【スターバックス(SBUX)決算】Q3非GAAP EPS0.85ドルでコンセンサス+29%の大幅上振れ、通期ガイダンス上方修正——株価は時間外で急伸

2026年7月30日木曜日

企業決算

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【スターバックス(SBUX)決算】Q3非GAAP EPS0.85ドルでコンセンサス+29%の大幅上振れ、通期ガイダンス上方修正——株価は時間外で急伸

【スターバックス(SBUX)決算】Q3非GAAP EPS0.85ドルでコンセンサス+29%の大幅上振れ、通期ガイダンス上方修正——株価は時間外で急伸

2026年7月30日|ぱぶちゃんのファンダメンタルlab

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スターバックスのFY26 Q3決算は、非GAAP EPS $0.85(コンセンサス約0.66ドルを約29%上回る)が市場予想を大幅に上回るサプライズとなった。売上高は92.3億ドル(前年比▲1.4%、中国事業売却の影響)で、コンセンサス比では出典により見解が分かれる。グローバル既存店売上高は+7.9%と4四半期連続のプラス成長を記録し、通期EPSガイダンスを2.25〜2.45ドルから2.55〜2.65ドルへ上方修正した。株価は決算発表後の時間外取引で一時+9%超まで急伸し、52週高値を更新した。

📄 一次資料:10-Q決算プレスリリース

1|スターバックスとはどんな会社か

スターバックス(NASDAQ:SBUX、米ワシントン州シアトル本社)は、世界最大級のコーヒーチェーン。90市場で4万店超のコーヒーハウスを展開し、コーヒー豆・調理済み飲料の焙煎・販売に加え、消費者向けパッケージ製品事業も展開する。事業セグメントは北米(米国・カナダ)、インターナショナル(中国・日本・アジア太平洋・欧州・中東・アフリカ・中南米等)、チャネルデベロップメント(Nestléとの「Global Coffee Alliance」経由の製品販売・ロイヤリティ収入が中心)の3体制。会長兼CEOはBrian Niccol(ブライアン・ニコル)氏、CFOはCathy Smith(キャシー・スミス)氏。「Back to Starbucks」戦略のもと、店舗体験の立て直しと収益性改善に取り組んでいる。

2|主要財務ハイライト(Q3、コンセンサス比)

2026年7月29日(現地時間、市場引け後)、スターバックスは2026年度第3四半期(4〜6月期)決算を発表した。非GAAP EPSが市場予想を大幅に上回る一方、売上高はコンセンサス対比で情報源により評価が分かれる結果となった。

指標 Q3 FY26実績 コンセンサス予想 Q3 FY25実績
売上高 93.23億ドル 91.2億〜94.4億ドル(ソースにより幅あり) 94.56億ドル
売上高YoY ▲1.4%
EPS(GAAP希薄化) $0.91 $0.49
EPS(非GAAP調整後) $0.85 $0.65〜$0.67(ソースにより幅あり) $0.50
純利益(GAAP) 10.45億ドル(+87%) 5.58億ドル
グローバル既存店売上高 +7.9% 約6%前後 ▲2%
非GAAP営業利益率 14.4%(+430bps) 10.1%

📌 コンセンサス対比のポイント

  • 非GAAP EPS:コンセンサス(0.65〜0.67ドル)を約29%上回る大幅サプライズ
  • 売上高:中国事業のデコンソリデーションで予想が割れ、ソースにより「小幅未達」「小幅上振れ」の両論あり(主要コンセンサスであるLSEG/FactSet系では概ね上振れ扱いが多い)
  • 既存店売上高:市場予想(6%前後)を明確に上回り、4四半期連続のプラス成長
  • ガイダンス:非GAAP EPSレンジを$2.25〜$2.45から$2.55〜$2.65へ上方修正

CEOのBrian Niccol氏は「今四半期はモメンタムが真に数値として表れた四半期だった」とコメント。CFOのCathy Smith氏は決算説明会で、関税還付が9ヶ月累計で発生した関税負担をほぼ相殺したと説明している。

