【ゴールド-4.39%急落】世界株安拡大|ホルムズリスク継続【3/3 NY】

2026年3月4日水曜日

金融市場振り返り

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【ホルムズリスク継続】ゴールド-4.39%急落・世界株安拡大【3/3 NYクローズ】|ぱぶちゃんの金・ゴールドFXマクロ

2026年3月4日(水)掲載|対象期間:2026年3月3日(日本時間 8:00)〜 3月4日(7:00)

📊 本稿は3/3 NYクローズ確定値を基に整理しています。

⚠️【ホルムズリスク継続】ゴールド-4.39%急落・世界株安拡大【3/3 NYクローズ】

グローバル金融市場 振り返りレポート

#中東緊迫 #ホルムズリスク #ゴールド急落 #XAUUSD #世界株安 #リスクオフ #VIX急騰 #原油高

⚡ 【今日の結論:30秒で読む】

🌏 世界株:イラン戦争2日目。「地政学ショックの初動買い」が剥落し、リスクオフが本格化。日経225-3.06%・KOSPI-7.24%・DAX-3.44%・CAC-3.46%と全面安。米国株もNYダウ-0.83%・NASDAQ100-1.09%・S&P500-0.95%と前日の「奇跡的な下げ渋り」から一転して下落。VIXは+9.94%(23.57)まで急騰し、市場心理の悪化が加速した。

💱 為替・金利:ドル高継続。DXY+0.69%(99.06)と前日に続き強含み。ドル円は157.67円(+0.20)とほぼ横ばい。US10Y は4.063%(+0.012)とわずかに上昇し「4%台」を維持。JGB10Yは2.148%(+0.077)と大幅上昇——日本国債が売られる異例の動き。

🥇 ゴールド:始値5,346.05→高値5,380.08→安値4,996.15→終値5,088.65ドル(-4.39%)。一時は5,000ドルの大台を割り込む衝撃の急落。WTI原油は+5.01%(74.80ドル)と続騰。「有事の金」が「ドル高・インフレ→利下げ後退」の圧力に完全に押し負けた一日。

🚀 3行サマリー(忙しい人はここだけ)

  • イラン戦争2日目、地政学的な「初動プレミアム」の剥落が始まり、世界株は前日の米国の下げ渋りを修正するように全面安へ。特にKOSPIが-7.24%という異常値を記録——半導体輸出依存・中東リスクへの感応度の高さが重なり、アジア株の中で最大の下落率となった
  • WTI原油は引き続き+5.01%(74.80ドル)と急騰継続。ホルムズ海峡の通航リスクが現実のサプライチェーン問題として意識され始め、エネルギー市場の緊迫は一段と高まった。JGB10Yも+3.72%(2.148%)と大幅上昇し、日本国債市場にも波紋が広がった
  • ゴールドは高値5,380.08から安値4,996.15まで383ドル超の崩落を演じ、終値は5,088.65ドル(-4.39%/-233.47ドル)。ATH(1/29高値 5,595.46ドル)からは506ドル下の水準。シルバーも-8.17%と連鎖急落し、コモディティ全般でゴールド・シルバーだけが逆行安という「有事の法則の崩壊」が鮮明となった

🥇 【XAUUSD視点】今日のゴールドを一言で

「高値更新の失敗→5,000ドル割れ→辛うじて5,000台回復」という3幕構成の崩落劇。朝方は前日終値(5,322.12ドル)から+23ドルギャップアップの5,346.05ドルで開始し、高値5,380.08まで上伸したが、ATH(1/29の5,595.46ドル)には遠く及ばず上値が重い展開に。NY時間に入りドル高・金利上昇・利確売りが重なり、一時4,996.15ドルと5,000ドルの大台を割り込んだ。この水準では押し目買いが入り5,088.65ドルで終値——終値ベースで前日比-233.47ドル(-4.39%)と今年最大級の下落幅を記録。日中レンジは383ドル超に達した。


📝 前書き

3月3日(火)の市場を一言で表すなら「地政学プレミアムの初動剥落と、リスクオフの本格化」だ。前日(3/2・月)は米・イスラエルによるイラン空爆(Operation Epic Fury)という歴史的事件に対し、米国株が「+0.04%」という奇跡的な下げ渋りを演じた。しかし2日目のこの日、市場は現実を直視し始めた。

