📊 本稿は3/6 NYクローズ確定値を基に整理しています。
💥【NFP-9.2万人ショック・WTI90ドル突破】スタグフレーション恐怖で米株全面安、ゴールド5,171ドルへ大反発【3/6 NYクローズ】
グローバル金融市場 振り返りレポート
⚡ 【今日の結論:30秒で読む】
🌏 世界株:アジアは総じて小幅高(日経225 +0.62%・ハンセン +1.72%)で週を終えたが、欧米はNFP-9.2万人ショックとWTI90ドル突破の二重打撃を受け続落。NYダウ-0.95%(-453.19pt)・NASDAQ100-1.51%・S&P500-1.33%と米主要3指数がそろって年初来マイナス圏に沈み、週間でも全面安。DAX-0.94%・FTSE-1.24%と欧州も軟調だった。
💱 為替・金利:NFP-9.2万人を受けてドル安が進行し、DXY-0.47%(98.86)と再び98台へ。ドル円は157.79円(+0.23)と小幅円安。US10Yは4.138%(-0.01)と小幅低下し、週の急騰から一服。JGB10Yは2.173%(+0.013、+0.60%)と続伸。
🥇 ゴールド:始値5,077.43→高値5,175.06→安値5,062.89→終値5,171.12ドル(+93.73 / +1.85%)と大幅反発。弱いNFPがドル安を誘発し、昨日(3/5)機能しなかった「有事のゴールド」が今日は本来の姿を取り戻した。WTI+12.21%($90.90)と組み合わさった「弱成長×高物価」= スタグフレーションシナリオがゴールドの最強の追い風となった。VIXは+24.17%(29.49)と急騰し、市場の恐怖は週間最高水準に達した。
🚀 3行サマリー(忙しい人はここだけ)
- 2月NFPが-9.2万人と予想(+5.5万人)を大きく外れ、4ヶ月で最大の雇用喪失。失業率も4.4%に上昇し、「米経済の雇用の底堅さ」というこれまでの市場コンセンサスが根底から崩れた。医療ストライキによる一時的要因はあるものの、前月(1月)・前々月(12月)もそれぞれ下方修正され、米労働市場の構造的悪化を示唆する結果となった
- WTI原油が90.90ドル(+12.21%)と$90の大台を突破し、この1週間(2/28〜3/6)でWTIは約27%急騰。ホルムズ海峡でのタンカー輸送が依然停滞するなか、ペルシャ湾産油国が貯蔵能力の限界を理由に生産削減を示唆したことが新たな急騰要因となった。これにより「弱い雇用×急騰する原油=スタグフレーション」という最悪シナリオが市場の中心テーマに浮上した
- ゴールドは+1.85%(5,171.12ドル)と前日の続落から鮮やかな大反発。DXY-0.47%というドル安転換が昨日との決定的な違いだ。「有事のゴールドが機能するのはドル安を伴う有事のみ」という3/5の教訓通り、今日はその条件が揃った。スタグフレーション下ではゴールドが実質金利ヘッジ・インフレヘッジ・安全資産という三冠を兼ねる唯一の資産として機能する
🥇 【XAUUSD視点】今日のゴールドを一言で
「昨日の"機能しなかった有事の金"が、今日は完全に機能した——スタグフレーション×ドル安という黄金の条件が揃った一日」。始値5,077.43から安値5,062.89へ一時下押しした後、NFP発表後にドル安・株安が同時進行し高値5,175.06まで急伸。終値は5,171.12(+93.73 / +1.85%)と引けにかけても強さを維持した。3/5(昨日)のWTI80ドル突破ではゴールドが下落(DXY+0.51%が元凶)、3/6のWTI90ドル突破ではゴールドが上昇(DXY-0.47%が追い風)——この対比が「ゴールドはドルの写し鏡」という原則を完璧に示した一日だった。スタグフレーション相場では、FRBは「雇用を守るための利下げ」も「インフレを封じるための利上げ」も取れない板挟みに追い込まれ、ゴールドへの資金流入が構造的に続くことになる。
📝 前書き
3月6日(金)の市場を一言で表すなら「スタグフレーション元年——NFP-9.2万人とWTI$90が同時に警鐘を鳴らした歴史的な一日」だ。
2月雇用統計は予想+5.5万人に対し結果-9.2万人という衝撃の数字を示し、米国が「雇用の底堅さ」という最後の砦を失いつつあることを示唆した。同時にWTI原油は90ドルの大台を突破し、2024年初頭以来の高値圏に到達した。「雇用悪化(景気後退リスク)」と「原油急騰(インフレリスク)」が同時進行するスタグフレーション懸念が、一気に市場の中心テーマとして浮上した金曜日となった。
