【東京エレクトロン決算】1Q大幅増収増益、経常利益はIFISコンセンサスを上回る~上期業績予想を上方修正、中間配当384円に増配、株式分割も発表
2026年7月30日|ぱぶちゃんのファンダメンタルlab
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東京エレクトロンの2027年3月期第1四半期(連結)は、売上高7,323億円(前年同期比+33.3%)、営業利益2,114億円(同+46.1%)、経常利益2,156億円(同+46.3%、IFISコンセンサス2,077億円を上回る水準)、四半期純利益1,643億円(同+39.5%)と大幅増収増益。AI関連の設備投資拡大を背景に上期業績予想を上方修正し、中間配当も1株384円へ増額。あわせて1株→5株の株式分割(10月1日効力発生)も発表した。
📄 一次資料:東京エレクトロン IR情報(決算短信・決算説明会資料)
📋 目次
1|東京エレクトロンとはどんな会社か
東京エレクトロン株式会社(東証プライム8035)は、半導体製造装置(SPE)の国内最大手・世界大手。当社グループは「半導体製造装置」の単一セグメントであり、セグメント別の記載は省略されている。代表取締役社長・CEOは河合利樹氏、常務執行役員・CFOは川本弘氏。塗布現像装置・エッチング装置・Advanced Packaging関連装置などが主力製品群。中期経営計画では2027年3月期の財務目標として売上高≧3兆円、営業利益率≧35%、ROE≧30%を掲げている。
2|主要財務ハイライト(コンセンサス対比)
2026年7月30日、東京エレクトロンは2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月、連結)決算を発表した。AI関連の半導体投資拡大を背景に、主要指標は軒並み大幅な増収増益となった。
| 指標 | 2027年3月期1Q | 2026年3月期1Q | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,323億88百万円 | 5,495億86百万円 | +33.3% |
| 営業利益 | 2,114億7百万円 | 1,446億94百万円 | +46.1% |
| 経常利益 | 2,156億26百万円 | 1,473億47百万円 | +46.3% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 1,643億41百万円 | 1,178億1百万円 | +39.5% |
| 1株当たり四半期純利益 | 361.36円 | 257.13円 | - |
📌 IFISコンセンサスとの比較(2026/7/29時点)
決算発表直前のIFIS株予報コンセンサス(2026年7月29日時点)では、Q1経常利益予想は2,077億円。実績の2,156億26百万円はこれを上回る水準で着地した。IFIS側のニュースコメントでも「IFISコンセンサスを上回る水準」と評価されている。なお発表前時点の通期202703コンセンサスは、売上高3兆3,050億円、営業利益9,664億円、経常利益9,761億円、当期利益7,433億円だった(会社側は今回、中間期予想のみ上方修正し、通期予想は中間決算発表時に開示予定としている)。
3|地域別・アプリケーション別動向
決算説明会資料より、地域別売上高構成比(Q1)は中国30.4%、台湾25.4%、韓国20.8%、日本8.8%、北米8.1%、欧州3.3%、東南アジア他3.2%。SPE新規装置のアプリケーション別構成比は非メモリ57%、DRAM32%、不揮発性メモリ11%となっている。
同資料の事業進捗ハイライトによると、塗布現像の売上成長率は前年同期比50%超、エッチングは同25%超、Advanced Packagingは同70%超と、いずれも高い伸びを示した。特にAdvanced Packagingはプローバがハイエンドロジック向けで強いポジションを持ち、通期で大きく拡大する見通しとされている。
4|特殊要因・重要トピックス
- 自己株式取得:2026年5月29日開催の取締役会決議に基づき、最大750万株・1,500億円(上限)の自己株式取得を実行中(取得期間2026年6月1日~2027年3月31日)。2026年6月30日時点で207,100株、114億74百万円を取得済み。
- 自己株式消却:2026年3月27日開催の取締役会決議に基づき、2026年4月30日付で自己株式の消却を実施。これにより利益剰余金及び自己株式は、当第1四半期連結累計期間においてそれぞれ954億70百万円減少した。
- 株式分割:2026年9月30日を基準日として、1株につき5株の割合で株式分割を実施予定(効力発生日2026年10月1日)。投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家層の拡大を図る目的。同基準日を基準日とする中間配当は分割前の株式数を基準に実施される。
- 令和8年熊本地震:2026年7月28日に発生。当社グループ事業所の建物・設備に大きな損害は確認されておらず、現時点において業績への影響は軽微と判断している。
