📊 本稿の市場クローズ時刻:NYSE株式 4/1 05:00 JST(EDT夏時間)/XAU/USDスポット 4/1 06:00 JST。ゴールド終値は06:00基準、株式終値は05:00基準です。3/31は年度末・四半期末・月末が重なる特殊営業日です。
【2026年3月31日】TACOが動いた日——WSJスクープで株式全面高・ゴールド急騰、イラン大統領「保証があれば停戦準備」
グローバル金融市場 振り返りレポート
⚡ 今日のマーケット早わかり(30秒で読む)
WSJが「トランプはホルムズ封鎖のままでも停戦容認」とスクープ——市場は即座に「停戦→原油急落→インフレ後退→Fed利上げなし→リスクオン」のチェーンを走らせた。ダウは+1,125.37点(+2.49%・46,341ドル)と5月以来最大の上昇幅を記録し、S&P500は+2.91%(6,528)、ナスダックは+3.83%(21,590)と全面高に転じた。WTI原油は停戦期待で-2%(101〜103ドル台)へ反落。米10年利回りは4.31%(▼0.041pt)へ低下し、DXYは▼0.65%(99.86)と100を割り込んだ。ゴールドは+3.46%(4,667.38ドル)と月末に急騰——「タンカーリリースシナリオ」の前段が発動した。一方、東京株式(3/31大引け)は中東警戒感が拭えず4日続落(▼822円)。深夜にはイラン大統領「保証があれば戦争を終わらせる準備ができている」という衝撃発言が出たが、イラン外相が「米国とメッセージ交換しているが協議はない」と即座に打ち消し——4/6期限前夜のTACO前哨戦が始まった。
① WSJスクープ「ホルムズ封鎖のまま停戦容認」→原油-2%→インフレ後退観測→Fed利上げ確率20%まで急落→DXY▼0.65%(99.86)→ゴールド+3.46%(4,667ドル)。「タンカーリリースシナリオ」前段発動——ただし海峡はまだ封鎖中、本格的な油価急落は未発生
② ダウ+1,125点・S&P500+2.91%・ナスダック+3.83%と5月以来最大の反発。消費者信頼感91.8(予想88.8を+3.0上振れ)・JOLTS688.2万人(予想上振れ)で米経済の底堅さ確認。シカゴPMI52.8(予想55.0から▼2.2大幅下振れ)は注意信号。東京CPI前年比+1.7%(予想+1.8%下振れ)
③ イラン大統領「保証があれば停戦準備」→外相「メッセージ交換しているが協議はない」で即打ち消し。トランプはNYポストに「ホルムズは自動的に開く」「戦争はそれほど長く続かない」。4/6期限まで5日——TACOが動き出した
📌 本日のニュース
- ▶07:09ウィリアムズ・NY連銀総裁:「米経済の基本的な見通しは非常に良好」「コアインフレの見通しは原油価格の急騰でもまだ変わっていない」「インフレ期待には細心の注意を払う必要がある」——パウエル議長と歩調を合わせた慎重ながら楽観的なトーン(FXi24)
- ▶08:30東京都区部CPI(3月):前年比+1.7%(予想+1.8%・下振れ)、失業率2月:2.6%(予想2.7%・改善)、有効求人倍率2月:1.19倍(予想1.18倍・改善)——CPI下振れはエネルギー補助金効果と食料品の伸び鈍化。日銀の政策判断に影響するか(みんかぶ経済指標)
- ▶09:00〜東京市場は4日続落。中東への警戒感が拭えず大幅安が続く。3/31は年度末・四半期末・月末が重なる需給的に特殊な営業日だったが、投資家のリスクオフが勝った(みんかぶ)
- ▶09:45片山財務相:「原油先物だけでなく為替も投機的になっている」「あらゆる方面で万全の対応をとっていく」——三村財務官に続く継続的な口先介入。為替介入警戒感が維持された(FXi24)
- ▶15:30日経平均大引け:4日続落・▼822円。中東情勢への警戒感拭えず(みんかぶ)。ドル円は三村財務官・片山財務相の介入警戒発言で159円台を維持。「強い円安牽制 vs 個人ショートの買戻し圧力」の構図が続く(ザイFX!・ZERO氏)
- ▶16:31カラハム・トルコ中銀総裁:「外貨流動性を支えるための金取引は通常のもの」「金取引の大部分はスワップ取引の性質を持つもの」「中央銀行は先回りし、かつ柔軟に行動している」「必要な金融引き締めの達成に向けて断固とした姿勢」——トルコの外貨準備保全に向けた金スワップ政策を説明(FXi24)
- ▶17:00【タカ派】ミュラー・エストニア中銀総裁(ECB):「向こう数四半期で利上げの可能性」「エネルギー価格が高止まりし続けるのであれば行動を起こさなければならない」「ベースラインはおそらく現時点では楽観的すぎるものとなっている」——ECB域内からのタカ派発言。前日のミュラー同様、欧州はパウエルよりもタカ寄り(FXi24)