前日(3/5)の記事では「有事のゴールドが機能するのはドル安を伴う有事のみ」と結論づけたが、3/6はまさにその条件が揃った。NFP-9.2万人によるドル急落(DXY-0.47%)がゴールドの直接的な上昇エンジンとなり、5,171.12ドル(+93.73 / +1.85%)と大幅反発した。米主要3指数は年初来マイナス圏に転落し、NYダウは実に3週間ぶりの年初来マイナスを記録。週間でも全主要指数が続落して金曜日の引けを迎えた。
📌 主要ニュース(3点ピックアップ)
① 2月NFP -9.2万人ショック——雇用崩壊が「スタグフレーション」の引き金を引いた
2月の非農業部門雇用者数(NFP)は-9.2万人と、予想(+5.5万人)を大幅に下回り、1月の改定値+12.6万人(速報値+13万人から下方修正)から一転して雇用が減少した。4ヶ月ぶりの最大雇用喪失であり、BLSは失業率が4.4%(予想4.1%)に上昇したことも同時発表した。セクター別では医療・社会福祉が-28K(カリフォルニア州の看護師ストライキが要因)、連邦政府が-10K(DOGE主導の歳出削減)、情報が-11K、輸送・倉庫が-11K、製造業が-12Kとなった。またBLSは12月のNFPをさらに+4.8万人から-1.7万人へ、1月を+13万人から+12.6万人へと下方修正し、過去2ヶ月分の累積修正は-6.9万人に上った。
これが「スタグフレーション」の引き金を引いた。WTI$90という高いインフレ圧力のなかで雇用が急減したことで、FRBは「雇用を守るための利下げ→インフレ加速」または「インフレを抑えるための据え置き→景気後退」という出口なしの板挟みに追い込まれた。市場はFRBの利下げ観測を強めながらも、その利下げ自体が「インフレの火に油を注ぐリスク」として株式市場には逆向きの材料となった。
② WTI$90突破——中東紛争勃発から1週間で原油+27%という異常事態
WTI原油先物は90.90ドル(+9.89 / +12.21%)と節目の90ドルを大幅に突破し、2024年初頭以来の最高値を記録した。これは2020年以来最大の1日上昇率だ。直接的なきっかけはペルシャ湾産油国(UAE・クウェート)が「ホルムズ海峡を通じた輸出ができず、国内の石油貯蔵施設が限界に達しつつある」として産油量の削減を余儀なくされているとの報道だ。ホルムズ海峡では依然として数百隻の船舶が立ち往生しており、米軍の護衛示唆も商業船の通過には繋がっていない。2/28の中東紛争勃発(WTI約71ドル)からわずか1週間で約+27%という異常な上昇速度は、エネルギー市場の構造的な供給危機を示している。
③ 米主要3指数・年初来マイナス転落——NYダウが週間で約-4.6%の下落
NFP-9.2万人のショック発表後、米主要3指数は急落し、いずれも2026年の年初来パフォーマンスがマイナスに転落した。週間ではNYダウが約-4.6%、S&P500が約-3.3%、NASDAQ100が約-4.2%の下落となった。金融・銀行株の下落が目立ち、ゴールドマン・サックス-3.42%・アメリカン・エキスプレス-3.16%・JPモルガン-2.96%が指数を押し下げた。エネルギー株のみが逆行高となったが、指数の重みには及ばなかった。トランプ政権がイランに対する交渉の余地を否定(「遅すぎる」と発言)したことも、地政学リスクの長期化という懸念を強め、週末のポジション整理売りに拍車をかけた。
📅 3/6(日本時間)に発表された主要経済指標
NFP-9.2万人は市場予想+5.5万人から約14.7万人の下振れという近年まれにみる大外れだ。さらにBLSは1月を+13.0万人→+12.6万人へ、12月を+4.8万人→-1.7万人へと大幅下方修正した(合計-6.9万人の追加修正)。医療・社会福祉セクターではカリフォルニア州の看護師ストライキが-2.8万人の一時的要因として機能したが、連邦政府の-1.0万人(DOGE関連)、製造業の-1.2万人、輸送・倉庫の-1.1万人は構造的な悪化を示している。失業率4.4%は予想(4.1%)を大きく超え、「雇用の底堅さ」というFRBの政策判断根拠が崩壊した。
📈 株式市場
※終値は3/6 NYクローズ確定値(日本・アジア株は3/6現地終値)。騰落はすべて前日比。
① 日本・アジア株
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経225 | 55,620.84 | +342.78 | +0.62% |
| TOPIX | 3,716.93 | +14.26 | +0.39% |
| ハンセン指数(香港) | 25,757.29 | +435.95 | +1.72% |
| 上海総合指数 | 4,124.19 | +15.63 | +0.38% |
| KOSPI(韓国) | 5,584.87 | +0.97 | +0.02% |