「戦争は長期には株を押し下げない」という経験則は昨日機能したが、「戦争がインフレを長期化させる」という現実は今日から機能し始めた。WTI原油は2日連続で急騰し74.80ドルへ。ホルムズ海峡を経由する原油輸送の停滞は「一時的なテールリスク」から「現実のサプライチェーン問題」へと性質が変わりつつある。

こうした環境の中でゴールドが-4.39%という今年最大級の下落を記録したことは、一見矛盾に思える。しかし理由は明快だ——「有事の金」需要は初日(3/2)に5,419ドルまでの急騰として既に織り込まれた。2日目の市場は「戦争が長引くほどインフレが長続きし、FRBの利下げは遠のく」というロジックに切り替えた。ドル高・金利上昇というゴールドの逆風が、地政学プレミアムを上回ったのがこの日の本質だ。


📌 主要ニュース(3点ピックアップ)

① ホルムズ海峡リスク、「テール」から「現実」へ——商業船舶の迂回路線が常態化

3月3日時点で、ホルムズ海峡を経由する商業原油輸送の混乱は拡大している。複数の石油メジャーが同ルートの利用を一時停止した状態が続き、代替ルート(喜望峰経由)への切り替えが進んでいる。喜望峰経由は輸送日数が約3週間増加し、コスト増加は1隻あたり100〜150万ドル規模に達するとされる。

イランの後継指導部は公式声明でホルムズ海峡の「封鎖の権利」を主張し続けている。米海軍第5艦隊はバーレーンから哨戒艦を増派し、護送船団方式での航路確保を開始。ただし現状は「完全封鎖」ではなく「部分的通航制限と高リスク化」の段階にとどまっている。

💡 ゴールドの観点からの読み解き:ホルムズリスクはゴールドにとって「インフレヘッジ需要の維持」という形で中長期的な買い材料であり続ける。しかし短期では「原油高→インフレ→利下げ後退→ドル高・金利上昇→ゴールド売り」という連鎖が支配的な局面に入った。「有事の金」が機能するのは地政学リスクが「不確実な初日」であることが多く、2日目以降は「インフレvs安全資産」の綱引きに移行することを今日の相場が示している。

② KOSPI -7.24%の衝撃——韓国市場がアジアの最大の下落率を記録

この日最も目を引いたのはKOSPIの-7.24%(5,791.91)という異常な下落だ。前日の-1.00%からの急拡大であり、アジア主要株式市場の中で突出した下落率となった。背景は複合的だ。韓国は原油輸入の約70%を中東に依存しており、ホルムズリスクが直撃する国の一つ。加えて韓国の主力輸出産業である半導体(サムスン電子・SKハイニックス)は中東地政学リスクとは直接関係がないが、グローバルリスクオフ局面では外国人投資家の資金流出先として最初に売られる傾向がある。

ウォン安も重なり、韓国の輸入コスト(エネルギー・食料)の急上昇懸念が韓国銀行の政策運営を複雑にした。韓国当局は市場安定化のためのモニタリング強化を発表したが、具体的な介入には至っていない。

💡 「KOSPI急落」が示す地政学の波及経路:KOSPI-7.24%は「地政学リスクは当該地域だけでなく、エネルギー依存度と資本移動の両経路でグローバルに波及する」ことを示す典型例だ。日本(-3.06%)・欧州(DAX-3.44%、CAC-3.46%)も同様の構造だが、韓国はエネルギー依存・輸出依存・外国人保有比率の三重苦が重なり、最大の下落幅となった。

③ トランプ政権、イラン作戦「継続方針」を改めて強調——外交的解決には至らず

トランプ大統領は3月3日も作戦継続を強調する声明を発表。「イランが核・ミサイル能力を完全放棄するまで作戦は続く」との立場を維持した。一方、EU・フランス・ドイツ・英国は停戦仲介に向けた外交チャンネルの構築を試みているが、現時点で具体的な交渉テーブルは設置されていない。

イランでは後継指導体制をめぐる内部対立が報じられており、「誰が対話を決断できるのか」という権力の空白問題が交渉障壁となっている。中国・ロシアは引き続き米国を批判しているが、直接的な軍事介入には至っていない。国連安保理での決議も拒否権行使により機能不全が続いている。

💡 「長期化シナリオ」がゴールドにとって意味すること:外交的解決が遠のくほど「地政学プレミアム+インフレヘッジ」の二重買い材料は維持される。ただし今日示されたように、「利下げ後退観測によるドル高・金利上昇」という逆風も同時に強化される。ゴールドが5,000ドルを実体で維持できるかが、長期的な強気トレンドの継続性を判断する最初のテストだ。
▶ このセクションの結論:「地政学リスクは"初動の不確実性"から"長期インフレ化"局面へ移行しており、ゴールドへの影響が買いから売りに変化しつつある」