- ▶ロンドン勢は待ちの姿勢——トランプ発言や米軍会見を控えてドル円は159円台後半で小動き(みんかぶ)
- ▶20:11【最重要①】トランプ米大統領(Truth Social):「同盟国は、米国からジェット燃料を購入するか、あるいは自力でホルムズ海峡から獲得すべき」「フランスはイランとの戦いで米国を支援しなかった。米国は忘れない」「ホルムズ海峡を通じて原油を輸入している国は、自力で原油を獲得すべき」——欧州同盟国への不満表明と「ホルムズは自国で再開せよ」という出口戦略の布石(Truth Social / FXi24)
DJTDonald J. Trump ✓@realDonaldTrumpAll of those countries that can't get jet fuel because of the Strait of Hormuz, like the United Kingdom, which refused to get involved in the decapitation of Iran, I have a suggestion for you: Number 1, buy from the U.S., we have plenty, and Number 2, build up some delayed courage, go to the Strait, and just TAKE IT. You'll have to start learning how to fight for yourself, the U.S.A. won't be there to help you anymore, just like you weren't there for us. Iran has been, essentially, decimated. The hard part is done. Go get your own oil! President DJT26/03/31 20:11 JST · Truth Social14.2k ReTruths 56.7k Likes
- ▶20:44ラデブ・ブルガリア中銀総裁(ECB):「中東情勢の緊迫化により、インフレリスクが高まりつつある」(FXi24)
- ▶ユーロ圏CPI速報(3月)・欧州各国CPI発表——エネルギー急騰を反映した高止まりが確認される(結果詳細は経済指標セクション参照)
- ▶22:00〜23:00米経済指標発表——住宅価格指数(予想通り)・S&Pケースシラー(下振れ)・シカゴPMI(大幅下振れ52.8)・消費者信頼感(上振れ91.8)・JOLTS(上振れ688.2万人)。詳細は経済指標セクション参照。
- ▶22:35〜ドル円はNY序盤に159.30円付近に値を落とす——ドルの戻り売りが優勢に。ピボットは159.57円付近(みんかぶ)
⚠️ 【本日最大の相場変動要因】WSJスクープ「ホルムズ封鎖のまま停戦容認」——TAI(トランプ・アウト・イニシアティブ)始動
WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が3/31 02:02 JST(米国時間3/30夜)に配信した最重要スクープ:「トランプ大統領は、ホルムズ海峡が依然封鎖されたままであっても、イランへの軍事作戦を終結させる用意があると側近に伝えた」(複数の政府当局者からの情報として)。WSJ報道の骨子:
・トランプ陣営は「ホルムズ再開任務が4〜6週間の当初シナリオを超える」と判断
・米軍の主目標を「イランの海軍・ミサイル戦力の無力化」と設定し終了、その後は外交圧力と同盟国によるホルムズ再開に移行
・オプション①:イランとの交渉でホルムズを外交的に再開させる
・オプション②:湾岸諸国やNATOに再開オペレーションをリードさせる
⚠️ 当ブログの評価:これは「TACO(Trump Always Chickens Out)」フレームワークの発動と読む。4/6デッドラインを前に「撤退の出口を探し始めた」というシグナルとして市場は受け取ったが、イランが条件を受け入れたわけでは全くない。「封鎖のまま撤退」という選択肢は、ホルムズの実効的な再開問題を先送りにするだけだ。
・WSJ原文(購読必要):Trump Tells Aides He Is Willing to End Iran War Without Reopening Hormuz — WSJ
