【金融市場振り返り】米イラン協議進展で原油急落、AI懸念継続(2026年2月17日)

2026年2月18日水曜日

金融市場振り返り

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【金融市場振り返り】2026年2月17日(火)
AIリスク・米イラン核交渉・ドル高が交錯した一日

2026年2月17日(日本時間2月16日8:00〜2月18日7:00)の金融市場を振り返ります。前日の米プレジデントデー祝日明けとなった今日は、米イランのジュネーブ核交渉進展や、AI投資リターンへの持続的な懸念が市場の方向感を定まらなくさせ、主要株価指数は小幅の動きとなりました。ゴールドと原油は地政学リスクプレミアムの後退から下落。一方でドルインデックスは強含む場面が見られました。


📰 主要ニュース(3本)

① 米イラン核交渉がジュネーブで「基本原則」に合意

2月17日、米国とイランはスイス・ジュネーブで第2回の間接核協議を実施。イランのアラグチー外相は「合意に向けた指導原則について一般的な合意に達した」と述べ、今後2週間以内にイラン側が具体的提案を持ち帰る方針を示しました。一方、米側は「進展はあったが、詳細についてはまだ多くの議論が必要」と慎重な姿勢を崩しませんでした。この報道を受け、中東の地政学リスクプレミアムが一時後退し、原油・金価格が下落しました。なお、協議と同日にイラン革命防衛隊がホルムズ海峡で軍事演習を実施し、一時的に緊張が高まる場面もありました。

② AI投資の持続可能性懸念が市場全体を揺さぶる

前週から続いているAI関連株への売り圧力が継続しました。ビッグテックによる大規模AI設備投資の収益回収に対する疑問と、AIが広範な産業の雇用・収益性を毀損するという懸念が重なり、特に半導体・ソフトウェアセクターが軟調。欧州市場でも前日(2/16)からソフトウェア株を中心に売りが広がっており、この流れが米国市場に波及しました。NASDAQ100は小幅マイナスで引けました。

③ 日本の第3次産業活動指数・内閣府「世界経済の潮流」レポート発表

国内では2025年12月の第3次産業活動指数が前月比▲0.5%と、予想(▲0.3%)を下回りました。また内閣府は同日、半年ごとの世界経済レポート「世界経済の潮流」を発表。トランプ政権の高関税政策について、貿易赤字縮小や製造業の国内回帰といった当初目標が達成されていないと指摘し、関税収入は2025年2〜12月累計で約1,760億ドル(約27兆円)に上ったと明示しました。


📊 2月17日に発表された主な経済指標

時間(日本時間)指標名結果予想前回市場への影響
22:30🇺🇸 NY連銀製造業景気指数(2月)7.17.07.7概ね予想通りで反応は限定的。ただしインプット価格上昇(49.1 vs 前回42.8)がインフレ再燃懸念を強める。
翌0:00🇺🇸 NAHB住宅市場指数(2月)363837予想を2ポイント下回り22ヵ月連続で50割れ。住宅建設株が小幅下落、ドル軟化に若干寄与。

※ NY連銀製造業景況指数:新規受注(5.8)・雇用(4.0)は回復。出荷は横ばい(▲1.0)。インプット価格(49.1)・セリング価格(22.2)がともに大幅上昇、価格圧力の高まりに要注意。

※ NAHB住宅市場指数:現況販売が横ばい、将来販売・見込み客数が低下。建設業者の40%が値引きを継続。NAHBのロバート・ディーツ主任エコノミストは「住宅アフォーダビリティ改善のための政策が急務」と指摘。


🏦 株式市場

① 日本株式市場

指数終値前日比騰落率
日経22556,566.46▲239.92▲0.42%
TOPIX3,761.55▲25.83▲0.68%

日経平均・TOPIXともに下落。前週からのAIテック株の不振と円安一服が重なり、輸出関連株の一角が上値を抑えられました。

② アジア株式市場

指数終値備考
ハンセン指数(香港)休場
上海総合指数休場
KOSPI(韓国)休場

香港・中国・韓国は祝日のため休場。アジア市場全体として方向感の乏しい一日でした。

③ 欧州株式市場

指数終値前日比騰落率
FTSE100(英)10,566.17+82.48+0.79%
DAX30(独)24,998.40+197.49+0.80%
CAC40(仏)8,361.46+44.96+0.54%

欧州は銀行株・景気敏感株が上昇を主導し、三市場とも堅調。ドイツCPI確報が予想通りで落ち着いたインフレ環境を確認したことも支援材料となりました。

④ 米国株式市場

指数終値前日比騰落率
ダウ工業株30種(DAW30)49,533.19+32.26+0.07%
NASDAQ10024,701.60▲31.13▲0.13%
S&P 5006,843.22+7.05+0.10%

