【アマゾン(AMZN)決算】Q2売上2,006億ドル・AWS成長率18四半期ぶりの37%、Anthropic評価益で純利益626億ドルに急増——時間外株価は9%超急伸
2026年7月31日|ぱぶちゃんのファンダメンタルlab
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AmazonのFY26 Q2決算は、売上高2,006.06億ドル(前年比+20%)・営業利益275億ドル(前年比+43%)とコンセンサスを上回る好内容。AWSは前年比+37%と18四半期ぶりの高成長を記録し、年換算売上高は1,690億ドルに到達した。純利益は626億ドル(EPS$5.75)と急増したが、Anthropic投資に伴う一時的評価益534億ドルを含むため単純比較には注意が必要。決算を好感し、通常取引で+3.90%($235.50)、時間外は18時16分(米東部時間)時点で$258.50まで上昇し、通常取引終値から約+9.8%となっている。
📄 一次資料:決算プレスリリース/カンファレンスコールスライド
📋 目次
1|アマゾンとはどんな会社か
アマゾン(NASDAQ:AMZN、米ワシントン州シアトル本社)は、EC・小売事業とクラウドコンピューティング事業(AWS)を主軸に、広告・サブスクリプション(Prime)・実店舗など幅広い事業を展開する世界最大級のテクノロジー企業。事業セグメントはNorth America(北米EC・小売)、International(北米以外のEC・小売)、AWS(クラウド)の3区分。CEOはAndy Jassy氏。近年はAWS上でのAIインフラ・エージェント関連投資が成長ドライバーとして強調されている。
2|主要財務ハイライト(Q2、コンセンサス比)
2026年7月30日(現地時間、市場引け後)、アマゾンは2026年度第2四半期(4〜6月期)決算を発表した。売上高・営業利益ともに市場予想を上回り、AWSは18四半期ぶりの高成長率を記録した。
| 指標 | Q2 FY26実績 | コンセンサス予想 | Q2 FY25実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,006.06億ドル | 1,964.7億ドル前後(LSEG) | 1,677.02億ドル |
| 売上高YoY | +20% | - | - |
| EPS(希薄化) | $5.75 | $1.82(LSEG、単純比較不可) | $1.68 |
| 純利益 | 626.47億ドル(+245%) | - | 181.64億ドル |
| 営業利益 | 274.61億ドル(+43%) | - | 191.71億ドル |
| AWS売上高 | 422.32億ドル(+37%) | 405.4億ドル前後(StreetAccount) | 308.73億ドル |
📌 コンセンサス対比のポイント
- EPS:$5.75とコンセンサス$1.82を大幅に上回るも、Anthropic投資に伴う非事業性評価益534億ドルを含み単純比較は不可。コア営業利益ベースの伸び(+43%)がより実態に近い
- 売上高:コンセンサス(約1,964.7億ドル)を明確に上回るビート、かつ自社ガイダンス($194.0〜199.0B)の上限も超過
- AWS:売上・利益ともに予想超過。売上$422.3億ドルはStreetAccount予想(約$405.4億ドル)を上回る
- 広告:売上198.09億ドル(+26%)もStreetAccount予想(約$194.3億ドル)を上回る
3|セグメント別・カテゴリ別動向
| 事業セグメント | 売上高 | 売上YoY | 営業利益 | 営業利益YoY |
|---|---|---|---|---|
| North America | 1,161.77億ドル | +16% | 91.23億ドル | +21% |
| International | 421.97億ドル | +15% | 17.17億ドル | +15% |
| AWS | 422.32億ドル | +37% | 166.21億ドル | +64% |
| 売上カテゴリ | 売上高 | 売上YoY(為替調整後) |
|---|---|---|
| オンラインストア | 704.32億ドル | +15% |
| 実店舗 | 57.94億ドル | +4% |
| サードパーティセラーサービス | 467.80億ドル | +16% |
| 広告サービス | 198.09億ドル | +26% |
