【2026年08月28日・振り返り】日経平均273円高の66,405円と反発~ウォーシュFRB議長がジャクソンホール講演でインフレ抑制姿勢を鮮明に、NYダウは9ドル安とほぼ横ばい~
📅 対象時間帯:2026年8月28日(金)07:00 〜 8月31日(月)07:00 JST(週末をまたぐため土日のニュースも含みます)
📌 30秒で読む結論
28日の東京市場は前日の米国株高を引き継ぎ日経平均は反発、273円高の66,405円で終えたが、ジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演を控え上値は限定的だった。夜のNY市場ではウォーシュ議長がインフレ高止まりへの懸念を表明し利上げの可能性を排除しない姿勢を示したことで、ダウは9ドル安とほぼ横ばい、ナスダックは反落。ドル円は一時160円20銭まで上昇し約1カ月ぶりの高値を付けた。
①日経平均は273円高で反発も、米金融政策イベント控えで上値重い
②ウォーシュ議長講演で9月利上げ観測が急浮上、FedWatchの確率が1週間で逆転
③週末はベッセント財務長官が円買い介入を正当化する書簡を公表
📋 目次
📰 ニュース見出し時系列
🌏 アジアセッション(8/28 07:00〜17:35 JST)
| 時刻 | 地域 | 見出し |
|---|---|---|
| 09:00 | 🇯🇵 | 東京市場が寄り付き。前日の米ハイテク株高(エヌビディア・セールスフォースの好決算)を受け、AI・半導体関連中心に買いが先行し、日経平均は一時700円を超える上昇となった |
| 15:30 | 🇯🇵 | 🔥🔥🔥 東証大引け。日経平均は前日比273円58銭高(+0.41%)の66,405円56銭と反発。TOPIXは29.49pt高(+0.72%)の4,146.71と7営業日続伸した。東証プライムの売買代金は概算で8兆1,223億円、売買高は21億7,795万株だった。値上がり873銘柄・値下がり631銘柄・変わらず49銘柄(※日経の集計。株探集計では867・634・49と若干の差異あり)。NECや富士通、野村総研などのソフトウエア関連株(SaaS)が物色される一方、キオクシアやフジクラ、イビデンが軟調だった。今晩のジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演を控え、買い一巡後は伸び悩んだ |
| 18:08 | 🇭🇰 | 香港ハンセン指数が大引け。前日比19.05ポイント高(+0.07%)の25,584.79と小幅反発した |
| 18:08 | 🇨🇳 | 中国本土市場は4営業日ぶり反落。主要指標の上海総合指数(通常取引の終値ベース)は前日比0.11%安の3,952.18ポイントで取引を終了した |
🌍 ロンドン/欧州セッション(16:00〜翌01:00頃 JST)
| 時刻 | 地域 | 見出し |
|---|---|---|
| 00:30頃(29日) | 🇬🇧🇩🇪🇫🇷 | 欧州株式は総じて堅調に引けた。英FTSE100は+0.29%の10,824.26、独DAXは+0.77%の26,569.99(過去最高値圏)、仏CAC40は+0.98%の8,401.18だった。英10年債利回りは5.063%、独10年債利回りは3.279%にそれぞれ上昇した |
🇺🇸 NYセッション(22:30〜翌07:00頃 JST、以下すべて日本時間)
| 時刻 | 地域 | 見出し |
|---|---|---|
| 深夜(29日) | 🇺🇸 | ジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が就任後初の基調講演を実施(詳細は要人発言セクション参照)。講演を受けて9月の利上げ観測が強まり米長期金利が上昇した |
| 深夜(29日) | 🇺🇸 | ダウ平均は講演を控えたなか一時プラス幅を広げる場面もあったが(高値53,819.65ドル)、終盤にかけてハイテク株を中心に利上げ警戒の売りに押され失速した |
| 深夜(29日) | 🇺🇸 | PayPal株が前日比12.71%安の53.66ドルに急落。決済処理大手ストライプと未公開株投資会社アドベント・インターナショナルによる530億ドル(約8兆4,800億円)規模の買収提案が撤回されたとブルームバーグが報道した |
| 05:00頃(29日) | 🇺🇸 | 🔥🔥🔥 NY引け。ダウ工業株30種平均は前日比9.45ドル安(-0.02%)の53,559.99ドルとほぼ横ばい。S&P500は0.25%安、ナスダック総合は138.92ポイント安の26,402.43で取引を終えた。セクター別では小売が上昇した一方、半導体・同製造装置が下落した。週間では主要3指数がまちまちとなった |
🗓️ 週末(8/29〜8/30 JST)
| 日付 | 地域 | 見出し |
|---|---|---|
| 8/29 | 🇺🇸 | ベッセント財務長官が27日付で、ウォーレン米上院議員(民主党)宛ての書簡を作成し、28日(米国時間)/29日(日本時間)にX(旧ツイッター)で公表。7月末に実施した日米協調の円買い介入について、為替安定化基金(ESF)の既存外貨資産を円に交換したと説明した(詳細は要人発言セクション参照) |
🎙️ 要人発言|8月28日〜31日7:00(時間はJST)