前日のプレジデントデー明けで3指数は方向感が分かれました。S&P500は日中最大▲1%近くまで下落する場面がありながらも終値はわずかにプラス圏。ダウは金融・輸送株が支え小幅高。NASDAQ100はAI・半導体関連株への売り圧力から3指数中唯一のマイナス圏での引けとなりました。General Mills(一般消費材)は業績見通し下方修正で約▲7%の急落。


💱 為替市場

通貨ペア終値前日比
USDJPY(ドル円)153.40▲0.110
EURUSD(ユーロドル)1.1854+0.0003
DXY(ドルインデックス)96.92▲0.18

ドル円は153円台での推移が続きました。NY連銀製造業景況指数が予想をやや上回り、利下げ期待後退からドルが一時強含む場面がありましたが、大きなトレンドは形成されていません。ユーロドルはほぼ横ばい。DXYは小幅軟化し96.92で引けました。


📈 金利・債券市場

指標終値(利回り)前日比
JGB10Y(日本10年国債利回り)2.1380%▲0.0730%
US10Y(米10年国債利回り)4.052%▲0.004%

日本の10年債利回りは前日比で▲7.3bpと顕著な低下。日銀の追加利上げ観測の落ち着きが一部背景にあるとみられます。米10年債利回りは4.052%と前日比わずかな低下。NAHB住宅市場指数の軟調な結果がリスクオフ方向の債券買いを小幅に誘発しました。


🛢 コモディティ市場

資産終値前日比
WTI原油先物($/bbl)62.14▲1.6
金スポット XAUUSD($/oz)4,877.40▲113.43
銀スポット XAGUSD($/oz)73.539▲3.079

原油:米イラン核交渉の進展報道が伝わったことで地政学リスクプレミアムが後退し、WTIは約▲0.9〜1.6ドル下落。なお、協議中にイランがホルムズ海峡で軍事演習を実施し、一時上値を試す場面もありましたが、交渉進展の報道が優勢となりました。

金・銀:安全資産としての金は、①米イラン交渉進展によるリスクプレミアム後退、②ドルの底堅さという二つの逆風を受けて大幅下落。XAUUSDは▲113ドル超と、一週間ぶり安値圏へ。銀も連れ安となりました。


🧠 市場心理・主要テーマ

指標数値前日比
VIX(恐怖指数)20.29▲0.91(▲4.29%)

VIXは20.29と、依然として「警戒ゾーン(20超)」に位置しており、市場参加者の不安感は払拭されていません。ただし前日比では約▲4.3%の低下となり、若干のリスクオン方向への改善が見られました。

本日の市場全体のセンチメントは「中立〜やや様子見」と評価できます。米イランの核交渉進展はリスクプレミアム縮小に働きましたが、AI投資の収益性懸念は引き続きテクノロジー株の頭を抑えました。株式市場では循環株・金融株に資金が向かう一方で、ハイテク・半導体は利益確定売りにさらされており、セクターローテーションが意識される展開となっています。


📝 全体まとめ

2月17日(火)の金融市場は、「地政学リスクの和らぎ」と「AI懸念の継続」という相反する力学が交錯した一日となりました。

米イランのジュネーブ核交渉が「基本原則で合意」と報じられたことで、原油・金の地政学プレミアムが剥落。WTI原油は62ドル台、金スポットは4,877ドルへと下落しました。一方、AI投資サイクルの持続性に対する市場の懐疑的な目線は続いており、NASDAQ100が3主要指数で唯一マイナス圏での引けとなったことに象徴されています。

ドル円は153円台を維持、米10年債利回りは4.05%付近。日本の10年債利回りは▲7.3bpと顕著に低下しており、日米金利差の観点からは円の下支え材料が一部後退しています。住宅市場(NAHB指数:36)の落ち込みは米経済の「斑(まだら)模様」を改めて示しています。翌18日(水)は米住宅着工・建設許可件数が注目材料となります。


情報ソース
・添付画像データ(2026年2月18日 11:15 JST 時点の各市場終値)
・NY Federal Reserve Bank – Empire State Manufacturing Survey(2026年2月17日)
・NAHB/Wells Fargo Housing Market Index(2026年2月17日)
・Bloomberg / Reuters / NBC News / Axios / CNBC – 米イラン核交渉報道(2026年2月17日)
・内閣府「世界経済の潮流」(2026年2月17日公表)
・OANDA Japan マーケットニュース(2026年2月17日)
・みんかぶFX 経済指標カレンダー
執筆者:pablo
世界の金融市場・経済指標を中心に、事実に基づき中立的な立場で整理・解説しています。

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