アジア市場は総じて小幅高で週末の引けを迎えた。日経225は+342.78(+0.62%)と3日続伸し、前日の史上最大反発(KOSPI+9.63%)の余韻を引き継いだ形だ。TOPIX+0.39%・ハンセン+1.72%・上海+0.38%と、アジア全面高。NFP発表前の早朝取引であったため、米国の雇用ショックをほぼ完全に回避できた。ハンセン指数+1.72%が目立つが、香港は全人代後の中国経済対策への期待感と中国系テック株の買い戻しが継続している背景がある。
KOSPIは5,584.87(+0.97、+0.02%)と前日の史上最大反発(+490pt)の後、ほぼ横ばいに落ち着いた。3/3〜3/6の4日間(-7.24%→-12.06%→+9.63%→+0.02%)という壮絶な乱高下を経て、いったん小康状態に入った格好だ。ただし3/2比較では依然として数%の下落幅が残っており、完全な回復には至っていない。
② 欧州・米国株
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| FTSE 100(英国) | 10,284.75 | -129.19 | -1.24% |
| DAX 30(ドイツ) | 23,591.03 | -224.72 | -0.94% |
| CAC 40(フランス) | 7,993.49 | -52.31 | -0.65% |
| NYダウ | 47,501.55 | -453.19 | -0.95% |
| NASDAQ 100 | 24,643.01 | -377.4 | -1.51% |
| S&P 500 | 6,740.02 | -90.69 | -1.33% |
NFP-9.2万人の発表を受けて米株は序盤から急落した。S&P500は-1.33%の6,740.02、NYダウは-453.19pt(-0.95%)の47,501.55、NASDAQ100は-1.51%の24,643.01といずれも続落し、3指数すべてが年初来マイナス圏に転落した。3/1〜3/6の週間パフォーマンスはNYダウ約-4.6%・S&P500約-3.3%・NASDAQ100約-4.2%と近年まれにみる悲惨な週となった。
最も下落が大きかったのはNASDAQ100(-1.51%)だ。「雇用弱化→景気後退→企業収益悪化→高バリュエーションのテック株に割高感」という連鎖が売り圧力を生んだ。金融株(GS-3.42%、JPM-2.96%、AXP-3.16%)も「信用コスト上昇・景気後退懸念」を嫌気して大幅安となった。プライベートクレジット市場にひびが入りつつあるとの観測もブルームバーグが報じており、ブラックロック・ブラックストーン・ブリッジウォーターなど資産運用大手が週を通じて大幅安となった。唯一エネルギーセクターのみが原油急騰を背景に逆行高となったが、指数押し下げを相殺するには至らなかった。
💱 為替
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ドル円(USD/JPY)終値:157.79前日比:+0.23(+0.15%)↑ 小幅円安。弱い雇用によるドル売りと、リスクオフによる円買いが相殺
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ユーロドル(EUR/USD)終値:1.1618前日比:+0.0011(+0.09%)↑ ユーロ小幅高。欧州株軟調もドル安の恩恵を受けた形
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ドルインデックス(DXY)終値:98.86前日比:-0.46(-0.47%)↓ ドル反落。NFP-9.2万人→FRB利下げ観測強化→ドル売り。ゴールド反発の主因
DXY(ドルインデックス)は98.86と前日99.32から-0.47%の反落。前日に「再び99台回復」と報じたドル強地合いが、NFP-9.2万人の一撃で吹き飛んだ形だ。「弱い雇用→FRBの利下げ観測強まる→ドル売り」という教科書通りの動きが発動した。このDXY反落こそが3/5(昨日)との決定的な違いであり、ゴールドが今日は上昇できた最大の理由だ。前日DXY+0.51%でゴールドが-1.17%、今日DXY-0.47%でゴールドが+1.85%——この鏡写しの関係が改めて鮮明に示された。
ドル円は157.79円(+0.23)と小幅円安。「弱い雇用→ドル売り」の一方で「リスクオフ→安全資産の円買い」という相殺が働き、結果として小幅な動きにとどまった。ユーロは1.1618(+0.0011)と小幅高。欧州株が軟調ながらもドル安の恩恵を受けた格好だ。
📊 金利・債券