| 日時 / 発言者 | 発言内容 |
|---|---|
| 8/28 片山財務相 | 「日本経済の国際競争力を強化すれば、円の信認は向上する」「為替相場の決定要因は一概のものではない」 |
| 8/28 カザークス・ラトビア中銀総裁 | 「インフレを根付かせてはならない」 |
| 8/28深夜 ハマック米クリーブランド連銀総裁 | 「利上げに着手すべき時であり、先送りは痛みを招く」「インフレ率は年末まで3%近辺で推移する見通し」「金融環境が景気抑制的になっているとは見ていない」「FRBの信認はデュアル・マンデート(二大責務)の達成にかかっている」 |
| 8/28深夜 ウォーシュ米FRB議長 (ジャクソンホール講演) | 就任後初のジャクソンホール講演。コアPCE物価指数が7月に前年比3.3%上昇し市場予想(3.2%)を上回ったと指摘した上で「予想より良好だったが、物価の基調が意味のある形で改善したとは私には読み取れない」と発言。より「静かな」FRBを志向する考えを示し「市場参加者が次の売買のよりどころを、もっぱらFRBに求めるような体制を我々は容認すべきではない」と主張。金融政策判断の基準については「基調的なインフレが目標へ向かって明確に、かつ十分な速さで動いていると確信できなければならない」「そうでなければ、我々にはやるべき仕事が残っている」と述べた |
| 8/29 ドレンツ・スロベニア中銀総裁 | 「インフレ情勢は自然に解決するものではない」「二次的影響の現れを待つべきではない」「9月の利上げを裏付ける根拠はある」 |
| 8/29 グールズビー米シカゴ連銀総裁 | 「現在、インフレがFRBの主要な課題であるというウォーシュ議長の見解に同意」「インフレは予想よりも長く続いている」「FOMCの開催回数については、特に強い意見は持っていない」 |
| 8/27付書簡 (8/28米国時間/8/29日本時間公表) ベッセント米財務長官 | 「日本は米国債の主要な保有国だ」「円相場が無秩序な動きとなれば、ポジションの強制的な巻き戻しを引き起こす。そうなれば世界の市場を不安定化させ、最終的には米国の家計や企業の借り入れコストを押し上げる可能性がある」と7月末の円買い介入を正当化 |
要人発言の読み解き:週の前半は「金融政策は中立的〜緩和的」とするFed高官のトーンが目立ったが、28日深夜のウォーシュ議長のジャクソンホール講演を境に潮目が変わった。議長はインフレ指標が「意味のある形で改善したとは読み取れない」と明言し、9月FOMCでの利上げを排除しない姿勢を示唆。週末にかけてグールズビー・シカゴ連銀総裁やドレンツ・スロベニア中銀総裁からも追認する発言が相次ぎ、市場の金利観は一気にタカ派方向へ傾いた。一方でベッセント財務長官は円買い介入を正当化する書簡を公表しており、過度な円安・米金利上昇の連鎖には引き続き神経を尖らせている。
📊 経済指標|8月28日(金)発表分
| 時刻(JST) | 国 | 指標 | 結果 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 08:30 | 🇯🇵 | 東京都区部消費者物価指数・生鮮食品除くコア(8月、前年比) | +1.8% | +1.7% | +1.9% |
| 08:30 | 🇯🇵 | 完全失業率(7月、季節調整値) | 2.4% | 2.5% | 2.5% |
| 08:30 | 🇯🇵 | 有効求人倍率(7月、季節調整値) | 1.18倍 | 1.19倍 | 1.18倍 |
| 16:55 | 🇩🇪 | 輸入物価指数(7月、前年比) | +6.8% | - | +6.1% |
| 16:55 | 🇩🇪 | 雇用統計・失業率(8月) | 6.4% | 6.4% | 6.4% |
| 18:00 | 🇪🇺 | 景況感・消費者信頼感確報値(8月) | -15.5 | -15.5 | -15.9 |
| 21:30 | 🇨🇦 | 実質GDP(4-6月期、前期比年率) | +3.3% | - | +0.3%(改定) |
| 22:45 | 🇺🇸 | シカゴ購買部協会景気指数(8月) | 47.1 | 57.9 | 57.6 |
| 23:00 | 🇺🇸 | ミシガン大学消費者信頼感確報値(8月) | 51.7 | 51.0 | 51.0(速報) |
※予想・前回値はみんかぶFX/為替「経済指標カレンダー」等に準拠
指標読み解き:東京都区部の8月コアCPIは前年比+1.8%と市場予想(+1.7%)を上回ったものの、7月実績(+1.9%)からは伸びが鈍化し、政府の電気・ガス代補助やコメ価格の下落を背景に7カ月連続の2%割れとなった。雇用関連指標は完全失業率が2.4%と1年ぶりの低水準に改善し、半導体関連需要を背景とした製造業の求人増が支えとなった。海外ではカナダの4-6月期GDPが前期比年率+3.3%と、カナダ銀行が示していた約2.5%の見通しを大きく上回る強い結果となった一方、米シカゴPMIは47.1と予想(57.9)を大幅に下回り急速な悪化を示した。ミシガン大学消費者信頼感確報値は速報から上方修正されるなど、米指標はまだら模様だった。
🎯 FedWatch(次回9月16日FOMC向け)
| ターゲットレンジ | 確率(現在) | 1日前 | 1週間前 | 1ヶ月前 |
|---|---|---|---|---|