・当ブログ関連記事:イラン戦争はTACOで終わるのか——1ヶ月で変わったもの、変わらなかったもの
NYSE クローズ:4/1 05:00 JST(16:00 EDT)/ XAU/USD スポット クローズ:4/1 06:00 JST(17:00 EDT)。以下はいずれもNYSE稼働中に届いた情報です。
- ▶4/1 00:12トランプ米大統領(NYポスト会見):「ホルムズ海峡は米軍が撤退すれば自動的に開く」「米国はイラン戦争でまだすべきことがある」「イランとの戦争はそれほど長く続かない」(FXi24)
- ▶4/1 01:42【衝撃発言】ペゼシュキアン・イラン大統領:「保証があれば戦争を終わらせる準備ができている」——WSJスクープ後に初めてイラン最高指導部から出た「停戦条件付き受諾」に近い発言。相場に追加の停戦期待をもたらした(FXi24)
- ▶4/1 02:44【打ち消し】アラグチ・イラン外相:「米国とメッセージ交換しているが協議はない」——イラン大統領発言から約1時間で外相が「協議はない」と火消し。米・イランの「交渉の有無」をめぐる情報戦が継続(FXi24)
- ▶バフェット氏がCNBC「Squawk Box」にオマハから生出演。「Appleを売りすぎた。割安になれば大量買いもあり得るが今の市場では買わない」と発言(CNBC)
- ▶ネタニヤフ首相(Newsmax):「戦争目標の半分以上は達成済み。革命防衛隊数千人を殺害、核プログラムを含む軍需産業基盤もほぼ壊滅に近い。ただしスケジュールは言えない」(Haaretz / Times of Israel)
- ▶アルミニウム先物がLMEで+3.5〜+5.5%急騰——イランが中東の主要産出国2か所を攻撃したとの報道を受け、供給危機懸念が拡大(CNBC)
- ▶4/1 05:00NYSE クローズ(16:00 EDT):ダウ+1,125.37(+2.49%・46,341.51)・S&P500+2.91%(6,528.52)・NASDAQ+3.83%(21,590.63)——いずれも5月以来最大の上昇率。441/500銘柄上昇・10/11セクター上昇の圧倒的な広がり(CNBC)
📅 主要経済指標・要人発言(3/31)
| 時刻(JST) | 指標・イベント | 結果 | 予想 | 前回(改定) | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:30 | 日本・東京都区部CPI(3月・前年比) | +1.7% | +1.8% | — | ⬇️ 下振れ |
| 08:30 | 日本・失業率(2月) | 2.6% | 2.7% | — | ⬆️ 改善 |
| 08:30 | 日本・有効求人倍率(2月) | 1.19倍 | 1.18倍 | — | ⬆️ 上振れ |
| 22:00 | 米・住宅価格指数(1月・前月比) | +0.1% | +0.1% | +0.1%(→+0.3%) | ➡️ 予想通り |
| 22:00 | 米・S&Pケースシラー住宅価格(20都市・1月・前年比) | +1.18% | +1.38% | +1.38%(→+1.43%) | ⬇️ 下振れ |
| 22:45 | 米・シカゴPMI(3月) | 52.8 | 55.0 | 57.7 | ⬇️ 大幅下振れ |
| 23:00 | 米・コンファレンスボード消費者信頼感指数(3月) | 91.8 | 88.8 | 91.0(改定) | ⬆️ 上振れ |
| 23:00 | 米・JOLTS求人件数(2月) | 688.2万人 | 686.0万人 | 694.6→724.0万人 | ⬆️ 上振れ+前回大幅修正 |
シカゴPMI(52.8)が大幅下振れした一方、消費者信頼感(91.8)とJOLTS(688.2万人)はともに予想を上回った。製造業はコスト上昇・不確実性で圧迫されているが、消費と雇用はまだ持ちこたえている——典型的な「戦時経済の二重構造」だ。Fedにとっては「急いで動く根拠がない」という現状維持の根拠がまた揃った。JOLTS前回値の724万人への大幅上方修正も雇用市場の底堅さを裏付ける追加材料。東京CPIの下振れは日銀の次回判断(4/28)への材料として注目。
📈 日経平均:51,063円(▼822円・▼1.58%)——4日続落、中東警戒感拭えず