5|四半期トレンド
FY2026 Q1からFY2027 Q1にかけての売上高は5,495→6,300→5,520→7,118→7,323億円と拡大基調にある。営業利益率はFY2026 Q3の21.0%を底に、FY2027 Q1では28.9%まで回復。売上総利益率も同期間で42.7%から46.8%へ改善しており、収益性の改善傾向が続いている。
6|キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,187億円の収入(前年同期749億円から増加)。投資活動によるキャッシュ・フローは381億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,784億円の支出(自己株式取得114億78百万円、配当金の支払1,660億41百万円が主因)。フリー・キャッシュ・フローは805億円、手元資金残高は4,096億円となった。
7|業績予想(上方修正)
| 項目(2027年3月期上期) | 前回予想(A) | 今回修正予想(B) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆5,700億円 | 1兆6,200億円 | +3.2% |
| 営業利益 | 4,310億円 | 4,580億円 | +6.3% |
| 経常利益 | 4,370億円 | 4,640億円 | +6.2% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 3,280億円 | 3,490億円 | +6.4% |
| 1株当たり中間純利益 | 721.12円 | 767.51円 | - |
最新の顧客設備投資動向を踏まえ、2026年4月30日公表の連結業績予想を上方修正。中間配当予想も1株当たり361円から384円に増額修正した。なお2027年3月期の期末配当・通期連結業績予想は現時点で未定であり、中間期の決算発表時に開示予定としている。
下期については「需要拡大の勢いは一段と加速し、上期を大きく上回る成長を想定」とする一方、「中東情勢の影響、サプライチェーンの動向は要注視」ともコメントしている。
8|経営体制・事業環境
2026年7月30日付で新体制を発表。河合利樹氏がCEO(取締役兼務)、石田博之氏がCOO(取締役兼務、新任)に就任。林伸一氏(開発生産担当、取締役兼務・新任)、多田新吾氏(顧客戦略担当・Global Customer Engineering担当、新任)、堂和寛氏(コーポレート戦略企画担当、新任)、阿曽達也氏(Global Business Platform担当、新任)がコーポレートオフィサーに就いた。
事業環境については、WFE(半導体製造装置)市場の見通しをCY2026で1,500億ドル以上、CY2027で1,900億ドル以上とし、AIデータセンター向けがWFE全体の50%に達する勢いで成長するとの見方を示した。
9|株価反応
決算発表前日(7月29日)終値は50,000円。決算発表当日(7月30日)の終値は52,240円(前日比+2,240円、+4.48%)となり、上期予想の上方修正と増配、株式分割発表が好感された値動きとなった。
10|リスク・注視すべきポイント
⚠️ 決算資料から読み取れる留意点
①通期業績予想は依然未定で、中間決算発表時に開示予定となっており、下期の伸び方次第で通期の着地が変動しうる
②中期経営計画の営業利益率35%目標は会社側も「チャレンジング」と認識しており、進捗評価は「In Progress」に留まる(売上高・ROEは「On Track」)
③会社側は「中東情勢の影響、サプライチェーンの動向は要注視」と明言しており、地政学リスクが下期業績に影響する可能性がある
④株式分割・自己株式取得・自己株式消却が同時並行しており、需給・資本政策の変化を伴う点に留意が必要
⑤令和8年熊本地震の影響は現時点で軽微と判断されているが、今後の状況次第で評価が変わる可能性がある
出典
- 東京エレクトロン株式会社「2027年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年7月30日公表)
- 同社「2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月)東京エレクトロン決算説明会」資料(2026年7月30日公表)
- IFIS株予報「8035 東京エレクトロン 業績進ちょくと決算スケジュール」コンセンサスデータ(2026年7月29日時点)
- 株価:Yahoo!ファイナンス(8035.T)
✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年/ぱぶちゃんのファンダメンタルlabを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god
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