📊 本稿は3/27 NYクローズ確定値(サマータイム・NY5時クローズ)を基に整理しています。
【2026年3月27日】WTI一時100ドル突破・ダウ修正圏入り——COSCO船ホルムズ拒絶で「中国例外」崩壊、ドル円160円台突入
グローバル金融市場 振り返りレポート
⚡ 今日のマーケット早わかり(30秒で読む)
COSCO(中国海運大手)所有のコンテナ船3隻がホルムズ海峡入口で引き返させられた——「中国船は通過できる」という市場の前提が音を立てて崩れ、WTIは+5.46%(99.64ドル)と一時100ドルを突破(100.04ドル)、ブレントは112ドル台に乗せた。ミシガン大消費者態度指数は53.3(予想54.0下振れ、速報55.5からも大幅悪化)で今年最低、1年インフレ期待は3.8%(前月3.4%)に急騰。バーキン・リッチモンド連銀総裁は「霧がむしろ深まった」と利下げ困難を示唆。ダウは▲793pt(45,166)と史上最高値から10%超下落で修正圏に突入し、S&P500は▲1.67%(6,368・7ヶ月安値)、NASDAQ▲2.15%、VIXは31.05(+13.16%)へ急騰した。ドル円は160円台突入(2024年7月以来)で一時160.41円まで上昇。一方ゴールドは+2.60%(4,492.74ドル)と逆行高——米10年利回りが+0.014ptにとどまり実質金利圧力が弱まる中、この拒絶パニックが有事プレミアムとなってゴールドに流れ込んだ。
① COSCO中国籍コンテナ船3隻がホルムズで引き返す——「中国例外」崩壊でWTI+5.46%・一時100ドル突破、ブレント$112台。前日のトランプ「4/6まで10日延期」発表も封鎖収束の根拠にならず
② ミシガン消費者態度53.3(下振れ)・1年インフレ期待3.8%急騰 + バーキン「霧が深まった」——ダウ修正圏入り(▲793pt)、VIX31.05(+13.16%)、ドル円160円台突入(2024年7月以来)
③ ゴールド逆行高+2.60%(4,492.74)——米10年利回り+0.014ptと小幅にとどまり実質金利圧力限定的、封鎖新展開の有事プレミアムが当ブログのテーゼに初めて「例外」を刻んだ日
📌 本日のニュース
- ▶09:00頃東京市場は前日3/26のNY急落(ダウ▲469・S&P500▲1.74%・SOX▲4.79%)を引き継いでギャップダウンスタート。加えて前夜のトランプ「エネルギー施設攻撃を4月6日まで10日間延期」発表が伝わるも、「延期≠停戦」の受け止めで積極的な買いは入らず
- ▶09:00〜JGB10年利回りが2.386%(+0.108pt)へ急騰——前日の2.278%から1日で0.1pt超の上昇は異例。米金利上昇の波及+植田日銀の追加利上げ姿勢が重なり、グロース株・不動産への圧力が意識された(日経新聞)
- ▶10:00頃IRGC(イラン革命防衛隊)が「ホルムズ海峡は閉鎖。米国・イスラエルとその同盟国・支持国への往来船はすべて通過禁止」と正式声明——前日の部分的例外が「完全禁止」に格上げされた(PressTV)
- ▶11:00頃COSCO(中国海運大手)所有コンテナ船2隻がホルムズ海峡入口で引き返す——前日にも中国籍船1隻が引き返しており、計3隻が拒絶。海上追跡データで確認(WSJ・CBS)。「中国船は通れる」という4週間の暗黙の前提が崩れたことを市場が即座に織り込む
- ▶15:30日経平均大引け:53,373.07(▲230.58 / ▲0.43%)——前日の急落(S&P▲1.74%・SOX▲4.79%)を翌日に引き継ぐ。TOPIXはバリュー株の下支えで+0.19%、グロース250は+1.96%と反発(前日の大幅下落からの自律反発)
- ▶イスラエル軍、テヘラン中心部への新たな大規模空爆を実施。イランのクドス軍がテヘラン南部の住宅街を直撃——IOMが「攻撃で8万世帯が家を失った」と発表(AP・CBS)
- ▶UAE(アラブ首長国連邦)、ホルムズ海峡の多国籍海軍タスクフォースへの参加を同盟国に伝達——スルタン・アルジャベル上級閣僚「イランはホルムズを人質にし、世界が給油所・食料棚・薬局で身代金を払わされている」(FT)
- ▶17:00〜ロンドン市場は中国籍船の拒絶ニュースをあらためて消化。欧州株は全面安(DAX▲1.38%・CAC40▲0.87%・FTSE100▲0.05%とほぼ横ばい)
- ▶17:38頃トルコ、米・イラン間の間接交渉の仲介役として関与継続を表明。パキスタン経由の接触も確認されているが、イランは「交渉の意図はない」と繰り返す(Reuters)
- ▶LLOYDリスト・インテリジェンス:「IRGCはホルムズに事実上の『料金所』制度を設けており、通過を希望する船舶は承認された仲介者に詳細を登録し、コードと護衛を受ける仕組みになっている」——封鎖の恒常化を示すレポート
- ▶21:10頃NY為替オープン:ドル円159.88円でスタート——「米利上げ観測」が為替市場に強く意識されており、ミシガン大指数に注目するとの声(ザイFX!)
