【3/18 FOMC】利下げ消滅へ|ドット修正で“年内ゼロカット”が現実に

2026年3月17日火曜日

FOMC アメリカ経済指標 ファンダメンタル分析 金利 政策金利

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⏱ 30秒で読む結論

今回のFOMCは"利下げ後退"がテーマだ。ホルムズ危機が原油高を通じてインフレ上振れリスクを拡大し、Fedが動けない構造が固まりつつある。この構図が続く限りゴールドの上値は重く、反転には「停戦」か「景気悪化への言及」という強い材料が必要になる。


  • 政策金利は据え置き(3.50〜3.75%)が中心シナリオ、CME FedWatchは99.1%が折り込み済み
  • ドットプロットは利下げ回数の減少方向への修正が有力で、「年内ゼロカット」の中央値も市場の焦点
  • ゴールドへの影響は「原油高→Fed利下げ不可」の新方程式が継続。反転トリガーは停戦か景気悪化への踏み込み

📅 今回のFOMC:日程・概要

会合日程
3/17〜18
2日間(現地時間)
声明発表
3/18 14:00
ET(日本 3/19 3:00)
パウエル会見
3/18 14:30
ET(日本 3/19 3:30)
現行政策金利
3.50〜3.75%
2025年12月以降据え置き

事実今回は年4回しかないSEP会合であり、政策金利の発表に加え、経済見通し(SEP)の更新とドットプロットが同時公表される。単なる金利据え置きの確認にとどまらず、「今後のFedがどの方向を向いているか」が市場の焦点となるタイミングだ。

📊 市場コンセンサス:据え置き99.1%

事実CME FedWatchによると、3月18日の据え置き確率は99.1%。市場参加者はすでに"完全据え置き"を織り込んでおり、金利変更そのものにサプライズ余地はほぼ存在しない。注目すべきは「金利を動かすかどうか」ではなく、「いつ動かせる状況になるか」という先行きの見通しだ。

事実1月会合ではミラン理事とウォーラー理事が25bp利下げを求めて反対票を投じた。今回も同様の鳩派ディセントが見込まれるが、これは少数意見に過ぎず据え置き決定を覆す材料にはならない。ただし反対票の人数は「委員会内での利下げ圧力の強さ」を測るシグナルとして位置づけられる。

🎯 最大の注目点①:ドットプロット修正

見解12月時点の中央値は3.375%(年内25bp利下げ1回を示唆)だったが、3名のメンバーがドットを引き上げるだけで中央値が50bp上昇し「年内ゼロカット」シナリオが中心値となる。ホルムズ危機による構造的な原油高がインフレ上振れリスクを高めている現状では、鷹派方向への修正が有力なシナリオだ。

リスクパウエルは過去にも「ドットを過度に重視しないよう」と繰り返してきた。今回も重要性を矮小化する発言が予想されるが、市場参加者は"ドットの変化"に過敏に反応するため、わずかな修正でも金利・ドルが大きく動く可能性がある点は認識しておきたい。

🎤 最大の注目点②:パウエル「最後から2回目」の会見

事実パウエル議長の任期は2026年5月15日に満了する。後任にはケビン・ウォーシュ元理事が有力視されており(タカ派寄り)、今回はパウエルが自身のメッセージを発信できる最後から2回目の機会として位置づけられる。

市場の焦点となるキーワードはこの3つだ。「インフレを見通す(look through)」── 原油高を一時的なショックとして静観するか、警戒姿勢を示すか。「辛抱強く待つ(patient)」── 利下げを急がない定番フレーズで、現状維持の意思を示す。「景気悪化リスクへの言及」── これが飛び出した場合のみ、利下げ期待が復活するゴールドの反発トリガーとなる。

🌏 背景:ホルムズ危機×関税ダブルショック

事実今回のFedが直面している最大の課題は、「ホルムズ海峡閉鎖による原油高」と「トランプ政権の15%グローバル関税」という二つのインフレ圧力だ。RBCエコノミクスは、原油価格が75〜100ドルレンジで長期化した場合、米インフレ率が3%台に定着するリスクがあると試算している。コアPCEはすでに3.1%(2026年1月確定値)と目標の2%を大きく上回っており、2月雇用(−92K、ストライキ影響を含む)も底打ちを確認できていない。

見解Conference Boardは2026年の利下げを計50bp(2回)と予想しつつも「タイミングは不確か」と位置づけており、エネルギーショックの長期化次第では年内ゼロカットのリスクが現実味を帯びる。スタグフレーション的な環境の中で、Fedは「利下げで景気を支えたいが、インフレが許さない」という政策的な板挟みに置かれている。

🥇 で、ゴールドどうなんだ

📖 前提知識
ホルムズ危機は「産油地帯の戦争」であるため、「有事の金買い」神話は機能しない。原油高→インフレ→Fed利下げ不可→ゴールド下落という「新方程式」が現在も働いている。詳細は→「有事の金買い」はもう通用しない?戦争でゴールドが下がるメカニズム

ゴールドの方向性は、①米実質金利、②原油(インフレ圧力)、③パウエル発言(景気悪化の有無)の3つで決まる。この前提でFOMC後のシナリオを整理する。

シナリオA(鷹派):ドット「年内ゼロカット」修正+インフレ懸念強調
リスク米実質金利の上昇とドル高圧力が重なり、ゴールドは下落先行が中心シナリオ。現在の下落トレンドが継続・加速する展開として位置づけられる。

シナリオB(中立):据え置き+現状維持トーン(コンセンサス通り)
見解市場へのインパクトは限定的。ただし「原油高→インフレ上振れ→利下げ後退」という構造は変わらず、ゴールドは戻り売りが入りやすい地合いが続く。

シナリオC(鳩派):景気悪化懸念への踏み込み
見解パウエルが「雇用市場の軟化を強く懸念する」と明言した場合のみ、利下げ期待の復活でゴールドに上昇バイアスが生じる。発生確率は低いが、市場が最も注目すべき発言として位置づけられる。

📝 FOMC通過に向けた戦略メモ

🔑 Bull / Bear / Trigger
ブル
パウエルが景気悪化リスクに踏み込んで言及した場合のみ有効。Fed利下げ期待が復活し、「原油高→インフレ→金利上昇」という下落方程式が崩れる。このシナリオでは短期的な押し目買いが機能しやすい局面となる
ベア
ドットが「年内ゼロカット」へ修正+「インフレを注視」の強いトーンが確認された場合、利下げ後退でゴールドは戻り売りが入りやすい地合いが続く。中心シナリオとして位置づけられる
注目
声明文の「インフレリスク」記述の変化。2022年ロシア侵攻後に用いた「重大な地政学リスク」類似表現が採用されるかどうかが、FedのスタンスをはかるうえでのKPIとなる
注目
Q&A「利上げの可能性は?」への回答。明確に否定すれば市場の安心感につながり、曖昧な回答はゴールドへの追加の上値圧力として機能する

事実出所:FRB公式カレンダー(federalreserve.gov)、CME FedWatch、RBC Economics(2026年3月)、Pepperstone Analysis(2026年3月)、Conference Board(2026年3月)、第一生命経済研究所(2026年3月)

パブロ監督(ぱぶちゃん)
元海貨業者。XAUUSD専業トレーダー歴6年。マクロ経済・地政学の視点からゴールド市場を分析。
ブログ:ぱぶちゃんの金・ゴールドFXマクロ X:@pablo29god

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このブログについて
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ぱぶちゃん|投資歴6年
ゴールド・マクロ・FXを事実ベースで解説するブログを運営中。
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