📅 3/3(日本時間)に発表された主要経済指標

発表日時(日本時間) 国・指標名 前回 予想 結果 評価
3/3 夜間 🇺🇸 市場環境(指標なし) この日の主役は指標ではなく地政学・市場心理

3月3日(火・日本時間)は米国の主要経済指標の発表がない「指標空白日」だった。翌3月4日(水)にADP雇用統計・ISMサービス業PMI・FRBベージュブックが控えており、この日の市場はイラン情勢の進展と前日のISM価格指数70.5%というインフレシグナルの消化に専念した。

指標がない分、値動きはニュースフローと需給の綱引きで決まる「ピュアな市場心理の日」となった。その結果が世界全面安・VIX急騰・ゴールド急落という形で現れた。

💡 今週の経済指標カレンダー(今後の注目):3月4日(水)にADP雇用統計(2月)・ISMサービスPMI(2月)・FRBベージュブック、3月5日(木)に新規失業保険申請件数、3月6日(金)に最重要の非農業部門雇用者数(NFP)が発表予定。戦争下でのインフレ・雇用指標がどう出るかが、FRBの政策経路を左右する今月最大の焦点だ。
▶ このセクションの結論:「本日は主要指標なし。市場は前日のISM価格指数70.5%とイラン情勢の消化に集中し、3/6 NFPへ向けた地ならしの一日となった」

📈 株式市場

※終値は3/3 NYクローズ確定値(日本・アジア株は3/3現地終値)。騰落はすべて前日比。

① 日本・アジア株

指数終値前日比騰落率
日経22556,279.05-1,778.19-3.06%
TOPIX3,772.17-126.25-3.24%
ハンセン指数(香港)25,768.08-291.77-1.12%
上海総合指数4,122.68-59.91-1.43%
KOSPI(韓国)5,791.91-452.22-7.24%

日経225は-1,778.19円(-3.06%)と今年最大級の下落幅を記録した。前日の56,857円台からの急落で、56,000円台前半での引けとなった。TOPIXも-3.24%と日経を上回る下落率で、前日まで底堅かった内需・金融株にも売りが波及した形だ。

最大の衝撃はKOSPIの-7.24%(-452.22pt)だ。これはアジア株の中でも突出した下落幅であり、韓国市場固有の3つの脆弱性——①中東産エネルギー依存度の高さ(約70%)、②グローバルリスクオフ時の外国人投資家の資金流出先になりやすいEM(新興国)市場の性格、③半導体輸出依存による景気鈍化懸念——が一度に噴き出した格好だ。サーキットブレーカーの発動も一時的に議論されたが実施には至らなかった。

上海総合指数は-1.43%と前日の逆行高(+0.47%)から転落したが、他市場と比較すると下落は限定的だ。中国政府の市場介入観測と内需重視政策への期待が下値を支えている可能性がある。

▶ このセクションの結論:「アジア株は全面安。特にKOSPI-7.24%はエネルギー・外資・半導体の三重苦を体現した異常値。日経も-3.06%と地政学ショック第2波を受けた」

② 欧州・米国株

指数終値前日比騰落率
FTSE 100(英国)10,484.13-295.98-2.75%
DAX 30(ドイツ)23,790.65-847.35-3.44%
CAC 40(フランス)8,103.84-290.48-3.46%
NYダウ48,501.27-403.51-0.83%
NASDAQ 10024,720.08-272.52-1.09%
S&P 5006,816.63-64.99-0.95%

欧州株は2日連続の大幅安となった。DAX-3.44%(-847.35pt)・CAC-3.46%(-290.48pt)と前日(DAX-2.42%・CAC-2.17%)からさらに下落幅が拡大。前日に「地政学ショックの一時的な影響」として押し目買いが入った部分が完全に剥落し、「構造的なエネルギーコスト高→スタグフレーション懸念」への見方にシフトした。

米国株は前日の「底堅さ」から一転してすべてのインデックスが下落。NYダウ-0.83%・NASDAQ100-1.09%・S&P500-0.95%と、前日まで米株を支えた防衛株・エネルギー株の上昇が一服し、全体をかさ上げする力が薄れた。特にNASDAQ100の-1.09%は、テック大手への「戦争無縁論」的な買いが一日で修正されたことを示している。