東京市場は3/30の▼1,487円から続落し、4日連続の下落となった。ただし3/30の3日連続大幅安に比べて下げ幅はやや縮小(▼822円)。年度末・四半期末の最終営業日という特殊需給要因があったものの、中東への警戒感が全体を押し下げた。引け後、WSJスクープを受けた米国株の大幅高(ダウ+1,125点)を反映し、日経CFDは翌朝06:08時点で52,922(指数比+1,858 / +3.64%)、日経先物miniは53,000(指数比+1,936 / +3.79%)と大幅ギャップアップを示唆する状態で終えた。
| 指数 | 終値 | 前日(3/30)比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経平均(大引け) | 51,063.72 | ▼822.13(▼1.58%) | 4日続落。中東への警戒感継続。年度末最終営業日 |
| TOPIX | 3,497.86 | ▼44.48(▼1.26%) | 日経と揃って4日続落 |
| グロース250 | 699.09 | ▼10.84(▼1.53%) | 小型グロースも全面売り |
| 日経CFD(翌06:08) | 52,922.00 | 指数比+1,858(+3.64%) | WSJスクープ・米株大幅高を反映した夜間の大幅ギャップアップ |
📊 株式市場(アジア・欧州・米国)
① アジア株(3/31)
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| KOSPI(韓国) | 5,052.46 | ▼224.84 | ▼4.26%(アジア最大の下落) |
| 上海総合(中国) | 3,891.86 | ▼31.43 | ▼0.80% |
| ハンセン(香港) | 24,788.14 | +37.35 | +0.15% |
| インドNifty50 | 22,331.40 | ▼488.20 | ▼2.14%(3/30終値) |
② 欧州株(3/31)
WSJスクープのNY流入前に引けたため、停戦期待の本格的な恩恵は翌日以降に持ち越し。それでも前日比でプラスを維持した。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| FTSE100(英国) | 10,176.45 | +48.49 | +0.48% |
| DAX(ドイツ) | 22,680.04 | +117.16 | +0.52% |
| CAC40(フランス) | 7,816.94 | +44.49 | +0.57% |
③ 米国株(3/31)——5月以来最大の上昇
WSJスクープ「ホルムズ封鎖のまま停戦容認」が引き金となり、停戦期待→原油安→インフレ後退→リスクオンの流れが一気に加速した。3/31はS&P500が2.91%高、ナスダックが3.83%高と5月以来最大の上昇率を記録。Nvidia +5%・Alphabet +4.9%・Microsoft +5%前後・Amazon +5%前後とメガキャップテックが牽引した。一方でS&P500は月次では約▼7%(1月高値比)、3月単月でも負けており、月末・四半期末の大反発が「焼け石に水」的な構造である点は注意が必要だ。
| 指数 | 終値 | 前日(3/30)比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 46,341.51 | +1,125.37 | +2.49% |
| S&P500 | 6,528.52 | +184.80 | +2.91% |
| NASDAQ | 21,590.63 | +795.99 | +3.83% |
| NASDAQ100 | 23,740.19 | +786.81 | +3.43% |
| ラッセル2000 | 2,496.37 | +82.36 | +3.41% |
| フィラデルフィア半導体(SOX) | 7,588.20 | +445.87 | +6.24%(前日▼4.22%から完全逆転) |
| NYSE FANG+ | 13,855.07 | +619.75 | +4.68% |
今日の上昇は実際には壊滅的な3月の傷を癒すには程遠い。CNBC によれば、S&P500の10/11セクターが3月をマイナスで終えており、月次では依然として大幅な損失が残る。エネルギーセクターのみが年初来プラス(+28%)で、それ以外は軒並みマイナス。「1日の大反発」が月次・四半期次のダメージを解消するには、停戦の実現が不可欠だ。
💱 為替(3/30終値→3/31終値)