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JGB10Y(日本10年債)水準:2.173%前日比:+0.013%(+0.60%)↑ 続伸。3/18〜19日銀会合への利上げ観測が根強く、2009年以来の水準が視野に
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US10Y(米10年債)水準:4.138%前日比:-0.010%(-0.24%)↓ 小幅低下。NFP後の安全資産需要で週の急騰から一服。ただし4.1%台高止まりは継続
US10Yは4.138%(-0.010%)と小幅低下。NFP-9.2万人の結果を受けて「景気後退リスク→安全資産の米国債買い→利回り低下」が働いた。週初の水準(約4.0〜4.1%台)からの上昇一服という形だが、依然4.1%台の高止まりが続いている。「FRBが利下げを余儀なくされる」という観測がUS10Yを押し下げる方向に働いたが、同時に「原油$90という高インフレ圧力」がUS10Yの大幅低下を抑制している。スタグフレーション環境では米国債利回りも方向感が出にくいという教科書通りの展開だ。
JGB10Yは2.173%(+0.013%)と続伸。3月18〜19日の日銀金融政策決定会合を前に利上げ観測が根強く、2009年以来の水準が視野に入ってきた。円キャリートレード解消圧力のリスク要因として引き続き注視が必要だ。
🪙 コモディティ
| 品目 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物 | $90.90/バレル | +$9.89 | +12.21% |
| ゴールドスポット(XAU/USD) | $5,171.12/oz | +$93.73 | +1.85% |
| シルバースポット(XAG/USD) | $84.3717/oz | +$2.1776 | +2.65% |
🔥 WTI原油(+12.21% / $90.90)——$90突破、2020年以来最大の1日上昇率
WTI原油は90.90ドル(+9.89 / +12.21%)と$90の大台を大幅に突破し、2020年以来最大の1日上昇率を記録した。背景はペルシャ湾産油国(UAE・クウェート)による事実上の減産示唆だ。ホルムズ海峡の通航停滞で輸出できない原油が陸上タンクに滞留し、貯蔵限界に達しつつあることから生産量の削減を余儀なくされているという。2/28の中東紛争勃発(WTI約71ドル)からこの1週間で約+27%の急騰は、エネルギー市場の構造的な供給危機が単なる「一過性の地政学ショック」ではないことを示している。
🥇 ゴールド(XAU/USD)深掘り
| 水準(ドル) | 意味 |
|---|---|
| 5,595.46 | ATH(史上最高値):1/29高値 |
| 5,419.32 | 3/2高値(直近危機ピーク) |
| 5,195.41 | 3/5高値(2日連続で売られた戻り売りゾーン) |
| 5,175.06 | 3/6高値(本日の上値) |
| 5,171.12 | 3/6終値(+93.73 / +1.85%)——引けにかけて高値圏を維持 |
| 5,081.11 | 3/5終値(前日終値) |
| 5,077.43 | 3/6始値 |
| 5,062.89 | 3/6安値(一時下押しも切り返し) |
| 5,050.00 | 主要サポートライン(3/5安値圏) |
| 5,000.00 | 大台・心理的サポート(最重要防衛ライン) |
本日のゴールドは5,077.43ドルで開始し一時5,062.89ドルまで下押した後、NFP-9.2万人の発表(日本時間22:30)を受けてドル急落とともに急反発。高値5,175.06まで上伸し、終値は5,171.12ドルと引けにかけても高値圏を維持した。「陽線の実体が太く、上ヒゲが短い」強い足型は上昇の持続性を示唆する。
注目すべきは安値の水準だ。3/5の安値5,051.14(5,050ドルのサポート)に対して、本日の安値5,062.89はわずかに切り上がっている。NFP発表前の下押しが3/5の安値に届かなかったことで「5,050ドルラインの有効性」が改めて確認された形だ。3/5〜3/6の2日間を「ダブルボトム的な底固め→反発」と読む見方もできる。
■ 上値:5,200(2日連続で跳ね返された壁→今回は超えられるか?)→5,419(3/2危機ピーク)→5,595(ATH)
■ 下値:5,100(直近サポート)→5,062(本日安値)→5,050(主要サポート)→5,000(大台)