3|セグメント別動向

セグメント 売上高 売上YoY 営業利益率
北米 73.95億ドル +6.8% 13.6%(+30bps)
インターナショナル 13.23億ドル ▲34.2% 19.1%(+550bps)
チャネルデベロップメント 5.88億ドル +21.5% 52.1%(+700bps)
コーポレート&その他 0.17億ドル ▲50.4% 営業損失5.88億ドル

北米は既存店+8.1%(客数+4.5%・客単価+3.5%)を背景に増収増益となり、営業利益率もYoYで拡大に転じた。拡大幅自体は+30bpsにとどまり、人件費投資やリストラ費用が販売レバレッジの多くを相殺した形だが、会社はこの利益率のYoY拡大転換を一つの節目と位置づけている。インターナショナルは中国のライセンス化に伴い売上高が大きく減少したが、店舗運営費用の圧縮により営業利益率は大幅に改善。チャネルデベロップメントはGlobal Coffee Allianceの好調と関税還付が寄与し、営業利益率52.1%(+700bps)と高い伸びを記録した。

4|特殊要因

2026年3月30日(Q3中)、Boyu Capitalとの中国事業合弁契約が正式に完了した。Boyu Capitalが中国リテール事業の60%を、現金・無借金ベースの企業価値約40億ドルで取得。スターバックスは合弁会社の債務調達分を含め総額31億ドルの対価を受領し、残り40%(約12億ドル)の持分は持分法で保有を継続、ブランド・知的財産のライセンス供与も継続する。この結果、税引前で5.363億ドルの売却益を計上(非GAAP指標からは除外)。同時に7,991店舗が直営店からライセンス店に転換された。

売却に伴う追加税負担は約1.986億ドルと見積もられ、うち1.478億ドルがQ3に計上済み(残りはQ4計上見込み)。加えて取引関連費用がQ3に4,410万ドル発生している。

リストラ・減損費用はQ3に3.026億ドル(前年0.208億ドルから急増)を計上。主にStarbucks ReserveおよびRoastery店舗の運営複雑性を削減するための資産減損(2.174億ドル)と、支援組織の人員削減費用が中心。また、2026年4月20日開始のIEEPA関税還付申請制度を通じ、対象関税のほぼ全額の還付を受領しており、これが9ヶ月累計で発生した関税負担をおおむね相殺している。

5|四半期トレンド

9ヶ月累計(FY26 Q1〜Q3)の売上高は287.69億ドルで、前年同期(276.15億ドル)から+4.2%増加。純利益は18.496億ドル(前年17.232億ドル)で+7.3%増、希薄化EPSは$1.62(前年$1.51)となった。グローバル既存店売上高は4四半期連続でプラス成長となっており、直近2四半期は営業利益率の拡大も同時に進んでいる。

6|キャッシュフロー・財務体質

項目(9ヶ月累計) 2026年6月末 2025年6月末
営業キャッシュフロー 36.04億ドル 33.66億ドル
投資キャッシュフロー +15.70億ドル ▲20.95億ドル
財務キャッシュフロー ▲49.44億ドル ▲3.65億ドル
配当支払い 21.18億ドル 20.78億ドル
項目(期末残高) 2026年6月末 2025年9月末
現金・現金同等物 34.50億ドル 32.20億ドル
総資産 282.95億ドル 320.20億ドル
長期債務 117.80億ドル 145.76億ドル
株主資本(deficit) ▲76.74億ドル ▲80.97億ドル

9ヶ月累計の投資キャッシュフローは中国事業売却代金25.44億ドルの流入と設備投資の減少(前年比▲9.9億ドル)で大幅なプラスに転じた。財務面では、その資金の一部を用いて5月に約13億ドルの社債をテンダーオファーで買い戻し、長期債務を圧縮。9ヶ月累計で自社株買いは実施しておらず、29.8百万株が現行の自社株買い枠として残存している。配当は$0.62/株を8月28日に支払い予定(8月14日基準日)で、65四半期連続の配当支払い・年平均成長率17%を継続している。

7|通期ガイダンス(上方修正)

指標 新ガイダンス(FY26) 旧ガイダンス
Q4既存店売上高(米国) 6.5%以上
既存店売上高(グローバル、通期) 6.0%近辺 5%以上
既存店売上高(米国、通期) 6.0%をやや上回る 5%以上
連結売上高 横ばい〜微増(YoY)
非GAAP営業利益率 11.0%超
非GAAP EPS $2.55〜$2.65 $2.25〜$2.45
純新規店舗数 600〜650店