💡 「S&P500の2日間トータル」で見ると:3/2が+0.04%、3/3が-0.95%で、2日合計は-0.91%。地政学ショックのインパクトを2日間で消化したことになるが、VIX23.57という高い恐怖水準が示すように、市場の不安は「消化」ではなく「蓄積」の方向に進んでいることに注意が必要だ。
▶ このセクションの結論:「欧州・米国株ともに全面安。前日の底堅さが「例外」だったと確認する一日。欧州3%超の下落が継続しており、エネルギーリスクの構造的な深刻さが浮き彫りになっている」

💱 為替

通貨ペア終値前日比方向感
ドル円(USD/JPY)157.67+0.20↑ ドル高継続(わずか)
ユーロドル(EUR/USD)1.1612-0.0078↓ ユーロ安継続(-0.67%)
ドルインデックス(DXY)99.06+0.68↑ ドル高加速(+0.69%)。99台回復

DXY(ドルインデックス)は99.06と+0.69%の上昇で「99」という節目を奪回した。前日の98.38からさらに強含み、今年1月以来の高水準圏に接近しつつある。「有事のドル買い」が継続しており、特に欧州通貨(ユーロ・ポンド)に対してドルが全面高の展開だ。

ドル円は157.67円と前日比+0.20円とわずかな動き。ドル全面高でありながらドル円の上昇が限定的な点は、「円も安全資産として一定の需要がある」ことを示すが、日本の原油輸入コスト急上昇懸念が円売りを招いている側面もあり、綱引き状態が続いている。

ユーロドルは1.1612と-0.0078(-0.67%)の続落。前日(1.1690)からさらに下落し、先週2月後半に形成していた「1.17台」の支持水準を完全に割り込んだ。欧州のエネルギー問題に加え、ECBの利下げ期待が「ホルムズリスク=インフレ継続」観測で後退していることもユーロ売りを加速している。

▶ このセクションの結論:「DXY99台回復と有事のドル一強が継続。ユーロは1.1612まで下落し欧州エネルギーリスクを織り込む動き。ドル円は157台後半で膠着」

📊 金利・債券

指標水準前日比方向感
JGB10Y(日本10年債)2.148%+0.077%(+3.72%)↑ 大幅上昇。日本国債が売られる異例の動き
US10Y(米10年債)4.063%+0.012%(+0.30%)↑ わずかに上昇。4%台を維持

US10Yは4.063%(+0.012%)とわずかな上昇にとどまり、前日に「4%の壁」を超えてから水準を維持している。リスクオフ局面では通常「安全資産への逃避→米国債買い→金利低下」が起きるが、今回は「インフレ再燃→FRBの利下げ後退→金利高止まり」という力がリスクオフを相殺している。米国債が「安全資産」と「インフレ不安」の板挟みにある状況だ。

注目すべきはJGB10Yの+0.077%(+3.72%)という大幅上昇だ。前日の2.065%から2.148%へと急上昇し、日本国債が売られる珍しい局面となった。理由は複合的で、①ホルムズリスク長期化に伴う日本のインフレ上振れ観測、②3月18〜19日の日銀会合に向けた「追加利上げ観測の再浮上」、③世界的な金利上昇トレンドへの連動、が重なっている。

💡 「JGB10Y急上昇」の意味:JGB10Yが2.15%水準に近づくことは、日銀の利上げ観測が再び高まっていることを示す。ホルムズリスクによる原油高が日本の輸入インフレを加速させ、日銀が想定より早期の追加利上げを迫られる可能性がある。これはゴールドにとって「円安進行の抑制→ゴールドの円建て上昇幅の縮小」というファクターになりうる。3月18〜19日の日銀会合での植田総裁の発言が要注目だ。
▶ このセクションの結論:「US10Yは4%台を維持。JGB10Yが+3.72%と急騰し、日本国債市場にもホルムズ・インフレリスクが波及。日銀の政策判断がより複雑化している」

🪙 コモディティ

品目終値前日比騰落率
WTI原油先物$74.80/バレル+$3.57+5.01%
ゴールドスポット(XAU/USD)$5,088.65/oz-$233.47-4.39%
シルバースポット(XAG/USD)$82.0565/oz-$7.302-8.17%

🔥 WTI原油(+5.01% / $74.80)