3/2〜3/6の5日間を整理すると「5,419→4,996→5,141→5,081→5,171」という急騰→崩落→反発→再下落→反発のシーケンスだ。スタグフレーション相場が本格化するなら、ゴールドが5,200ドルの壁を上抜けして3/2危機ピーク(5,419ドル)を試す展開が現実的シナリオとなる。「NFP-9.2万人」という雇用崩壊の証拠が揃った今、FRBが次のカードを切るまでゴールドには強い追い風が続く。
🥈 シルバー(XAG/USD:$84.3717 / +2.65%)
シルバーは84.3717ドル(+2.1776 / +2.65%)とゴールドを上回る上昇率で反発した。前日まで「弱い回復・素早い再下落」が続いていたシルバーだが、本日はゴールド同様DXY反落の恩恵を受け、GSR(ゴールド/シルバー比率)は61.3倍前後と若干改善した。ただし3/3の-8.17%急落の打撃がまだ残っており、週間パフォーマンスではゴールドに対して依然として見劣りする。
🧠 市場心理・VIX
-
VIX(恐怖指数)水準:29.49前日比:+5.74(+24.17%)↑↑↑ 週間最高水準へ急騰。スタグフレーション恐怖が市場を覆い、VIX30超えが目前
VIXは29.49と前日(23.75)から+5.74(+24.17%)の急騰。中東紛争勃発(2/28)以来の週間で最も高い水準に達した。一般的にVIX30超は「市場が極度の恐怖状態」と判断されるラインであり、29.49はその境界線直前まで来ている。NFP-9.2万人という雇用ショックが「地政学リスク×景気後退リスク×インフレリスク」という三重のテールリスクを市場に意識させ、投資家が一斉にヘッジを買い増した形だ。VIX急騰は「オプション市場では来週以降もさらなる乱高下を織り込み始めた」ことを意味する。
🎯 今日の戦略メモ
※本セクションは市場参加者の視点を中立的に整理するものです。特定の投資行動を推奨するものではありません。
■ ブル派の根拠(ゴールド・ロング継続派)
- スタグフレーション相場ではゴールドが「インフレヘッジ×リセッションヘッジ×安全資産」の三冠機能を発揮する。歴史的には1970年代のスタグフレーション期にゴールドが数倍に上昇した事実がある
- NFP-9.2万人→FRBの利下げ観測強化→実質金利低下というシナリオが現実味を増し、ゴールドの中長期的な追い風が強まった
- 今日の陽線(安値5,062→終値5,171)は強い足型。5,050ドルのサポート確認→5,200ドルの壁打破というシナリオが描きやすくなった
- ATH(1/29:5,595.46ドル)まで424ドルの余地。上昇トレンドの長期構造は崩れていない
■ ベア派の根拠(ショート・様子見派)
- 5,200ドルは過去2日(3/4高値5,205・3/5高値5,195)に続いて3日目も突破できなかった(本日高値5,175)。「3度目の壁」となっており戻り売りゾーンの信頼性は高い
- VIX29.49という高ボラティリティ環境では、上昇局面でも急反落が起きやすい。週明けの地政学リスクヘッドラインによっては一時的なリスクオフ(ドル高)が再現する可能性がある
- WTI$90超えが続けば、「原油インフレ→長期金利上昇→ゴールドへの逆風」という構造が再び作動するリスクが残る
- 週間では5,081→5,171と一見回復しているが、3/2の5,419から見れば依然として248ドル(-4.6%)の水準にある
■ 注目トリガー(価格水準)
- 📈 上抜けシグナル:5,200ドル実体上抜け→5,419(3/2危機ピーク)→5,595(ATH)再試験へ
- 📉 下抜けシグナル:5,100ドル割れ→5,062(本日安値)→5,050(主要サポート)割れで再び5,000試験
- 🌐 地政学トリガー:停戦交渉報道→原油急落→リスクオン→ゴールド売り。ホルムズ追加封鎖→原油$100→スタグフレーション深化→ゴールド急騰
- 📅 来週の重要イベント:3月FOMC(3/18〜19)・日銀金融政策決定会合(3/18〜19)。両中央銀行の対応がゴールドの方向性を左右する
⚠️ 本セクションの内容は市場参加者のシナリオ整理を目的としたものであり、投資助言ではありません。実際の投資判断はご自身の責任でお願いします。
🚀 全体まとめ
3月6日(金)は「スタグフレーション元年——NFP-9.2万人とWTI$90が重なった歴史的な転換点」として記憶されるべき一日だ。2月雇用統計は予想+5.5万人に対して-9.2万人という衝撃の結果を示し、WTI原油が$90の大台を突破するという「弱い雇用×高い原油」の最悪の組み合わせが実現した金曜日となった。
米主要3指数はそろって年初来マイナスに転落し、週間でNYダウ約-4.6%という惨状で週を終えた。一方アジア株はNFP発表前の取引がほとんどであったため、小幅高で週を締め括ることができた。