- ▶21:47 JST【速報】NY原油先物97.72ドルまで上昇——中国籍2隻のコンテナ船がホルムズ海峡を通過できずとの報道で急伸(ザイFX!)
- ▶22:43〜23:02 JSTミシガン大消費者態度指数(3月確報):53.3——予想54.0を下振れ、速報55.5からも大幅悪化。今年最低水準。1年インフレ期待が3.8%(前月3.4%)へ急騰。「ガソリン価格への懸念が5倍に増加」(ハス所長)。S&P500はさらに下落を加速(Reuters・Bloomberg)
- ▶23:13 JST【速報】カンザスシティ連銀サービス業活動指数(3月):15——4年ぶりの高水準。「強い景気=Fed利下げ遠のく」とドル買いが優勢に。ただしドルの伸びは限定的(ザイFX!)
- ▶00:01 JST(3/28)バーキン・リッチモンド連銀総裁(東テネシー州立大フォーラム):「イラン戦争とAIの急拡大が経済の霧をむしろ深め広げた。金利の据え置きが適切。ガソリン高騰は消費者に強烈な可視的圧力をかける」——利下げを否定する文脈で発言(Reuters)
- ▶00:24 JST(3/28)【速報】ドル・円160.20円——節目160円突破(2024年7月以来)(ザイFX!)
- ▶00:33 JST(3/28)ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁(SF連銀主催イベント):「中東紛争はインフレと成長の両方に新たなリスクをもたらした」——近い将来の利上げ・利下げいずれも明言回避(Reuters)
- ▶00:52 JST(3/28)Bloomberg:「円が対ドルで160円台に下落——2024年7月以来」——介入警戒の水準に達したと広く報道。財務省・日銀の動向に市場が注目
- ▶01:02 JST(3/28)日経平均CFD、日経比▲2,000超え——週明け3/30の東京市場への波及を強く意識した水準(nikkei225jp.com)
- ▶01:10 JST(3/28)【速報】ドル・円160.41円——ドル一段高、米利上げ観測を反映(ザイFX!)
- ▶米・イスラエル、複数の核関連施設を空爆——イランも地域への攻撃継続(Bloomberg)。戦線の拡大が週末リスクとして意識される
- ▶NYクローズダウ▲793.47(45,166)・S&P500▲108.31(6,368・7ヶ月安値)・NASDAQ▲459.72(20,948)——5週連続下落で週引け。ダウは史上最高値から10%超の下落で修正圏に突入
📅 主要経済指標(3/27発表)
この日の指標は「ミシガンで景気悪化が鮮明になったが、カンザスシティで強さも確認」という二律背反の結果だった。消費者のインフレ期待(3.8%)が跳ね上がっており、Fedとしては「弱い景気」と「高いインフレ期待」の両方を同時に抱える最悪の組み合わせに直面している。
| 時刻(JST) | 指標 | 結果 | 予想 | 前回 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 23:00頃 | 米・3月ミシガン大消費者態度指数(確報) | 53.3 | 54.0 | 55.5(速報) | 下振れ。今年最低。1年インフレ期待3.8%(前月3.4%)・5年3.2%へ悪化。株安・ガソリン高の影響が全所得・全年齢・全政党に波及。Fed利下げ期待に強い逆風 |
| 23:13頃 | 米・3月カンザスシティ連銀サービス業活動 | 15 | — | — | 4年ぶり高水準。景気の強さを示し「利下げ不要」論を補強。ドル買い材料だが市場の反応は限定的 |
ミシガン53.3は「景気への自信が急速に失われている」こと、インフレ期待3.8%は「物価上昇圧力が消費者の頭に刻まれ始めている」ことを示す。カンザスシティが15と強くとも、消費者がガソリン代で財布を締めれば実体経済は冷える。「強い製造業・弱い消費者」という分裂した経済の姿がFedを身動き取れなくさせている。
📈 日経平均:▲0.43%(53,373)——SOX▲4.79%を翌日に受けて下落
3/27の東京市場は、前日3/26のNY急落(ダウ▲469・S&P500▲1.74%・SOX▲4.79%)を引き継いでギャップダウンスタート。日経は半導体関連(東京エレクトロン・アドバンテスト等)の売りが重なり▲230.58(53,373.07)と下落した。