| サブスクリプションサービス | 137.30億ドル | +12% |
| AWS | 422.32億ドル | +37% |
| その他 | 18.29億ドル | +23% |
全セグメントが増収増益となり、特にAWSは売上YoY+37%・営業利益YoY+64%と加速が鮮明になった。営業利益率も39.4%(前年32.9%)に改善している。North Americaの増収にはPrime Day開催時期の影響(後述)も寄与した。広告事業は198.09億ドルとYoY+26%の高成長を維持した。
4|特殊要因
今四半期の純利益には、Anthropicへの投資に関連する非事業性の税引前その他収益534億ドルが含まれている。これが純利益・EPSを大きく押し上げており、GAAPベースのEPS($5.75)とコンセンサス($1.82)の比較は単純にはできない。事業本体の実力を測る指標としては、この特殊要因の影響を受けない営業利益(+43%YoY)がより適切と考えられる。
また、もう一つの特殊要因としてPrime Dayの開催時期変更がある。2025年は7月開催だったのに対し、2026年は6月に前倒しされたため、Q2の北米売上には押し上げ、Q3の前年比成長率には押し下げ(歪み)が生じる。会社側はこの影響を除くとQ3の売上成長率は400ベーシスポイント程度上振れするとしている。
5|四半期トレンド
上半期(FY26 H1)累計の売上高は3,821.25億ドルで、前年同期(3,233.69億ドル)から+18.2%増加。純利益は929.02億ドル(前年352.91億ドル)で+163%増、希薄化EPSは$8.53(前年$3.27)となった。四半期を追うごとに増収率が加速しており、直近四半期は3セグメントすべてで二桁成長を記録している。
6|キャッシュフロー・財務体質
| 項目(トレーリング12ヶ月) | 2026年6月期末 | 2025年6月期末 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | 1,614.03億ドル | 1,211.37億ドル |
| 設備投資(純額) | 1,690.07億ドル | 1,029.53億ドル |
| フリーキャッシュフロー | ▲76.04億ドル | +181.84億ドル |
| 項目(期末残高) | 2026年6月末 | 2025年12月末 |
|---|---|---|
| 現金・現金同等物 | 782.13億ドル | 868.10億ドル |
| 総資産 | 10,956.89億ドル | 8,180.42億ドル |
| 株主資本 | 5,516.20億ドル | 4,110.65億ドル |
営業キャッシュフロー(TTM)は1,614.03億ドルとYoY+33%の大幅増加となった一方、AI関連投資の拡大により設備投資(TTM純額)も1,690.07億ドルとYoY+64%まで膨らみ、フリーキャッシュフロー(TTM)は▲76.04億ドルと2四半期連続の赤字となっている。決算説明会でJassy氏はFY26通期の設備投資見通しを従来の2,000億ドルから2,200億ドルへ上方修正したと報じられている。総資産は約1兆960億ドルまで拡大し、株主資本も5,516億ドルへ拡大した。
7|Q3ガイダンス
会社側が示したQ3 FY26のガイダンスは、売上高1,970.0億ドル〜2,020.0億ドル(YoY+9〜12%)、営業利益22.5億ドル〜26.5億ドル(前年17.4億ドル)。市場予想(StreetAccount集計)の営業利益は約24.9億ドルで、レンジの中央に近い水準。売上成長率のヘッドライン数値(+9〜12%)は前述のPrime Day時期シフトの影響で前年同期比が歪んでおり、この影響を除くと成長率は約400ベーシスポイント上振れするとされている。為替については約80ベーシスポイントの逆風を織り込んでいる。
8|注目イベント・戦略トピックス
- AWSのAI事業・チップ事業がそれぞれ年換算売上250億ドルを突破、いずれも3桁%成長
- Trainiumで、AnthropicとOpenAIが複数年・複数ギガワット規模の契約を締結
- 次世代CPU「Graviton5」が一般提供開始、Graviton4比で最大25%の性能向上
- Amazon BedrockにGPT-5.6、Claude Opus 5、Gemma 4、Grok 4.3など10以上の新モデルを追加
- 脆弱性の発見・検証・修復を自動化する「AWS Continuum」をプレビュー公開
