株・金・原油が同時高──「高市トレード」再燃と米住宅強さが支えたリスクオン相場【2026年2月19日 市場分析】

2026年2月19日木曜日

金融市場振り返り

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2026年2月19日(木)掲載|対象期間:2026年2月18日(日本時間 8:00) ~ 2月19日(7:00)

📊 グローバル金融市場 振り返りレポート|2026年2月19日

#日経平均 #米国株 #為替 #ゴールド #WTI原油 #VIX #高市トレード

📝 前書き

2026年2月18日〜19日のグローバル金融市場は、日本・欧州・米国の全主要市場で株価が上昇するリスクオン地合いとなった。日本では「政策に売りなし」の格言どおり、三菱重工業をはじめとした防衛・インフラ関連銘柄に積極的な買いが入り、日経平均株価は大幅続伸。米国ではイラン核協議の進展報道を好感し、地政学リスクへの警戒感が和らいだ。ゴールドは過去最高水準の4,978ドル台まで上伸し、原油も4%超の上昇を記録した。一方でVIXは19台と警戒ゾーン(20)に近い水準にとどまった。


🗞️ 主要ニュース(3点ピックアップ)

① 「高市トレード」再燃・防衛株に買い集中

高市政権の防衛・インフラ・エネルギー投資方針への期待から、三菱重工業を中心に防衛関連銘柄への買いが継続した。2026年2月18日は日経平均が577円超の大幅上昇を記録。高市首相は「防衛費の大幅増額(9兆円台)」「核融合エネルギー」「AI・半導体支援」などの成長戦略を掲げており、いわゆる「高市銘柄」への資金流入が続いている。衆院選(2026年2月8日投開票)での自民党圧勝を受けた政策期待が市場の主要テーマとなっている。

② 米国・イラン核協議が大枠合意との報道

米国とイランの核開発をめぐる協議について、大枠での合意に達したとの報道が伝わり、中東地政学リスクが一時大きく後退した。これが原油の供給増期待につながる一方、安全資産需要はやや低下。ただし、ゴールドは別要因(インフレヘッジ・新興国買い・地政学的不確実性の継続)により高値圏を維持した。株式市場では「リスクオン」心理が強まり、欧米株の追い風となった。

③ 日本:1月貿易収支が予想より大幅な改善

財務省が発表した1月の通関ベース貿易収支(速報)は▲1兆1,526億円と、事前予想の▲2兆1,200億円を大きく上回った(赤字幅が縮小)。中国向け輸出の増加や輸入の減少が寄与したとみられる。日本の輸出競争力の底堅さを示す内容として、円相場・日本株に対する好材料となった。


📅 2/18に発表された主要経済指標

時刻(日本時間)国・指標名前回予想結果評価
00:00🇺🇸 NAHB住宅市場指数(2月)373836↓予想下回る 9月以降5カ月ぶり低水準
06:45🇳🇿 NZ生産者物価指数(Q4・前期比)0.6%0.1%↓鈍化
08:30🇦🇺 Westpac先行指数(1月)0.08%-0.05%↓マイナス転落
08:50🇯🇵 通関ベース貿易収支(1月)+1,057億円▲21,200億円▲11,526億円↑赤字幅が予想比で大幅縮小
10:00🇳🇿 RBNZ政策金利(2月)2.25%2.25%2.25%(据え置き)→据え置き(予想通り)
16:00🇬🇧 消費者物価指数・CPI(1月・前年比)3.4%3.1%3.0%↓予想(3.1%)・前回(3.4%)を下回る インフレ鈍化
22:30🇺🇸 住宅着工件数(12月・年率換算)132.2万戸133.1万戸140.4万戸↑予想を大幅上回る(+6.2% MoM)
22:30🇺🇸 建設許可件数(12月・年率換算)138.8万件144.8万件↑前月比+4.3% ただし一戸建ては▲1.7%
💡 補足:米国の住宅関連統計(11月・12月分)は昨年の連邦政府閉鎖の影響で発表が遅れていたため、2月18日に2ヶ月分が一括公表された。住宅着工は市場予想を大幅に上回ったものの、NAHB住宅市場指数は5カ月ぶりの低水準で、先行きへの慎重姿勢も示されている。

📈 株式市場

① 日本株

指数終値前日比(騰落)騰落率
日経平均(Nikkei 225)57,143.84+577.35+1.02%
TOPIX3,807.25+45.70+1.21%

日経平均は4日ぶり大幅反発。三菱重工業が「政策に売りなし」の格言どおり買われ、防衛・宇宙・エネルギー関連銘柄がNY市場の落ち着きと合わせて物色された。TOPIXの上昇率(+1.21%)が日経を上回っており、指数寄与度の高い特定銘柄だけでなく、広範な銘柄に買いが波及したことを示す。