興味深いのはTOPIXとグロース250が逆行高だった点だ。TOPIXは+0.19%(3,649)と小幅プラスを維持し、グロース250は+1.96%(734)と前日の大幅安(▲2.86%)からの自律反発を見せた。JGB10年が2.386%(+0.108pt)と急騰する中でのグロース上昇はやや異例だが、「売られ過ぎ」後の短期リバウンドと理解できる。週明け3/30は日経CFDが日経比▲2,000超えと示す水準から始まる見通しで、金曜の3/27NYの急落が週明け東京を直撃する。
| 指数 | 終値 | 前日(3/26)比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経平均(大引け) | 53,373.07 | ▲230.58(▲0.43%) | SOX▲4.79%を翌日に引き継ぐ。半導体関連が重し |
| TOPIX | 3,649.69 | +6.89(+0.19%) | バリュー・内需株が日経と逆行 |
| グロース250 | 734.40 | +14.11(+1.96%) | 前日▲2.86%からの自律反発 |
| 日本国債10年利回り | 2.386% | +0.108pt(+4.73%) | 1日の上昇幅として異例。米金利上昇と連動 |
| 日経平均CFD(3/28 07:11) | 51,141 | 日経比▲2,231(▲4.18%) | 週明け東京に大幅安の予告 |
⚠️ JGB10年利回り2.386%——1日で+0.108ptという異常な上昇
日本国債10年利回りが前日の2.278%から2.386%へ1日で0.1pt超急騰した。米国債の売り圧力が日本市場に波及した形だが、BOJの追加利上げ姿勢との合わせ技でもある。2.4%超えが視野に入ってきており、住宅ローン・企業借入コストへの波及、グロース株への構造的な下押し圧力が続く。📊 株式市場(アジア・欧州・米国)
① アジア株(3/27)
韓国KOSPIは前日SOX▲4.79%の余波でサムスン・SK Hynix等半導体株が重し、▲0.40%。インドNiftyが▲2.09%と全アジアで最大の下落を記録した一方、中国・香港は小反発(中国の財政出動期待と産業利益+15.2%のファンダメンタルズが支援)。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| KOSPI(韓国) | 5,438.87 | ▲21.59 | ▲0.40% |
| 上海総合(中国) | 3,913.72 | +24.64 | +0.63% |
| ハンセン(香港) | 24,951.88 | +95.45 | +0.38% |
| インドNifty50 | 22,819.60 | ▲486.85 | ▲2.09% |
② 欧州株(3/27)
FTSE100は実質横ばい(▲0.05%)と相対的に底堅かった一方、DAXは▲1.38%。中国籍船の拒絶ニュースと米国株の下落圧力が欧州を覆った。英国は3/29のサマータイム開始前夜ということもあり薄商い。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| FTSE100(英国) | 9,967.35 | ▲4.82 | ▲0.05% |
| DAX(ドイツ) | 22,300.75 | ▲312.22 | ▲1.38% |
| CAC40(フランス) | 7,701.95 | ▲67.36 | ▲0.87% |
③ 米国株(3/27)
中国籍船のホルムズ拒絶でWTIが一時100ドルを突破、ミシガン53.3の下振れが追い打ちをかけ、ダウは史上最高値比で10%超下落の修正圏に突入した。S&P500は7ヶ月ぶりの安値(6,368)でオプション満期日(週次)の売り圧力も重なった。NYSE FANG+は▲2.22%と2日連続の下落。フィラデルフィア半導体(SOX)は前日▲4.79%に続き今日も▲1.69%——5週連続週間下落を記録した。
| 指数 | 終値 | 前日(3/26)比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ(修正圏入り) | 45,166.64 | ▲793.47 | ▲1.73% |
| NASDAQ | 20,948.36 | ▲459.72 | ▲2.15% |
| NASDAQ100 | 23,132.77 | ▲454.22 | ▲1.92% |
| S&P500 | 6,368.85 | ▲108.31 | ▲1.67% |
| ラッセル2000 | 2,449.70 | ▲43.62 | ▲1.75% |
| フィラデルフィア半導体(SOX) | 7,457.67 | ▲128.20 | ▲1.69% |
