となった。ゴールドにとってポジティブな変化だが、4.3%台前半は依然として高水準。
-
JGB10Y(日本10年債)水準:2.244%(▼0.027pt / ▼1.19%)前日2.307%から2.244%へ低下。原油価格下落によるインフレ長期化懸念の緩和と、米金利低下との連動が主因。日銀議事要旨はタカ派的な内容だったが、エネルギー高の緩和が利上げ観測を若干後退させた形。ただし2.2%台はなお高水準で、日銀の利上げ継続姿勢に変化はない。
🪙 コモディティ(原油・金)
| 品目 | NY引け | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物 | 90.32 | ▼2.03(▼2.20%) | 停戦期待で続落。日中は$86台まで急落する場面あり。前日の+4.35%を部分的に消化 |
| ブレント原油先物 | 98.13 | +0.14% | WTIより底堅い。ホルムズ問題は未解決でブレントプレミアム継続 |
| ゴールド(XAU/USD)スポット | 4,506.53 | +32.15(+0.72%) | 2日続伸。高値$4,602・安値$4,487・始値$4,547。始値比では「往って来い」 |
| シルバースポット(XAG/USD) | 71.2535 | ▼0.0085(▼0.01%) | 前日+3.04%の急騰後は横ばい。貴金属セクターの過熱感がやや調整 |
| NY金先物 | 4,535.50 | +39.00(+0.87%) | スポット比で+29ドルのプレミアム。先物が先行してスポットに収斂していく構図 |
🧠 市場心理・VIX
-
VIX(恐怖指数)水準:25.33前日比:▼1.62(▼6.01%)前日終値:26.95前日26.95から25.33まで大幅低下(▼6.01%)。停戦期待による全面リスクオンが恐怖指数を押し下げた。25台は依然としてリスクオフ寄りの水準ではあるが、前日から約1.6ポイントの低下は市場心理の明確な改善を示す。20台に戻るためには停戦の実態的進展が必要で、現状はまだ「期待だけが先行している」段階だ。
🥇 で、ゴールドどうなんだ?(XAU/USD考察)
今日の相場概況
前日終値$4,474から窓を開けて始値$4,546.77でスタート(停戦期待による急騰)。アジア〜ロンドン時間にトランプ「交渉継続・エネルギー施設攻撃撤回」発言を材料に高値$4,602.22まで上昇した。しかしイランの停戦拒否報道・独自5点案(ホルムズ主権要求)が伝わると急落し、米輸入物価+1.3%サプライズも重なって安値$4,487.50まで押し込まれた。その後、WTI▲2.2%反落と米10年債利回りの低下(4.394%→4.337%)を追い風に持ち直し、終値$4,506.53(前日比+32.15 / +0.72%)で2日続伸を確定させた。
「2日続伸」という事実は積み重ねてよい。しかし内容を見ると、始値$4,547から終値$4,507へ約▲40ドル(▼0.88%)の「往って来い」であり、高値$4,602に届いた後の急落は戻り売り圧力の強さを改めて示した。
「産油地域の紛争でゴールドは上がらない」——当ブログのテーゼは「原油高→インフレ→実質金利上昇→ゴールド抑制」だが、今日は逆(WTI▲2.2%)が起きた。
それでもゴールドが+0.72%にとどまった理由を整理する——
WTI▲2.2%(停戦期待)
↓
米10年債▼0.057pt(インフレ懸念後退→金利低下)→ゴールドにはプラス
↓
しかし米2月輸入物価+1.3%(約4年ぶり大幅上昇)がインフレの「現実」を突きつける
↓
「停戦期待(金利低下方向)」vs「インフレデータ現実(金利上昇圧力)」の綱引き
↓
結果:始値比▲0.88%の往って来い、前日比では+0.72%の小幅続伸
要するに、停戦が「期待」にとどまっている限り、輸入物価という「事実」がゴールドの上値を抑え続ける。停戦が実態を伴うまで、この綱引きは解消されない。
| 水準(ドル) | 区分 | コメント |
|---|---|---|
| 5,595.46 | ATH | 史上最高値(1/29高値) |
| 4,960 | 50日SMA | 3/18に下抜けした中期サポート→現在はレジスタンス |
| 4,602.22 | 📍 本日高値 | 停戦期待の急騰で到達。4,512(3/23高値)を上抜け。ただし終値では維持できず |
| 4,546.77 | 📍 本日始値 | 前日終値から+72の窓開け。停戦期待の強さを示す |
| 4,506.53 | 📍 本日終値 | 前日比+32.15(+0.72%)。2日続伸確定 |
| 4,487.50 | ⚠️ 本日安値 | 輸入物価サプライズ+イラン停戦拒否で急落。前日終値(4,474)を一時割りかけた |
| 4,474.38 | 前日終値(3/24) | 10日続落脱出の水準。本日も上で引けた |
| 4,268 | 200SMA | 前日に安値でサポートした中長期ライン |
| 4,099.55 | 3/23パニック底 | 先週の大底。直近2日間で+400ドル超回復 |