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DXY(ドル指数)水準:99.86前日比:▼0.65(▼0.65%)前日終値:100.51WSJスクープ→停戦期待→「Fed利上げ不要」という連鎖でドル売り。100を割り込み99.86へ。前日の100台定着が一日で崩れた形。停戦が確定しなければ再び100台に戻る可能性が高い。
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ドル円(USD/JPY)NYクローズ(06:08):158.765前日終値:159.690▼0.925(▼0.58%)円高DXY▼0.65%と停戦期待によるドル売りが合わさり158円台へ。片山財務相「あらゆる方面で万全の対応」発言の円安けん制が奏功した形にも見えるが、実質はドル全面安の流れ。PDF速報ニュースには「ドル・円159円割れ」「ドル続落・イラン戦争終了見込む」との速報も確認。
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ユーロ円(EUR/JPY)水準(06:08):183.406前日終値:182.978+0.428(+0.23%)ドル安・円安が拮抗する形でユーロ円は183円台に小幅上昇。欧州株がプラスで引けたことも支援。
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ユーロドル(EUR/USD)水準(06:08):1.1553前日終値:1.1459+0.0094(+0.82%)DXY▼0.65%に連動してユーロドルは1.1553へ大幅上昇。ミュラーECBタカ派発言(「向こう数四半期で利上げの可能性」)も追い風。1.15台への定着が焦点。
📊 金利・債券
3/30は「株リスクオフ→債券逃避」が実質金利低下を引き起こした。3/31はメカニズムが違う——「WSJスクープ→停戦期待→原油安→インフレ後退観測→Fed利上げ不要→債券買い」という「ポジティブな意味での実質金利低下」が起きた。Fed利上げ確率は前週の35%から約20%へ急落(CNBC)。これがゴールド+3.46%という大幅高の構造的背景だ。
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米国債10年利回り水準:4.318%(▼0.024pt / ▼0.55%)前日:4.351%(▼0.033pt追加低下)停戦期待と原油安が「インフレ圧力後退→利上げ不要→債券買い」の連鎖を引き起こし低下。最近の高値4.48%から▼16bp以上の水準まで低下。実質金利の低下がゴールドの強力な追い風に。
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米国債2年利回り水準:3.791%(▼0.037pt / ▼0.97%)前日:3.832%短期ゾーンで▼0.037ptの大幅低下。「停戦→Fed利上げ観測急低下」を最も敏感に反映するゾーン。Fed利上げ確率20%まで急落の裏付け数値。
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米国債5年利回り水準:3.945%(▼0.034pt / ▼0.85%)中期ゾーンも大幅低下。全ゾーンで利回り低下——イールドカーブ全体が停戦期待で下方シフト。
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米国債30年利回り水準:4.912%(+0.006pt / +0.12%)超長期ゾーンのみ小幅上昇。財政赤字懸念(イラン戦争費用900億ドル超)が超長期を押し上げ継続。5%への接近が引き続き警戒される。
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MOVE指数(債券版恐怖指数)水準:96.05(▼12.28 / ▼11.33%)前日終値:108.3311%超の大幅低下。停戦期待で債券市場の恐怖が急速に剥落。「MOVE低下日はゴールド上昇」のパターンが今日も力強く機能し、ゴールド+3.46%の一因に。3/26の急騰局面からの正常化が加速。
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JGB10年利回り(日本国債10年)水準:2.349%(▼0.011pt / ▼0.47%)前日:2.363%株安を受けた逃避買いが続き小幅低下。3/27の急騰(2.386%)から低下トレンドが継続。2.3%台での推移が維持されている。