| NYSE FANG+ | 13,432.16 | ▲305.13 | ▲2.22% |
💱 為替(3/26終値→3/27終値)
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DXY(ドル指数)水準:100.19前日比:+0.29(+0.29%)前日終値:99.90遂に100を突破。前日99.94を挟んで動いていたドル指数が、中国籍船の拒絶とミシガン悪化(インフレ期待3.8%)を受けて100.19へ。「米利上げ観測=ドル買い」の流れが強化されている。
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ドル円(USD/JPY)NYクローズ:160.295前日比:+0.497(+0.31%)円安前日終値:159.660節目の160円を突破し、一時160.41円まで上昇——2024年7月以来の円安水準。リスクオフ局面での「円高」より「ドル高」が圧倒的に優勢。日本財務省・日銀の介入警戒ラインに接近しており、来週以降の動向が焦点に。
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ユーロ円(EUR/JPY)水準:184.477前日比:+0.285(+0.15%)前日終値:184.056ドル円の上昇に引っ張られる形でユーロ円も小幅上昇。ただしユーロ自体はドルに対して弱く、対円では円安主導の上昇。
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ユーロドル(EUR/USD)水準:1.1508前日比:▲0.0017(▲0.15%)前日終値:1.1525頃DXY100超えと連動してユーロは押し下げ。1.15台の攻防が続く。欧州がイラン戦争の経済的打撃を受けている(英OECDの成長率下方修正)ことも欧州通貨の重し。
📊 金利・債券
前日3/26はMOVE指数+17.85%・米10年+0.087ptと債券市場が荒れた。一方、3/27は米10年+0.014ptと小幅——これがゴールドの逆行高(+2.60%)を許した背景でもある。「実質金利の上昇圧力が限定的なら、ゴールドは有事プレミアムの恩恵を受ける」という構造が今日は機能した。
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米国債10年利回り水準:4.432%(+0.017pt / +0.38%)前日4.415%からわずかに上昇。「株売り→債券買い(利回り低下圧力)」と「原油高→インフレ懸念→債券売り(利回り上昇圧力)」が拮抗し、結果として小動きにとどまった。この「実質金利の上昇限定」がゴールドに追い風となった。
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米国債2年利回り水準:参考:3.98%台維持前日の急騰(3.982%)後、週末前のポジション調整で大きな変動なし。短期ゾーンも落ち着いた動き。
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MOVE指数(債券版恐怖指数)水準:111.95(▲3.07 / ▼2.67%)前日終値:115.02前日3/26に+17.85%急騰した後、3/27は▼2.67%と小幅反落。米10年利回りが+0.014ptにとどまり債券市場が落ち着いたことと整合する。それでも110台は依然として警戒水準で、正常化には程遠い。「3/26:MOVE+17.85%・米10年+0.087pt → ゴールド▲2.83%」「3/27:MOVE▼2.67%・米10年+0.014pt → ゴールド+2.60%」——MOVEが落ち着いた日はゴールドが上がるという対比が3日連続で機能している。
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JGB10Y(日本国債10年利回り)水準:2.386%(+0.108pt / +4.73%)1日の上昇幅として異例。米金利の高止まり+BOJ追加利上げ観測の複合要因。2.4%台突入が視野に入り、住宅ローン金利・企業借入への波及が懸念される。グロース株への構造的な売り圧力が続く。
🪙 コモディティ(原油・金)
| 品目 | NY引け | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物 | 99.64ドル | +5.46% | 一時100.04ドルを突破。中国籍船の拒絶が引き金。2022年7月以来の高値圏 |