| 4,000 | 主要心理サポート | 4,100を再び割り込んだ場合の次の節目 |
■ ブル派の根拠
- 2日続伸で短期トレンドに変化——3/23パニック底$4,099から$4,602まで+500ドル(+12.2%)の急回復。200SMAも維持継続
- 高値$4,602は3/23高値$4,512を一時上抜け——直近レジスタンスを突破した事実はテクニカル上ポジティブ
- 米10年債4.337%へ低下——前日の4.394%からさらに下がり、実質金利低下方向はゴールドの追い風
- VIX25.33(▼6.01%)——恐怖指数の低下はリスクオン確認。市場全体の地合い改善がゴールドへの資金回帰につながりうる
- 停戦が実現すれば「原油急落→インフレ大幅後退→Fed利下げ期待復活→ゴールド急騰」という逆回転シナリオが浮上
■ ベア派の根拠
- 始値$4,546.77から終値$4,506.53の往って来い——上値追いの失敗が2日連続で継続。売り圧力の根強さを示す
- 米2月輸入物価+1.3%(予想+0.5%)——インフレの現実がデータとして確認。停戦前の数字がすでにここまで来ている
- イランの停戦拒否・ホルムズ主権要求——交渉は実態として難航しており、「期待で買われ、現実で売られる」構造が継続中
- DXY99.62(+0.19%)——ドル高基調が継続すれば上値は抑制される
- 先物($4,535)がスポット($4,507)より+28ドルのプレミアム——先物の先行に対してスポットが追いついていない乖離は注意
■ 今後の注目ポイント
- ⚠️ 3/28前後:「5日間」期限の到来——協議継続か、攻撃再開か。市場の方向性を決定づける最大の分岐点
- 3/26(木)米新規失業保険申請件数——インフレとセットで労働市場の強弱が焦点
- 3/27(金)米ミシガン大消費者態度指数確報値・FRB理事3名(クック/ジェファーソン/バー)講演
- 高値$4,602を終値で維持・更新できるかどうか——できなければ「戻り売り局面」と判断
- 米10年債が4.3%を下回るか——下回れば実質金利低下加速でゴールド上昇加速の可能性
■ 上値:4,547(本日始値・直近ギャップ)→ 4,602(本日高値)→ 4,960(50日SMA・戻り売りゾーン)
■ 下値:4,487(本日安値)→ 4,474(3/24終値)→ 4,268(200SMA)→ 4,099(3/23大底)
2日続伸で短期の底入れ感が出てきたが、終値で$4,547(本日始値)を維持・突破できるかどうかが次の焦点。ここを超えれば$4,602再挑戦、割り込めば$4,487→$4,474水準への押し戻しを警戒する。
🚀 全体まとめ
3月25日(水)の市場は、交渉の「期待」と拒否の「現実」が目まぐるしく交錯した一日だった。日経は+1,497円(53,749)と大幅続伸を達成し、前日(3/24)の「+1,100円爆騰→+736円で着地」から一段と上昇幅が拡大した——これはリスクオンの深化を示す明確なシグナルだ。
ゴールドは2日続伸(+0.72% / $4,506.53)を記録したが、内容は薄い。始値$4,546.77→高値$4,602という好スタートが、輸入物価+1.3%サプライズとイラン停戦拒否によって安値$4,487まで急落する「高値掴みの罠」に終わった。WTI▲2.2%という追い風があっても+0.72%にとどまったのは、「停戦は期待だが、インフレは事実」というデータが市場の頭を押さえているからだ。
米2月輸入物価+1.3%(予想+0.5%大幅超)という数字は重い。これはイラン戦争が始まる前の2月の数字だ。3月・4月に原油高・物流コスト上昇の影響が乗ってくれば、次の輸入物価はさらに高くなる可能性が高い。Fedが「利下げに動ける」環境は、停戦という大前提なしに実現しない——その構造は今日も変わらなかった。
📌 今日のマーケット一言
「日経+1,497円続伸、ゴールドは高値$4,602から安値$4,487の急落で+0.72%——始値割れ寸前まで売られた一日。WTI▲2.2%・米10年債4.337%の追い風も、輸入物価+1.3%という現実が上値を封じた」
次の焦点は3/28前後。「5日間」の期限が全ての答えを出す。
📰 情報ソース
- 市場ニュース:Bloomberg / Reuters / CNBC / ザイFX! / 外為どっとコム / 財経新聞
- 経済指標:BLS米2月輸入物価指数 / BEA米経常収支 / 独IFO景況感指数 / 英国統計局CPI 2026/03/25
- 終値データ:3/25 NYクローズ確定値 / nikkei225jp.com(3/26 06:39 JST取得)/ ぱぶちゃん提供データ(XAU/USDスポット・WTI・シルバー・DXY)
- WTI終値:Investingモバイルアプリ確認(3/26 08:33 JST、May限月前日終値90.32)
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