ゴールドは+1.85%(5,171.12ドル)と大幅反発した。前日(3/5)の「WTI80ドル突破でもゴールドが下落した」という異例の展開から一転、今日は「弱いNFP→ドル安(DXY-0.47%)→ゴールド上昇」というロジックが鮮明に機能した。「有事のゴールドが機能するのはドル安を伴う有事のみ」という法則が今週2日間で完璧に証明されたかたちだ。
🥇 【最終判断:スタグフレーション相場の入口に立つゴールド——5,200ドルの壁が最後の試金石】
3/2〜3/6の5日間を俯瞰すると「5,419→4,996→5,141→5,081→5,171」という急騰→崩落→回復途上という大局観だ。今週最大の変化は「スタグフレーション」という新しいテーマが市場の中心に据わったことだ。弱い雇用(NFP-9.2万人)と高い原油(WTI$90)が同時に確認され、FRBは利下げも利上げもできない「ポリシーロック」状態に追い込まれた。この環境でゴールドは最も力強く輝く資産だ。来週以降、3/18〜19のFOMC・日銀会合というダブル中央銀行イベントを前に、まず「5,200ドルの壁を超えられるか」が当面の最大テーマとなる。
📊 マーケットデータ一覧(3/6 NYクローズ確定値)
| 資産 | 終値 | 前日比(値) | 前日比(率) |
|---|---|---|---|
| 日経225 | 55,620.84 | +342.78 | +0.62% |
| TOPIX | 3,716.93 | +14.26 | +0.39% |
| ハンセン指数 | 25,757.29 | +435.95 | +1.72% |
| 上海総合指数 | 4,124.19 | +15.63 | +0.38% |
| KOSPI(韓国) | 5,584.87 | +0.97 | +0.02% |
| FTSE 100 | 10,284.75 | -129.19 | -1.24% |
| DAX 30 | 23,591.03 | -224.72 | -0.94% |
| CAC 40 | 7,993.49 | -52.31 | -0.65% |
| NYダウ | 47,501.55 | -453.19 | -0.95% |
| NASDAQ 100 | 24,643.01 | -377.4 | -1.51% |
| S&P 500 | 6,740.02 | -90.69 | -1.33% |
| ドル円(USD/JPY) | 157.79 | +0.23 | +0.15% |
| ユーロドル(EUR/USD) | 1.1618 | +0.0011 | +0.09% |
| DXY(ドルインデックス) | 98.86 | -0.46 | -0.47% |
| JGB10Y | 2.173% | +0.013 | +0.60% |
| US10Y | 4.138% | -0.010 | -0.24% |
| WTI原油 | $90.90 | +9.89 | +12.21% |
| ゴールド(始値5,077.43 / 高値5,175.06 / 安値5,062.89) | $5,171.12 | +93.73 | +1.85% |
| シルバー | $84.3717 | +2.1776 | +2.65% |
| VIX | 29.49 | +5.74 | +24.17% |
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📰 情報ソース
- 経済指標:米労働省・BLS(非農業部門雇用者数・失業率)/ CME FedWatch Tool
- 市場ニュース:ロイター / ブルームバーグ / CNBC / Yahoo Finance / Trading Economics / FXStreet
- 実勢価格:Yahoo Finance / Investing.com / Trading Economics / 主要取引所データ(CME, ICE, JPX, KRX等)
- 終値データ:3/6 NYクローズ確定値 / スプレッドシート実測値(XAU/USDスポット価格基準)
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投資は、投資家自身の判断と責任で行うべきものであり、当ブログは投資判断に関する一切の責任を負いません。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。掲載している経済指標・イベント情報は、各種メディア・公的機関の発表をもとに筆者が整理したものですが、発表日時・内容は予告なく変更される場合があります。最新情報は各機関の公式発表でご確認ください。