WTI原油は前日の+5.98%(71.03ドル)に続き、さらに+5.01%(74.80ドル)と2日連続の急騰。2日間合計で約+11%という急上昇は、ホルムズ海峡リスクが現実のサプライチェーン問題として価格に織り込まれている証左だ。74.80ドルは昨年8月以来の高値水準に達しており、市場では「WTI80ドル到達」シナリオを意識する声も出始めている。

ただし「完全なホルムズ封鎖」はまだ実現しておらず、現状はリスクプレミアムの急速な積み増し段階にある。封鎖が現実化すれば100ドル超も視野に入るが、外交的緊張緩和(イランとの停戦合意等)となれば急反落も十分あり得る。

🥇 ゴールド(XAU/USD)深掘り

水準(ドル)意味
5,595.46ATH(史上最高値):1/29高値
5,419.323/2高値(直近最高値)
5,380.083/3高値(本日の上値の限界)
5,346.053/3始値(前日比+23ドルのギャップアップ)
5,088.653/3終値(前日比-233.47 / -4.39%)
5,000.00大台・心理的サポート
4,996.153/3安値(5,000ドルを一時割り込む)
4,881.57〜次の下値ターゲット候補(テクニカル)

本日のゴールドは「高値5,380.08から安値4,996.15まで383ドル超の崩落」という今年最大級の乱高下となった。前日の崩落(5,419→5,261の158ドル安)を上回る規模だ。

【日中の動き:3幕構成の崩落劇】 ①東京時間:前日終値(5,322.12ドル)から+23ドルのギャップアップで5,346.05ドルでスタート。イラン情勢継続への「有事の金」買いが入り高値5,380.08まで上昇した。しかし3/2の高値5,419.32に届かず上値の重さを確認。②欧州〜NY前場:ドル高の加速(DXY99台)と金利上昇(US10Y 4.063%)という逆風が重なり、売りが売りを呼ぶ展開に。一時4,996.15ドルと5,000ドルの大台を割り込んだ。③NY後場:「5,000ドル割れ」を好機とした押し目買いが流入し、終値5,088.65ドルまで値を戻した。

【ローソク足の形状:長い上ヒゲ・下ヒゲを持つ「大陰線」】 始値5,346→終値5,088の「実体部分」の陰線は257ドル超と大きく、上ヒゲ(5,380-5,346=34ドル)・下ヒゲ(5,088-4,996=92ドル)を持つ典型的な「大陰線」だ。テクニカル的には短期トレンドの明確な悪化シグナルであり、5,100〜5,200ドル圏が次の戻り売り・上値抵抗として機能しやすい。下値では5,000ドルの心理的節目が機能したことは確認できたが、本日の終値(5,088.65)は5,000ドルの「目前」にあり、余裕が少ない水準だ。

💡 当面の注目水準(更新版):
■ 上値:5,380(3/3高値・直近レジスタンス)→5,419(3/2高値)→5,595(ATH、1/29高値)
■ 下値:5,000(心理的大台・本日安値4,996で試験済み)→4,881(テクニカルサポート候補)

で、ゴールドどうなんだ?——5,000ドルを一時割り込みながらも「5,088」で引けたことは「紙一重の踏みとどまり」だ。ATH(5,595.46)からは506ドル離れた水準にある。2日間で5,419→5,088と331ドルの急落を経験し、短期的な需給は明らかに悪化。ただし「ホルムズリスク継続」「インフレヘッジ需要」という中長期の買い材料は変わっておらず、5,000ドル台前半での実体的な下値固めが確認されれば、再び5,200〜5,400台を試す展開も排除できない。3月6日のNFPと、イラン情勢の次の展開が最大のカタリストだ。

🥈 シルバー(XAG/USD:$82.0565 / -8.17%)

シルバーは-8.17%(-7.302ドル)と急落し、ゴールドの-4.39%を大幅に上回る下落率を記録した。前日(3/2)の89.3585ドルから82.0565ドルへの急落は、「工業需要の急速な後退懸念」が主因だ。ホルムズリスクによる原油高が世界経済の減速を引き起こすとの観測から、EV・太陽光パネルといったシルバーの工業需要先行き不安が強まった。ゴールド/シルバー比率(GSR)は前日の約59.5から62.0まで急拡大し、「ゴールド優位」の構図が再び強まっている。

▶ このセクションの結論:「WTI+5.01%の続騰でホルムズリスクを現実として消化する一方、ゴールドは-4.39%・シルバー-8.17%と貴金属が逆行安。有事プレミアムの初日分が剥落し、ドル高・金利高の逆風が支配した」