| 350-375bp (現状維持) | 43.1% | 43.0% | 60.1% | 36.6% |
| 375-400bp (利上げ) | 56.9% | 57.0% | 39.9% | 63.4% |
CME FedWatchツール / 対象:9月16日FOMC(Data as of 2026年8月30日05:09:36 CT)
FedWatch読み解き:1週間前は現状維持確率が60.1%と優勢だったが、ウォーシュ議長のジャクソンホール講演を境に潮目が逆転。直近では利上げ確率が56.9%と過半数を上回り、現状維持確率(43.1%)を上回る展開となった。1カ月前の水準(利上げ確率63.4%)と比べればまだ低いものの、この1週間での変化幅は大きく、9月FOMCに向けて金利先高観が急速に強まっている。
💼 企業決算・関連ニュース|8月28日〜31日
PayPalホールディングス(PYPL)
Nasdaq・決済サービス|M&A関連ニュース(決算ではない)|8/28
★買収提案が撤回・株価急落
株価
53.66ドル
前日比-12.71%(一時-16%)
買収提案額
530億ドル
約8兆4,800億円、1株60.50ドル
Mizuho目標株価
60→51ドル
引き下げ
Loop Capital目標株価
62→50ドル
引き下げ
決済処理大手ストライプと未公開株投資会社アドベント・インターナショナルによる買収提案が撤回されたとブルームバーグが報道し、株価が急落した。7月中旬の買収報道以降、PayPal株は30%近く値上がりしていたが、その上昇分の相当部分が失われた形。買収観測が薄れたことで、市場の焦点はエンリケ・ロレスCEOが進める単独での事業再建に移っている。
国内小型株(8/28発表)
キタック(4707・3Q):経常利益174百万円(前期比-7.45%)/アイダエンジニアリング(6118・1Q):経常利益801百万円(前期比-42.54%)。いずれも小型株のため簡易メモにとどめる。
海外小型株(8/28発表予定)
ドーモ(DOMO・2Q)、マラソン・オイル(MRO・2Q):小型株かつ確定数値の確認が取れなかったため、詳細は割愛する。
📅 8月31日月曜日の主な予定
米ノースカロライナ州アッシュビルでG20財務相・中央銀行総裁会議が開幕(〜9月1日)。植田日銀総裁が出席予定で、ベッセント財務長官との会談があるかに注目が集まる。国内では7月鉱工業生産、7月商業動態統計、7月建機出荷、7月住宅着工件数が発表される。海外では中国の8月製造業・非製造業PMIが公表される。
📚 主な出典
▼一次ソース(公的機関・企業公式発表)
- 総務省統計局「消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)8月分(中旬速報値)」(2026年8月28日公表)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)について」(2026年8月28日)
- 連邦準備制度理事会「Warsh Jackson Hole Speech」(2026年8月28日)
▼報道・二次メディア
- Forbes JAPAN「FRB議長ケビン・ウォーシュ、インフレなお高すぎると懸念──ジャクソンホール初講演」(2026年8月29日)
- Forbes JAPAN「PayPal株が12.71%安、8.48兆円規模の買収提案が白紙に」(2026年8月29日)
- 日本経済新聞「日経平均273円高、SaaS株復権が支え」(2026年8月28日)
- 日本経済新聞「NYダウ小幅反落、9ドル安 米早期利上げ観測が重荷」(2026年8月29日)
- 日本経済新聞「NY円相場、下落 1ドル=159円90銭〜160円00銭」(2026年8月29日)
- 日本経済新聞「7月の有効求人倍率1.18倍、前月と横ばい 完全失業率は2.4%」(2026年8月28日)
- Investing.com「カナダ経済、第2四半期に力強く回復―カナダ銀行の予測を上回る」(2026年8月28日)
- 財経新聞「28日の香港市場概況:ハンセン指数は小反発、慎重な値動き」(2026年8月28日)
- みんかぶFX/為替「欧州株式28日終値 総じて堅調」(2026年8月29日)
- 時事通信「米財務長官、『無秩序な円相場』はリスク 金利上昇警戒」(2026年8月29日)
- Bloomberg「日銀、植田総裁がジャクソンホール会議欠席-田村審議委員が出席予定」(2026年8月26日)
- みんかぶFX/為替「経済指標カレンダー」2026年8月28日〜9月3日分/CME Group「FedWatchツール」(Data as of 2026年8月30日05:09 CT)(予想・前回値・FedWatch確率の一次確認に使用)
✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年|ファンダメンタルを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。たまにチャート分析もします。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god
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