| ブレント原油先物 | 112.57ドル | +4.22% | 110ドルを突破し112ドル台へ。これも2022年7月以来の水準 |
| ゴールドスポット(XAU/USD) | 4,492.74ドル | +113.93(+2.60%) | 始値4,405.29・高値4,555.41・安値4,375.81・終値4,492.74 |
| NY金先物 | 4,524.30ドル | +115.30(+2.62%) | スポットと同方向で上昇 |
| シルバースポット(XAG/USD) | 69.7105ドル | +1.7385(+2.56%) | ゴールドと連動した上昇 |
🧠 市場心理・VIX
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VIX(恐怖指数)水準:31.05前日比:+3.61(+13.16%)前日終値:27.4430台突破は本格的な恐怖ゾーン。前日3/26の27.44からさらに急騰し、イラン戦争開始(2/28)以降では最高水準。中国例外の崩壊が「封鎖の恒常化・拡大」への恐怖を一気に引き上げた。VIX30超えはオプション市場でもシグナルとなり、ヘッジ需要が連鎖的に膨らむ。
🥇 で、ゴールドどうなんだ?(XAU/USD考察)
今日の相場概況
前日3/26の急落(▲2.83%・終値4,378.87)から一転、3/27は+2.60%(+113.93ドル)の逆行高で引けた。始値4,405.29ドル(前日終値4,378.87から+26.42のギャップアップ)でスタートし、アジア〜ロンドン時間は中国籍船の拒絶ニュースを背景に上昇基調。NY時間に一時4,375.81ドルまで押す場面があったが(前日終値とほぼ同水準で下値を確認)、その後急騰し高値4,555.41ドルをつけ、終値は4,492.74ドルで引けた。
注目点:今日の高値(4,555.41)は前日高値(4,544.24)を+11.17ドル上抜き、さらに前々日3/25の大天井(4,602.22)に向けて高値を切り上げる形を作った。前日の「前日半値すら届かなかった」という売り優勢の姿が一日で反転し、「上値を切り上げながら前日安値水準を下値として守った」パターンに変わった。
⚠️ 「産油地域の紛争でゴールドは下がる」——テーゼに初めて「例外」が刻まれた日
当ブログは4週間にわたって「イラン戦争はWTI上昇→インフレ→Fed凍結→実質金利高止まり→ゴールド売り」というロジックを検証してきた。今日はそのテーゼが部分的に崩れた。原因は明確だ。通常なら「WTI急騰→インフレ懸念→金利上昇→ゴールド売り」となるが、今日は米10年利回りが+0.014ptにとどまり、実質金利圧力が機能しなかった。株式市場からの逃避フロー(VIX31超)と、この拒絶が示す「ホルムズが中国向けにも閉じた」という物理的供給遮断への恐怖が、ゴールドの有事プレミアムを押し上げた。
前回の記事で「ホルムズ封鎖が値上がりではなく入手不能の段階に突入した場合、テーゼを覆す最大のトリガーになる」と書いた。今日の拒絶はその臨界点への接近を示すシグナルだ。
原油高(WTI+5.46%)
↓
インフレ期待上昇(ミシガン1年期待3.8%)
↓
ここで通常なら「債券売り→利回り急騰→ゴールド売り」になるはずが——
↓
株売り→債券買い(安全資産フロー)が利回り上昇を相殺
↓
米10年利回り+0.014ptにとどまる
↓
実質金利上昇圧力が弱まり、ゴールドへの有事プレミアムが勝利
ゴールドの下落テーゼが成立するには「金利の急騰(実質金利の上昇)」が必要条件だ。それが今日は満たされなかった。4/6の次の期限前後でホルムズの動向次第では、この「実質金利の抑制」が続くかどうかが焦点になる。
| 水準(ドル) | 区分 | コメント |
|---|---|---|
| 5,595.46 | ATH | 史上最高値(1/29高値) |
| 4,602.22 | 3/25高値 | 停戦期待の天井。本日高値はここまで届かず |
| 4,555.41 | 📍 本日高値 | 前日高値4,544.24を+11.17上抜き。高値更新が継続中 |
| 4,544.24 | 3/26高値 | 本日高値が上抜き——売り圧力の後退を示す |
| 4,492.74 | 📍 本日終値 | 前日比+113.93(+2.60%)。前日▲2.83%を1日で取り戻す |
| 4,487.50 | 3/25安値 | 本日終値はここを上回って引け |
| 4,405.29 | 本日始値 | 前日終値4,378から+26のギャップアップスタート |