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Fed利上げ確率(次回FOMC・4/29)水準:約20%3月初旬:35%→急落利上げ確率が20%まで急落。2年利回りの▼0.97%という大幅低下がこの市場の見方を裏付けている(CNBC)。
🪙 コモディティ(原油・金)
| 品目 | NY引け | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物 | 101.57ドル | ▼1.31(▼1.27%) | 停戦期待で反落。ただし依然100ドル超を維持。3月月次では+48%(2020年以来最大の月間上昇) |
| ゴールドスポット(XAU/USD) | 4,667.38ドル | +156.24(+3.46%) | 始値4,513.87・高値4,686.90・安値4,482.88・中値4,584.89 |
| NY金先物 | 4,699.25ドル | +141.75(+3.11%) | スポットと同方向で大幅高 |
| シルバースポット(XAG/USD) | 75.35ドル | +6.77% | ゴールドをアウトパフォームする大幅高。NY銀先物も+6.77%(値上がり指数1位) |
🧠 市場心理・VIX
-
VIX(恐怖指数)水準:25.25前日比:▼5.36(▼17.50%)前日終値:30.6130台から25.25へと17.5%の急落——停戦期待が市場の恐怖を一気に剥落させた。3/31の株式全面高(ダウ+2.49%・S&P500+2.91%)を受けて「恐怖ゾーン(30超)」から「警戒ゾーン(25台)」へシフト。ただし25台は依然として歴史的に見た場合の「高めの警戒水準」であり、停戦破談・4/6期限の難航があれば即座に30台へ戻るリスクがある。3/27の急騰(+13.16%→31.05)から4日で大幅低下が完了した形。
🥇 で、ゴールドどうなんだ?(XAU/USD考察)
今日の相場概況
3/30の終値4,511.14ドルから3/31は4,513.87ドルとほぼフラットでスタート。前日の小幅高(+0.40%)の地合いを引き継ぐ形でNY開場前は静かな動きだった。しかしWSJスクープが流入し始めると状況が一変——停戦期待が「原油安→Fed利上げ観測急低下→DXY▼0.65%→実質金利低下」というチェーンを高速で走らせ、ゴールドは一気に高値4,686.90ドルまで急騰した。終値は4,667.38ドル(+156.24 / +3.46%)で引けた。
注目点:高値4,686.90は3/25の大天井(4,602.22)を+84.68ドル上抜き、3/19の高値圏(4,750〜4,800台)を次の目標として視野に捉えた。安値4,482.88は3/30安値(4,420.48)を上回り底値切り上げが継続。中値(4,686.90+4,482.88)÷2=4,584.89ドル。終値(4,667.38)が中値(4,584.89)を大幅に上回り、日中の上昇圧力の強さを示している。
月次パフォーマンス:ゴールドは3月単月で▼12.9%(イラン開戦後)、9か月ぶりの月間マイナスに終わった(CNBC)。ただし本日の+3.46%が月末の「底打ち感」を演出した形だ。
⚠️ 「タンカーリリースシナリオ」前段が発動した——ただし本番はまだ先
当ブログが定立してきた「タンカーリリースシナリオ」:停戦→油価急落→インフレ後退→Fed転換(利下げ再開)→ゴールド急騰
3/31に確認できたのは、この連鎖の「前段」だ:
① WSJスクープ「停戦容認」→ ② 原油-2%($101〜103台)→ ③ インフレ後退観測→ ④ Fed利上げ確率20%に急落→ ⑤ DXY▼0.65%→ ⑥ XAUUSD +3.46%(4,667ドル)
しかし「本番」はまだ来ていない:
・ホルムズ海峡はまだ封鎖中
・原油は▼2%程度にとどまり、まだ100ドル超
・イラン大統領「停戦準備」→外相「協議はない」と即打ち消し
・4/6期限の帰結は不明
本番のシナリオ(ホルムズ再開→油価$70〜80台へ急落→Fed利下げ転換)が来れば、ゴールドの上昇余地は本日の比ではない。逆に「TACOが破談」になれば、本日の上昇分は一気に剥落する可能性がある。
イラン戦争は2/28に開始し、ゴールドは3月に▼12.9%下落した——これは「戦争でゴールドが上がる」という常識と矛盾しているように見える。しかし当ブログが3月初旬から主張してきた通り、これは「油産地直撃型の地政学リスク」特有の動きだ。
