【アップル(AAPL)決算】Q3 EPS2.02ドル・売上1094億ドルで過去最高も、供給制約への言及で時間外株価は急落——Cook氏最後の決算発表に
2026年7月31日|ぱぶちゃんのファンダメンタルlab
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アップルのFY26 Q3決算は、売上高1,094.17億ドル(前年比+16.4%)・EPS2.02ドル(前年比+28.7%)とコンセンサスを上回る「過去最高の6月期」となった。一方でメモリ半導体不足に伴う供給制約を理由に、説明会でのトーンが弱含みだったと報じられており、時間外取引で株価は急落。18時00分(米東部時間)時点で309.80ドルと、当日終値333.43ドルから約7.1%下落している。Tim Cook氏にとって最後の決算発表となる見通しで、9月1日付でJohn Ternus氏がCEOに就任する。
📋 目次
1|アップルとはどんな会社か
アップル(NASDAQ:AAPL、米カリフォルニア州クパチーノ本社)は、iPhone・Mac・iPad・Apple Watch等のハードウェアと、App Store・Apple Music・iCloud・Apple Pay等のサービス事業を展開する世界最大級のテクノロジー企業。地域別セグメントはAmericas(南北アメリカ)・Europe(欧州・中東・インド等)・Greater China(中国本土・香港・台湾)・Japan(日本)・Rest of Asia Pacific(その他アジア太平洋)の5区分。CEOはTim Cook氏、CFOはKevan Parekh氏だが、9月1日付でハードウェア工学責任者のJohn Ternus氏がCEOに就任し、Cook氏は会長へ移行することが決定しており、今回はCook氏にとって最後の決算発表となる見通し。
2|主要財務ハイライト(Q3、コンセンサス比)
2026年7月30日(現地時間、市場引け後)、アップルは2026会計年度第3四半期(4〜6月期)決算を発表した。売上高・EPSともに市場予想を上回り、iPhone・Mac・Servicesは6月期として過去最高を記録した。
| 指標 | Q3 FY26実績 | コンセンサス予想 | Q3 FY25実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,094.17億ドル | 1,086.5億ドル(LSEG) | 940.36億ドル |
| 売上高YoY | +16.4% | - | - |
| EPS(希薄化) | $2.02 | $1.89(単純比較不可) | $1.57 |
| 純利益 | 297.89億ドル(+27.1%) | - | 234.34億ドル |
| 売上総利益率 | 50.1% | 47.9%前後 | 46.5% |
| 営業利益 | 356.95億ドル(+26.6%) | - | 282.02億ドル |
📌 コンセンサス対比のポイント
- EPS:$2.02とコンセンサス$1.89を上回るも、関税還付による$0.11の押し上げ分があり単純比較は不可(CNBC)
- 売上高:コンセンサス(LSEG、1,086.5億ドル)を明確に上回るビート
- 売上総利益率:関税還付が約2ptの押し上げ要因となり、予想(47.9%前後)を大きく上回る50.1%
- 製品別:iPhone・Mac・Wearablesは予想超え、iPad・Servicesはコンセンサス未達
3|セグメント別・カテゴリ別動向
| 地域セグメント | 売上高 | 売上YoY |
|---|---|---|
| Americas | 457.81億ドル | +11.1% |
| Europe | 293.95億ドル | +22.4% |
| Greater China | 188.16億ドル | +22.4% |
| Japan | 65.54億ドル | +13.4% |
| Rest of Asia Pacific | 88.71億ドル | +15.6% |
| 製品カテゴリ | 売上高 | 売上YoY | コンセンサス比 |
|---|---|---|---|
| iPhone | 542.52億ドル | +21.7% | 超過(予想538.6億ドル) |
| Mac | 103.52億ドル | +28.7% | 大幅超過(予想87.4億ドル) |
| iPad | 61.91億ドル | ▲5.9% | 未達(予想69.2億ドル) |
| Wearables, Home and Accessories | 78.83億ドル | +6.5% | 小幅超過(予想78.2億ドル) |
| Services | 307.39億ドル | +12.1% | 未達(予想312.2億ドル) |
iPhone・Mac・Servicesは6月期として過去最高を記録し、全地域セグメントが二桁成長を回復した。特にMacはMacBook Neo・MacBook Proの好調により前年比+28.7%と大幅な伸びを見せた一方、iPadとServicesはコンセンサスに届かなかった。グレーターチャイナは前年比+22.4%と高い伸びを示したものの、Bloomberg集計の市場予想(約196億ドル)には届いていないとの報道がある。
4|特殊要因
今四半期は関税還付が売上総利益率を約2ポイント、EPSを$0.11押し上げる特殊要因となった。一方でメモリ半導体(DRAM・NAND等)の需給逼迫を背景に、6月にはMac・iPadで価格改定を実施している。Cook氏は決算説明会で、今後さらにメモリコストの影響が業績に及ぶとの見方を示したと報じられている。
また、今回はTim Cook氏にとってCEOとして最後の決算発表となる見通しで、9月1日付でハードウェア工学責任者のJohn Ternus氏がCEOに就任し、Cook氏は会長職へ移行する。この経営体制の転換も今回の決算発表を特徴づける要素となっている。
5|四半期トレンド
9ヶ月累計(FY26 Q1〜Q3)の売上高は3,643.57億ドルで、前年同期(3,136.95億ドル)から+16.2%増加。純利益は1,014.64億ドル(前年845.44億ドル)で+20.0%増、希薄化EPSは$6.88(前年$5.62)となった。四半期を追うごとに増収率が加速しており、直近四半期は全地域・主要製品カテゴリ(iPad・Servicesを除く)で二桁成長を記録している。
6|キャッシュフロー・財務体質