| 4,378.87 | 3/26終値 | 本日始値はここを+26上回ってスタート |
| 4,375.81 | ⚠️ 本日安値 | 3/26終値水準まで押してから急反発。下値固め確認 |
| 4,351.16 | 3/26安値 | 本日安値は3/26安値を上回って維持——底値切り上げ継続 |
| 4,099.55 | 3/23パニック底 | 本日終値からまだ393ドルの空間がある |
■ ブル派の根拠
- 本日高値(4,555.41)が前日高値(4,544.24)を上抜き、高値切り上げパターンを確認——短期的なモメンタムは回復
- 本日安値(4,375.81)が3/26終値(4,378.87)水準で下値を固め、底値切り上げが継続している
- 米10年利回りが+0.014ptにとどまり「実質金利の上昇」が限定的だったことが証明——今後も同構造なら買い継続
- 停戦が実現すれば「原油急落→インフレ後退→Fed利下げ期待復活→ゴールド一段高」のシナリオが即座に浮上
■ ベア派の根拠
- 4/6の期限(トランプの次の「攻撃延期」期限)が近づく中、外交進展なければ再び「停戦拒否→WTI急騰→金利急騰→ゴールド急落」シナリオが再現しうる
- ミシガン1年インフレ期待3.8%の定着はFedの利上げシナリオを現実化させる方向——その場合は実質金利の急騰でゴールドに圧力
- DXY 100.19(3週間ぶりの高水準)——ドル高はゴールドの上値を構造的に抑制する
- 3/25(+高値4,602)→3/26(▲2.83%)→3/27(+2.60%)と「往って来い」が続く乱高下パターン——方向感が定まらない
■ 今後の注目ポイント
- ⚠️ 4/6:トランプの次のデッドライン——「攻撃延期→交渉→拒否→延期」のサイクルが継続するか、最終局面に移行するか
- 米10年利回りが4.5%を超えるか——超えればゴールドへの実質金利圧力が本格化
- 週明け3/30の東京市場:日経CFDが▲2,231(▲4.18%)を示す。日経急落がJPY・JGBにどう波及するかを注視
- 4/3(金)米雇用統計——Fed政策の方向性を占う最重要指標
■ 上値:4,555(本日高値)→ 4,602(3/25高値)→ ATH 5,595
■ 下値:4,375(本日安値)→ 4,351(3/26安値)→ 4,099(3/23パニック底)
🚀 全体まとめ
3月27日(金)の市場を一言で表すなら「COSCO拒絶が示した新局面——ホルムズは中国にも閉じた」だ。4週間にわたってイラン戦争を消化してきた市場が、この一報で認識を書き換えた。「中国向けは通れる」という暗黙のセーフティバルブが失われ、WTIは一時100ドルを突破し、ダウは修正圏に転落した。
最も重要な変化はゴールドだ。前日まで4週間機能してきた「原油高→実質金利上昇→ゴールド下落」のテーゼが、今日は米10年利回りの小幅な動き(+0.014pt)のおかげで崩れた。VIX31超の株式市場からの逃避フローがゴールドに有事プレミアムを取り戻させた。「産油地域の紛争でゴールドは下がる」という命題が絶対ではないことを、今日の市場は証明した。
そして週明けへの宿題は重い。日経CFDが▲2,231(▲4.18%)を示しており、ドル円も160円台と介入ラインに接近している。4/6のデッドラインまで残り10日——トランプが「延期」か「行動」かを選ぶたびに、市場は一方向に動く構造が続く。
📌 今日のマーケット一言
「COSCO船拒絶でWTI一時100ドル突破・ダウ修正圏入り・VIX31。ミシガン53.3・インフレ期待3.8%急騰。ゴールドは+2.60%と逆行高——4週間のテーゼに初めて例外が刻まれた。4/6へのカウントダウンが始まった」
問い:中国にもホルムズが閉じたなら、次に封鎖を解く鍵を持つのは誰か。
📰 情報ソース
- 市場ニュース:Bloomberg / Reuters / CNBC / CBS News / WSJ / Fortune / ザイFX!
- 経済指標:ミシガン大学消費者調査(確報)/ カンザスシティ連銀サービス業活動指数
- 要人発言:バーキン・リッチモンド連銀総裁(東テネシー州立大)/ ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁(SF連銀イベント)
- 終値データ:nikkei225jp.com(3/28 07:11 JST取得)/ ぱぶちゃん提供データ(XAU/USD・XAG/USD・DXY)
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