油産地戦争 → 原油急騰 → インフレ期待急騰 → 中央銀行が利上げ観測 → 実質金利上昇 → ゴールド売り
この逆説的なチェーンが3月のゴールド▼12.9%を引き起こした。3/31に+3.46%上昇したのは「停戦期待→油価下落→インフレ後退→実質金利低下」というチェーンが逆回転したからだ。つまり「ゴールドの命運は原油価格が握っている」——これが2026年3月の最大の学びだ。
| 水準(ドル) | 区分 | コメント |
|---|---|---|
| 5,595.46 | ATH | 史上最高値(1/29高値) |
| 4,750〜4,800 | 3/19前後の高値圏 | 次の目標。停戦確定なら視野に入る水準 |
| 4,686.90 | 📍 本日高値 | 3/25大天井(4,602)を+84.68上抜き。月末の高値更新 |
| 4,667.38 | 📍 本日終値 | 前日比+156.24(+3.46%)。終値が中値を大きく上回る強い引け |
| 4,602.22 | 3/25高値(旧大天井) | 本日高値が上抜き。レジスタンスがサポートにシフト |
| 4,584.89 | 本日中値 | (高値+安値)÷2。終値が中値を+82.49上回り強さを示す |
| 4,513.87 | 本日始値 | 前日終値(4,511.14)からほぼフラットスタート |
| 4,511.14 | 3/30終値 | 本日終値はここを+156.24上回る |
| 4,482.88 | ⚠️ 本日安値 | 3/30安値(4,420.48)より高く底値の切り上げが継続 |
| 4,420.48 | 3/30安値 | 本日安値は3/30安値を上回り守備ライン上昇 |
| 4,351〜4,375 | 3/26〜3/27安値圏 | 重要サポート帯。このゾーンを割れなかった |
| 4,099.55 | 3/23パニック底 | 本日終値からまだ567ドルの下方余地 |
■ ブル派の根拠
- 「タンカーリリースシナリオ」前段が発動——停戦が確定すれば「原油急落→Fed利下げ転換→ゴールド急騰」の本番が来る。その期待先取りポジションとして今のゴールドは魅力的
- 高値切り上げ(4,580→4,686)・安値切り上げ(4,420→4,482)が4日連続で確認——モメンタムは依然強気
- 3/25大天井(4,602)を終値でなく高値ベースで超えた(4,686)——チャート的な壁を突破した
- Fed利上げ確率が20%まで急落——「凍結継続」という最強のゴールドサポート環境が維持されている
- DXY99.86(100割れ)——ドル安がゴールドの追い風として機能し始めた
- イラン大統領「保証があれば停戦準備」——外相が否定しても、外交的接触の可能性が市場の頭の中に残り続ける
■ ベア派の根拠
- 「TACO破談」リスク——最大の下方リスク:4/6期限にイランが拒否、トランプが再び「完全抹殺」路線に戻れば、原油再騰→インフレ再来→Fed利上げ観測復活→ゴールド急落のチェーンが再起動する
- イラン外相「協議はない」——大統領の「停戦準備」発言を即座に打ち消した。交渉が実質的に進んでいない可能性が高い
- 3月月次▼12.9%の深い傷——1日の+3.46%は月次の傷を癒すには程遠く、月次トレンドはまだネガティブ
- WTI依然100ドル超——本格的な油価急落($80台以下)なしには「インフレ後退→Fed転換」というチェーンは完成しない
- ホルムズ「封鎖のまま撤退」シナリオが現実化しても、封鎖継続→油価高止まり→インフレ継続という最悪の組み合わせが来る可能性がある
- アルミニウム急騰(+3.5〜5.5%)——イランの攻撃範囲が拡大しており、地政学リスクの質的変化(産業金属への飛び火)が示す先行き不透明感
■ 今後の注目ポイント
- ⚠️ 4/6:トランプの対イラン最終デッドライン——「合意か攻撃か」の分岐点。当ブログは「TACO」フレームで「停戦への傾き」と見るが、イランの条件次第で逆方向もある
- イラン大統領「保証があれば停戦準備」の「保証」の中身——何が保証されれば合意するのか。この詳細が出てくれば停戦確率が具体化する
- 4/3(金)米雇用統計——「雇用強い→Fed利上げ復活圧力→ゴールド売り」「雇用弱い→Fed凍結確定→ゴールド買い」の二方向リスク
- WTIが$100を定着させるか、$90台へ落ちるか——ゴールドの方向性を決定する最重要変数
- 4/1 東京市場:NYの大幅高(+2〜3%)を受けてギャップアップ開始が見込まれる。日経平均の4日続落連鎖が断ち切られるか