会社はQ4の米国既存店売上高を6.5%以上と見込んでおり、これがFY26通期ガイダンスの上方修正の主因となっている。非GAAP EPSガイダンスは$2.25〜$2.45から$2.55〜$2.65へと引き上げられ、市場コンセンサス($2.39〜$2.41程度)を上回る水準となった。なお同ガイダンスは、中国リテール事業がFY26下半期からライセンス契約構造に移行したことを反映している。

8|注目イベント・戦略トピックス

  • 中国事業の合弁契約が3月30日に完了。Boyu Capitalと組み、長期的に中国で最大2万店体制を目指す共同目標を掲げる
  • 中国売却代金の一部を用い、5月に約13億ドルの社債をテンダーオファーで買い戻し、財務体質を強化
  • IEEPA関税還付制度への申請完了、Q3決算に還付分を反映(4月20日申請開始)
  • Starbucks College Achievement Plan(Arizona State University提携、授業料全額補助)で、累計約2万人の従業員が学位取得
  • 7月にGlobal Impact Reportを公表し、コーヒー調達・従業員機会創出・地域貢献・環境分野での取り組み進捗を発表
  • FY26リストラ計画:ナッシュビル支援拠点の開設(Q2発表)に加え、支援組織のさらなる変革とStarbucks Reserve/Roastery店舗の運営簡素化(Q3発表)
  • 店舗数は41,304店(直営33%・ライセンス67%)。米国店舗16,933店で、グローバル店舗の41%を占める
  • 配当$0.62/株を宣言、8月28日支払い予定。65四半期連続の配当支払い、年平均成長率17%

9|株価反応

スターバックス株は決算発表当日(7月29日)の通常取引で$104.14〜104.22で引け、決算発表前とほぼ横ばいで着地した。しかし決算発表後の時間外取引では株価が急伸し、報道により幅はあるものの+5.6%〜+9%程度($110〜112ドル台)まで上昇する場面が見られ、52週高値を更新した。

株価急伸の背景には、非GAAP EPSがコンセンサスを約29%上回る大幅サプライズとなったこと、既存店売上高が市場予想を明確に上回ったこと、そして通期EPSガイダンスの大幅な上方修正($2.25〜$2.45→$2.55〜$2.65)が複合的に作用したとみられる。一方で、増収の勢いに対して北米セグメントの営業利益率拡大は+30bpsにとどまるなど、利益率転換のペースには課題も残る。

10|リスク・注視すべきポイント

⚠️ 決算資料・関連報道から読み取れる留意点

① 中国事業は40%持分の持分法適用となり、今後の業績への直接寄与度が低下する中でBoyu Capital主導の運営成果次第となる
② 増収の勢いに対して利益率転換のペースは緩やか——北米は既存店+8.1%でも営業利益率は+30bpsにとどまり、人件費投資とリストラ費用が販売レバレッジの多くを相殺
③ IEEPA関税還付は一時的要因であり、Q4以降も同水準の押し上げが続くかは不透明
④ リストラ関連費用は今後も残存する見込み(FY25計画・FY26計画合わせて2026年後半〜2027年前半にかけて発生見込み)、Reserve/Roastery店舗の減損も継続的リスク
⑤ 配当性向の高さを指摘する声もあり、配当の持続性については一部アナリストが注視している
⑥ 中国事業のデコンソリデーションにより市場コンセンサスの売上予想が情報源間で大きくばらついており、対コンセンサス評価の解釈には注意が必要

総じて今回の決算は、非GAAP EPSの大幅サプライズと既存店売上高の力強い伸び、通期ガイダンスの上方修正が好感された回となった一方、増収に見合う利益率改善のペースや中国事業の持分法移行に伴う業績寄与度の低下など、次四半期以降も注視すべき論点が残る。次回Q4 FY26決算では、関税還付効果一巡後の利益率トレンドと、上方修正された既存店売上高ガイダンスの達成度合いが焦点になりそうだ。

出典

✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年/ぱぶちゃんのファンダメンタルlabを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god

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