② アジア株

指数終値状況
ハンセン指数(HSI)休場(春節翌日)
上海総合指数休場(春節)
KOSPI(韓国)休場(国民の日)

中国・香港・韓国は祝日休場。アジア株の主要3指数の動向については翌日以降に持ち越し。

③ 欧州株

指数終値前日比(騰落)騰落率
FTSE 100(英国)10,686.18+130.01+1.23%
DAX 30(ドイツ)25,278.21+279.81+1.12%
CAC 40(フランス)8,429.03+65.57+0.81%

欧州株は全面高。イラン核協議の進展による地政学リスク後退や米国市場の安定を背景に、欧州主要3指数は揃って上昇した。英FTSEの上昇率が最大(+1.23%)で、エネルギー・金融セクターの買いが目立った。

④ 米国株

指数終値前日比(騰落)騰落率
ダウ工業株30種(DOW 30)49,662.66+129.47+0.26%
NASDAQ 10024,898.87+197.27+0.80%
S&P 5006,881.31+38.09+0.56%

米国株は3指数揃って上昇。ダウは前日(49,533ドル)から続伸し、高値圏を維持している。NASDAQ100の上昇率(+0.80%)がダウ(+0.26%)を上回り、ハイテク・AI関連銘柄の回復が目立った。ただし、ソフトウェア関連(SaaS)銘柄には依然としてAI脅威論による売り圧力が残存している。住宅着工件数の好結果や地政学リスク後退が市場センチメントを支えた。


💱 為替

通貨ペアレート前日比(変動)方向感
ドル円(USD/JPY)154.80+1.52円安ドル高
ユーロドル(EUR/USD)1.1784-0.071ユーロ安ドル高
ドルインデックス(DXY)97.16-0.07→ほぼ横ばい

ドル円は154.80円と円安方向に推移した。日米金利差の継続や日本株高による円売りが圧力となった。ユーロドルはドル高の影響を受けて1.1784と軟調。一方、ドルインデックス(DXY)は97.16と前日比ほぼ横ばいで、ドル全体としての方向感は限定的。


📉 金利・債券

指標水準前日比(変動)方向感
日本10年国債利回り(JGB10Y)2.1480%+0.021↑上昇(債券安)
米国10年国債利回り(US10Y)4.080%+0.028↑上昇(債券安)

日米ともに長期金利がわずかに上昇した。米国では住宅着工件数の好結果を受けた景気底堅さへの認識が利下げ期待の後退につながり、10年債利回りが4.080%まで上昇(一時2カ月半ぶりの低水準から反発)。日本の10年国債利回り(2.1480%)は日銀の段階的利上げ路線と財政拡張懸念を反映した水準で推移している。


🛢️ コモディティ

品目価格前日比(騰落)騰落率
WTI原油先物$65.04/バレル+$2.77+4.45%
ゴールドスポット(XAU/USD)$4,978.80/oz+$101.10+2.07%
シルバースポット(XAG/USD)$77.0625/oz+$3.5778+4.84%

WTI原油(+4.45% / $65.04)

WTI原油は65.04ドルまで大幅上昇(+4.45%)となった。この日は米・イラン核協議の大枠合意報道が伝わっており、一見すると「イラン産原油の供給増加→原油安」の連想が働きやすい局面だった。しかし市場の反応は正反対となった。理由は主に3点ある。

第一に、合意の実現性への懐疑だ。交渉が「大枠で前進した」という段階に過ぎず、制裁解除・イラン産原油の輸出再開にはなお数カ月単位の時間が必要との見方が多く、供給増加を即座に織り込む動きには至らなかった。第二に、OPECプラスの減産維持観測。市場ではOPECプラスがイランの増産分を他国の生産調整で相殺するとの見方が根強く、需給への影響は限定的と判断された。第三に、米住宅着工件数の好結果(140.4万戸、予想比大幅上振れ)が同日発表され、「米景気は底堅い=エネルギー需要は強い」との景気楽観論が原油買いを後押しした。地政学リスク低下より景気強さへの評価が優勢となった一日だった。

ゴールド(XAU/USD:$4,978.80 / +2.07%)

金スポットは5,000ドル目前の歴史的高値圏でさらに上伸し、+2.07%の大幅高となった。通常、株高(リスクオン)の局面では安全資産の金は売られやすいが、この日は株と金が同時に上昇するという特異な状況が続いた。その背景には複数の構造的要因がある。