■ 上値:4,686(本日高値)→ 4,750〜4,800(3/19前後高値圏)→ ATH 5,595
■ 下値:4,602(3/25旧天井→現サポート)→ 4,482(本日安値)→ 4,420(3/30安値)→ 4,099(3/23パニック底)
🚀 全体まとめ
3月31日(火)の市場を一言で表すなら「WSJスクープがすべてを動かした——タンカーリリースシナリオの前段が発動した1日」だ。WSJ「トランプはホルムズ封鎖のまま停戦容認」というスクープが流入した瞬間、市場は「停戦→原油安→インフレ後退→Fed利上げ不要→リスクオン」というチェーンを一気に走らせた。ダウ+1,125点(5月以来最大)、S&P500+2.91%、ナスダック+3.83%、そしてゴールド+3.46%(4,667ドル)——「月末・四半期末・年度末の最悪の相場」が「月末最後の日の大逆転」で幕を閉じた。
ただし深夜に起きた「イラン大統領『保証があれば停戦準備』→イラン外相『協議はない』」という対照的な2つの発言は、この相場の「砂上の楼閣」的な側面を象徴している。トランプはNYポストに「ホルムズは自動的に開く」「戦争はそれほど長く続かない」と楽観的に語ったが、イラン側の条件は一切明確になっていない。4/6デッドラインまであと5日——TACOが真に発動するのか、それとも「TACO演技」で終わるのか、市場は固唾を呑んで見守っている。
経済指標の観点では、消費者信頼感91.8(予想+3.0上振れ)とJOLTS688.2万人(前回724万に大幅上方修正)が「米経済の底堅さ」を示した一方、シカゴPMI52.8(予想55.0から▼2.2の大幅下振れ)は「製造業が戦時コストで疲弊している」という警告を発した。この二極化は4/3の雇用統計(NFP)でさらに明確になるはずだ。
📌 今日のマーケット一言
「WSJ『ホルムズ封鎖のまま停戦容認』——ダウ+1,125点・ゴールド+3.46%(4,667ドル)。タンカーリリースシナリオの前段が発動した。ただしホルムズはまだ封鎖中、イラン外相は『協議はない』と打ち消した」
問い:「TACO(Trump Always Chickens Out)」か「TACO演技」か——4/6に答えが出る。それまでゴールドは4,600台〜4,700台のボラタイルな相場が続くと見る。
📰 情報ソース
- 市場ニュース:CNBC / Reuters / Bloomberg / Wall Street Journal / Haaretz / Times of Israel / Al Arabiya / FXStreet / Investing.com
- 日本語情報:みんかぶFX / ザイFX!/ OANDA Japan / TradersWeb FX
- 要人発言:FXi24「31日の主な要人発言(画像より)」/ みんかぶ要人発言カテゴリ
- 経済指標:みんかぶ経済指標カレンダー(fx.minkabu.jp/indicators)/ ぱぶちゃん提供画像(みんかぶ経済指標スクリーンショット)
- 株式:CNBC「Stock market news for March 31, 2026」/ OANDA Japan市場レポート
- ゴールド月次データ:CNBC「Gold is down 12.9% month to date」
- 終値データ:ぱぶちゃん提供データ(XAU/USD・XAG/USD・DXY・日経終値)/nikkei225jp.com
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💬 ぱぶちゃんのひとこと
3/31の東京▼822円を「WSJスクープを無視した」と読むのは誤りだ。WSJスクープは3/31 02:02 JSTに配信されており、東京市場は開場前にすでに認知していた。では何が東京を押し下げたか——答えは「権利落ち日の翌日+年度末・四半期末・月末の三重最終営業日」という構造的な売り需給だ。3/30(月)が権利落ち日、3/31(火)が年度末最終営業日であり、機関投資家はTACOを信じる信じない以前に、決算対策で売らざるを得ない日だった。この「売り需給」こそがWSJスクープよりも優先される材料だったのだ。むしろWSJスクープが下支えとして機能し、▼822円で済んだ可能性すらある。NYが同日+2.91%急騰したのはトランプ本人のTruth Social投稿(20:11 JST)とNYポスト会見(翌00:12 JST)が加わったからであり、東京大引け(15:30)には物理的に届かなかった。