| 項目(9ヶ月累計) | 2026年6月末 | 2025年6月末 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | 1,169.96億ドル | 817.54億ドル |
| 投資キャッシュフロー | ▲188.11億ドル | +177.82億ドル |
| 財務キャッシュフロー | ▲945.75億ドル | ▲932.10億ドル |
| 自社株買い | 620.94億ドル | 705.79億ドル |
| 項目(期末残高) | 2026年6月末 | 2025年9月末 |
|---|---|---|
| 現金・現金同等物 | 395.44億ドル | 359.34億ドル |
| 総資産 | 3,832.66億ドル | 3,592.41億ドル |
| 総負債 | 2,757.46億ドル | 2,855.08億ドル |
| 株主資本 | 1,075.20億ドル | 737.33億ドル |
9ヶ月累計の営業キャッシュフローは1,169.96億ドル(前年比+43.1%)と大幅に増加。自社株買いは620.94億ドル、配当支払いは117.78億ドルを実施した。株主資本は1,075.20億ドルまで拡大し、利益剰余金は前期末の赤字(▲142.64億ドル)から黒字(113.26億ドル)へ転換している。取締役会は1株$0.27の配当を宣言、8月13日に支払い予定(8月10日が権利確定日)。
7|通期・Q4ガイダンス
アップルは近年、具体的な数値レンジによる正式ガイダンスの開示は行っていない。決算説明会では、メモリ半導体(DRAM・NAND)や一部プロセッサの製造能力に起因する供給制約について言及があり、そのトーン自体は次期(9月期)に向けてやや弱含みだったと報じられている(CNBC)が、あくまで説明会での口頭コメントに基づく報道ベースの評価である点には留意が必要。参考として、前四半期(Q2)時点でQ3向けに示されていたレンジは売上高成長率14〜17%・売上総利益率47.5〜48.5%だったが、今回の説明会ではメモリコスト上昇が今後さらに利益率の重荷になるとの見方が示された。
8|注目イベント・戦略トピックス
- 9月1日付でJohn Ternus氏がCEOに就任、Tim Cook氏は会長へ移行する経営体制の転換
- 決算発表前の7月28日、時価総額が一時5兆ドルを突破。同日終値でも過去最高値$340.08を記録
- メモリ半導体不足を背景に6月にMac・iPadの価格改定を実施
- WWDC26で新しいSiri AIを発表
- インストールベースは全主要製品カテゴリ・地域セグメントで過去最高を更新
- 1株$0.27の配当を宣言、8月13日支払い予定(8月10日基準日)
9|株価反応
アップル株は決算発表当日(7月30日)の通常取引で$333.43で引け、決算発表前から利益確定売りで下落していた。決算発表後の時間外取引では株価がさらに下落し、CNBCによると18時00分(米東部時間)時点で$309.80まで下げ、通常取引の終値から約7.1%の下落となっている(時間外は変動が大きく、あくまで18:00ET時点の一値である点に留意)。時間帯・報道によって下落幅の表現には幅があり、決算直後は▲5%程度とする速報もあれば、その後▲8%程度まで下落幅が拡大したとする報道(CNBC)もある。
株価下落の背景には、売上高・EPSともにコンセンサスを上回る好決算であったにもかかわらず、メモリ半導体不足に伴う供給制約への言及と、それに伴う次期見通しへの慎重なトーンが嫌気されたことがあるとみられる。決算発表前の7月28日には時価総額が一時5兆ドルを突破し、過去最高値を記録していただけに、好業績にもかかわらずガイダンス面での失望が優勢となった形だ。
10|リスク・注視すべきポイント
⚠️ 決算資料・関連報道から読み取れる留意点
① メモリ半導体不足がQ4以降さらに業績に影響する可能性をCook氏自身が示唆しており、価格改定の広がりにも注視が必要
② iPad・Servicesはコンセンサス未達——Servicesの成長鈍化が続くかは次四半期以降の焦点
③ 関税還付という一時的要因が売上総利益率・EPSを押し上げており、剥落後の実力値の見極めが必要
④ 9月1日付でのCEO交代という経営体制の転換点。John Ternus新CEO下での戦略の連続性・変化に注目
⑤ グレーターチャイナは伸び率自体は高いが市場予想には届かず、中国事業の実態評価は情報源で分かれる
⑥ 時間外での下落幅は報道時点によって▲5%台〜▲8%台とばらつきがあり、通常取引再開後の値動きを見極める必要がある
総じて今回の決算は、売上高・EPSともにコンセンサスを上回り、iPhone・Mac・Servicesが6月期として過去最高を記録するなど内容自体は堅調だった一方、メモリ半導体不足に伴う供給制約と、それに伴う説明会での慎重なトーンが株価の重荷となった。次回Q4 FY26決算は、John Ternus新CEO体制での初の決算発表となる見通しで、供給制約の影響度合いとガイダンス達成状況が焦点になりそうだ。
出典
- Apple Inc.「Form 8-K(2026年7月30日)」(SEC提出)
- Apple「Apple reports third quarter results」(決算プレスリリース、2026年7月30日)
- CNBC「Apple's stock drops 8% as supply constraints lead to weak revenue guidance: Live updates」(2026年7月30日)
- qz.com「Apple Q3 2026 earnings beat estimates but services revenue misses」(2026年7月30日)
- FX Leaders「Apple slips to $332 as 1.5% GDP miss meets Q3 earnings jitters」(2026年7月30日)
- MacroTrends「Apple 15 Year Stock Price History」
✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年/ぱぶちゃんのファンダメンタルlabを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god
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