まず脱ドル化・新興国中銀の買い継続だ。中国・インド・中東の各中央銀行が外貨準備の多様化としてゴールドを積み増すトレンドが長期的に持続しており、下値での買い圧力が厚い。次に財政悪化懸念。米国の財政赤字拡大に加え、日本でも防衛費9兆円台への増額が現実味を帯びており、法定通貨の信頼低下=ゴールドの相対的な価値上昇という構図が働いている。さらに実質金利の低水準も支援材料だ。米10年債利回りは4.080%まで上昇したが、インフレ率との差(実質金利)はまだ低く、金利を生まないゴールドにとって不利な環境ではない。これらの構造的な買い需要が、短期の投機だけでなく中長期マネーを金市場に引きつけており、「リスクオン&インフレヘッジ」が共存する環境が形成されている。

シルバー(XAG/USD:$77.0625 / +4.84%)

シルバーはゴールドを上回る+4.84%の上昇となり、3指標の中で最大の上昇率を記録した。シルバーはゴールドとの連動性に加え、EV(電気自動車)・太陽光パネルなど脱炭素関連産業の素材としての産業需要という固有の需要ドライバーを持つ。景気楽観+エネルギー転換需要の期待が重なり、ゴールドより大きく値を伸ばした。

💡 この日のコモディティ急騰を一言でまとめると:地政学リスクは一部後退したものの、「米景気の底堅さ(需要)」「OPECプラスの減産維持(供給制約)」「脱ドル化・財政不安(構造的な金需要)」「脱炭素による産業需要(銀)」という複数の要因が重なり、原油・金・銀が揃って急騰した一日だった。

🧠 市場心理・主要テーマ

指標水準前日比解釈
VIX(恐怖指数)19.62-0.67↓低下。恐怖は後退も20台寸前で警戒は残存

総合評価:リスクオン ← やや優勢

この日の市場は「ソフトなリスクオン」の地合いと言える。VIXが19台後半と20の警戒ゾーンをわずかに下回り、株式・原油・貴金属が全面高となった。ただし、ソフトウェア・SaaS銘柄への売り圧力や、高止まりする住宅コスト、FRBの利下げ観測後退などが下押し圧力として存在しており、全面的な強気一色ではない。

主要テーマとして引き続き以下が市場を動かしている:

  • 🇯🇵 高市トレード:防衛・核融合・AI・宇宙関連への資金流入が継続
  • 🤖 AI脅威論 vs AI成長論:ソフトウェア株は依然弱く、ハードウェア・半導体は底堅い
  • 🕊️ 米・イラン核協議:大枠合意との報道が地政学リスクを一時低下させた
  • 🏠 米住宅市場:着工件数は上振れも、NAHBセンチメントは低水準継続で二極化
  • 🥇 ゴールド・シルバーの歴史的高値:インフレヘッジ・脱ドル化の流れが継続

📌 全体まとめ

2026年2月18〜19日の金融市場は、日本・欧州・米国の株式が全面高となるリスクオン地合いが優勢だった。日経平均は「高市トレード」再燃と防衛予算拡大への期待から577円高と大幅続伸し、5万7,000円台を固める展開。欧米でもイラン核協議進展の報道や米国住宅着工の好結果を受け、投資家心理が改善した。

一方、VIXはまだ20台に近い水準にあり、FRBの利下げ先送り観測や米住宅市場のセンチメント悪化(NAHB=36)、AI関連銘柄の選別圧力など、警戒材料も根強く残る。ゴールドが5,000ドル目前で推移していることは、インフレ・財政不安・地政学的不確実性が底流に続いていることを示唆している。

引き続き日銀の利上げ姿勢、FRBの金融政策見通し、米中関係・ウクライナ情勢、そして日本の高市政権の政策動向が市場の中心テーマとなる見通しだ。


📂 情報ソース
・みんかぶFX 経済指標カレンダー(https://fx.minkabu.jp/indicators)
・財経新聞 / フィスコ:米2月NAHB住宅市場指数速報(2026年2月18日)
・OANDA Lab:NYダウ・S&P500 振り返りと見通し(2026年2月18日)
・日本経済新聞:日経平均株価 終値・市場ニュース(2026年2月18日)
・時事エクイティ:日本の貿易収支・市場ニュース(2026年2月18日)
・米国勢調査局(U.S. Census Bureau)+ HUD:新設住宅着工件数・建設許可件数(2025年12月分、2026年2月18日発表)
・TD Economics:US Housing Starts and Permits Commentary(February 18, 2026)
・Reuters:US single-family housing starts rebound(February 18, 2026)
・Trading Economics:各種指数データ参照
・添付画像(2026年2月19日8:51時点):各終値・騰落数値
✍️ 執筆者:pablo
世界の金融市場・経済指標を中心に、事実に基づき中立的な立場で整理・解説しています。
⚠️ 免責事項:投資は、投資家自身の判断と責任で行うべきものであり、当ブログは投資判断に関する一切の責任を負いません。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。
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