- AIエージェント運用基盤「Bedrock AgentCore」に決済・Web検索等の新機能を追加
- AWS Forward Deployed Engineeringに10億ドルを投資、顧客企業へのエージェント型AI導入を支援
- 国防関連向け「AWS Secret Cloud for Industry」を一般提供、Northrop Grummanが初の稼働顧客に
- 超速配送サービス「Amazon Now」を米国80都市・エジプトに拡大、9カ国250都市超で展開
- Zoox(自動運転タクシー)がNHTSAより有料ライドサービス提供の認可を取得
- Amazon Business(法人向け)の年換算売上高が600億ドルに到達
- 低軌道衛星通信「Amazon Leo」は約400基体制に到達、年内のサービス開始を計画
9|株価反応
アマゾン株は決算発表当日(7月30日)の通常取引で$235.50(前日比+$8.850、+3.90%)と上昇して引けた。決算発表後の時間外取引では株価がさらに上昇し、18時16分(米東部時間)時点で$258.50まで買われ、通常取引終値からの上昇率は約+9.8%に達している。報道時点によって時間外の上昇率には8%台〜10%台までの幅があり、CNBCは一時10%超の上昇と伝えている。
株価上昇の背景には、売上高・営業利益ともにコンセンサスを上回ったことに加え、AWSが18四半期ぶりの高成長率(+37%)を記録したことでAI投資への懸念が後退したことがあるとみられる。決算発表前の3カ月間は株価が軟調に推移していたとの報道もあり、好決算による反発の側面もうかがえる。
10|リスク・注視すべきポイント
⚠️ 決算資料・関連報道から読み取れる留意点
① フリーキャッシュフローは2四半期連続の赤字(TTMで▲76億ドル)で、FY26通期の設備投資見通しも2,000億ドルから2,200億ドルへ上方修正されており、AI投資の規模と回収ペースへの注視が必要
② 純利益・EPSの急増はAnthropic投資に伴う一時的評価益534億ドルによる部分が大きく、この特殊要因が剥落した後の実力値の見極めが必要
③ Q3ガイダンスの売上成長率(+9〜12%)はPrime Day開催時期の前年ズレによって押し下げられており、実態の成長ペースとの乖離に注意
④ AWSの営業利益率は39.4%まで改善しているが、メモリ半導体やGPU等のコスト動向次第では利益率が圧迫される可能性がある
⑤ 決算発表前の3カ月間で株価が軟調だったとの報道もあり、AI投資への市場の評価は依然として振れ幅が大きい
総じて今回の決算は、売上高・営業利益ともにコンセンサスを上回り、AWSが18四半期ぶりの高成長率を記録するなど内容自体は堅調だった。一方で、フリーキャッシュフローの赤字継続と設備投資の一段の積み増しは、AI投資回収に対する市場の評価を左右する材料として次回決算以降も焦点になりそうだ。
出典
- Amazon.com, Inc.「AMAZON.COM ANNOUNCES SECOND QUARTER RESULTS」(決算プレスリリース、2026年7月30日)
- Amazon.com, Inc.「Q2 2026 Financial Results Conference Call Slides」(2026年7月30日)
- CNBC「Amazon (AMZN) Q2 earnings report 2026」(2026年7月30日)
- Yahoo Finance「Amazon shares jump as Q2 earnings beat estimates on Cloud strength」(2026年7月30日)
- The Motley Fool「Is Amazon a Buy After Its Latest Earnings Report?」(2026年7月30日)
- GuruFocus「Amazon (AMZN) Reports Strong Q2 Earnings, Stock Surges Over 9%」(2026年7月30日)
✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年/ぱぶちゃんのファンダメンタルlabを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god
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