2026年1月26日 金融市場概況
― 金価格が史上初の5,100ドルに到達、為替・債券市場でリスクオフの動き ―
1. 概況
2026年1月26日のグローバル金融市場では、金価格の急騰と為替市場における急速なドル安・円高の進行が主要なテーマとなった。
米国の政治・財政リスクへの警戒感を背景に、株式などのリスク資産から、国債や金といった安全資産への資金シフトが明確となった一日である。
株式市場は地域によって方向感が分かれた一方、為替・債券・商品市場では共通してリスク回避的な動きが先行した。
2. 株式市場
日本株(東京市場)
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日経平均株価:52,885円(前日比 −1.79%)
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TOPIX:3,552(前日比 −2.0%超)
為替市場での急速な円高進行を受け、輸送用機器や電子部品など輸出関連セクターを中心に売りが優勢となった。
加えて、先物主導のインデックス売りが重なり、指数は下落幅を拡大する展開となった。
米国株(NY市場)
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NYダウ:49,412ドル(+0.64%)
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S&P500:6,950(+0.50%)
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NASDAQ:23,601(+0.40%)
主要3指数は小幅に上昇したが、上昇の中心は大型ディフェンシブ株に限られた。
米長期金利の低下を背景にバリュエーション面での調整が一服した銘柄に買いが入ったものの、市場全体として積極的なリスクオンの動きは限定的であった。
3. 為替市場
ドル円(USD/JPY)
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終値:154円台前半
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前日比:円高(−1%超)
日米当局による為替介入への警戒感に加え、米政府閉鎖リスクを意識したドル売りが加速した。
流動性の高い時間帯に断続的な売りが持ち込まれ、ストップロスを巻き込む形で円高が進行した。
ドル指数(DXY)
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終値:97.0前後(前日比 −0.2%)
金融政策見通しよりも、米国内の政治・財政リスクを背景とした通貨の信認低下が意識され、ドルは主要通貨に対して軟調に推移した。
4. 商品市場
金(ゴールド)
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終値:5,092.40ドル(前日比 +2.1%)
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日中高値:5,100.50ドル(史上最高値)
金価格は心理的節目である5,100ドルに一時到達し、史上最高値を更新した。
ドル安の進行に加え、米実質金利の低下が支援材料となった。市場では、法定通貨や財政リスクに対するヘッジ需要が強まっているとの見方が広がっている。
原油(WTI)
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価格水準:60ドル前後
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前日比:小動き
原油価格は60ドル台での推移となり、値動きは限定的であった。
中東情勢などの地政学リスクが下値を支える一方、世界的な景気減速懸念や需要見通しの不透明感が上値を抑える要因となった。
今回のリスクオフ局面では、金や国債への資金流入が目立つ一方、原油市場では明確な安全資産的買いは確認されず、他のコモディティと比較して相対的に落ち着いた値動きにとどまった。
5. 債券・金利市場
米国債
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米10年債利回り:約4.2%(低下)
安全資産としての国債需要が強まり、長期金利は低下した。
株価指数が底堅く推移する中でも、債券市場は先行してリスク回避姿勢を示す形となった。
日本国債
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長期金利:低下
円高の進行により輸入インフレ懸念が後退したことに加え、日銀の早期追加利上げ観測が弱まり、債券買いが優勢となった。
6. 主要トピックと市場心理
政治・財政リスクの再認識
米政府閉鎖リスクや債務上限問題への警戒感が再燃し、ドル・米国債・金の相対的な評価に影響を与えている。
アセットアロケーションの変化
金利低下局面において、株式よりも債券や金が選好される典型的なリスク回避局面が確認された。
為替のボラティリティ上昇
介入警戒感を背景に、ドル円の155円水準が意識されるレジスタンスとして認識され始めている。
7. 市場データまとめ(終値ベース)
| 項目 | 終値 | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 52,885円 | −1.79% | 輸出株に売り |
| NYダウ | 49,412ドル | +0.64% | ディフェンシブ主導 |
| ドル円 | 154.2円付近 | 円高 | 介入警戒・政治リスク |
| 金(Spot) | 5,092ドル | +2.1% | 一時5,100ドル |
| 原油(WTI) | 60ドル前後 | 小動き | 需要懸念 |
| 米10年債利回り | 約4.2% | 低下 | 債券買い |
総括
2026年1月26日の金融市場は、株式市場よりも為替・債券・金といった市場が先行してリスク回避を示した一日であった。
特に金価格の5,100ドル到達は、インフレ要因にとどまらず、通貨・財政・政治に対する信認の変化を反映した動きとして位置付けられる。
一方、原油が60ドル台で落ち着いた推移となった点は、今回のリスクオフが実体経済の急変ではなく、金融・通貨要因主導であったことを示している。
執筆者:pablo
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