🧠 市場心理・VIX

指標水準前日比解釈
VIX(恐怖指数)23.57+2.13(+9.94%)↑↑ 急騰。地政学リスクが「恒常的な不安」へ移行

VIXは23.57と前日(21.44)から+2.13(+9.94%)急騰した。前日に「20」を突破した後、今日は「22〜23」という新たな高水準へ移行。2025年11月以来の高水準圏に達している。

VIX23台が示すのは「市場が短期的な不確実性を恐れている」ではなく「中期的なシナリオ不確実性が高まった」という段階への移行だ。地政学リスクが「週末の突発事象」から「継続する構造的リスク」へと性格を変えたことで、オプション市場でのヘッジ需要が増大し続けている。

リスクオン材料:①米国の相対的エネルギー自給率の高さ(シェール)、②3/6雇用統計での強い数字確認、③外交的停戦合意の可能性、④防衛・エネルギーセクターへの業種ローテーション継続

残存リスク:①ホルムズ封鎖の本格化、②VIX23台の高止まりとセンチメント悪化の連鎖、③JGB10Y上昇継続と日銀政策への波及、④NFP(3/6)・FOMC(3/17〜18)前の「待機相場」、⑤イラン後継指導体制の混乱継続

▶ このセクションの結論:「VIX23.57と高水準継続。不確実性は"一過性のショック"から"構造的リスク"へ移行しており、市場は腰を落ち着けてリスクオフを継続している」

🎯 今日の戦略メモ

※本セクションは市場参加者の視点を中立的に整理するものです。特定の投資行動を推奨するものではありません。

■ ブル派の根拠(ゴールド・ロング継続派)

  • 5,000ドル割れ(安値4,996.15)から5,088ドルへ反発で「大台は守られた」という認識
  • ホルムズリスク継続→原油高→インフレヘッジ需要の中長期的な維持
  • ATH(1/29:5,595.46ドル)まで約506ドルの余地があり、上昇トレンド自体は崩れていないとの見方
  • 中央銀行の継続的なゴールド買い(1月のETF流入記録更新)が下値を支える
  • 外交的解決が遠のくほど、地政学プレミアムは再評価される可能性

■ ベア派の根拠(ショート・様子見派)

  • 2日間で5,419→5,088と331ドル急落。短期トレンドの明確な悪化
  • DXY99台回復・US10Y4%台維持という「利下げ後退環境」がゴールドの構造的逆風
  • 5,380.08が「2日連続の上値の壁」となっており、3/2高値(5,419.32)更新失敗が重荷
  • VIX23台という高水準が続く限り、機関投資家の「ゴールド売りでマージン確保」圧力が継続
  • シルバー-8.17%・リスク資産全面安という環境下での貴金属売りの連鎖リスク

■ 注目トリガー(価格水準)

  • 📈 上抜けシグナル:5,200ドル奪回→5,380(3/3高値)超え→5,419(3/2高値)更新で強気再加速
  • 📉 下抜けシグナル:5,000ドルを実体(終値)で割り込む→4,881〜4,996エリアが次の試験台
  • 🌐 地政学トリガー:ホルムズ海峡の実質封鎖確認→原油80ドル超→ゴールド再急騰。逆に停戦合意報道→5,000割れリスク
  • 📊 経済トリガー:3/6 NFP(雇用者数の予想比大幅上振れ→ドル高加速→ゴールド売り圧力)

⚠️ 本セクションの内容は市場参加者のシナリオ整理を目的としたものであり、投資助言ではありません。実際の投資判断はご自身の責任でお願いします。


🚀 全体まとめ

3月3日(火)は「地政学プレミアムの初動剥落と、インフレ化の本格織り込み」の一日だった。前日(3/2)の「米国株+0.04%という奇跡」は1日限りの例外となり、この日は世界全体がリスクオフに傾いた。

最も象徴的な動きはゴールドの-4.39%だ。「有事の金」として前日に5,419ドルまで急騰したゴールドが、わずか1日で5,088ドルまで崩落した。その背景にあるのは「ホルムズリスク→原油高→インフレ長期化→FRB利下げ後退→ドル高・金利高→ゴールド逆風」という論理の連鎖だ。地政学リスクが安全資産需要を生みながら、同時にインフレという形でゴールドの逆風も生み出すという矛盾が、この2日間の乱高下の本質だ。

3月の焦点は依然として3つ。①3月6日(金)雇用統計——戦争下での労働市場の強さが「インフレvs景気」のどちらを示すかを測る最初の試験。②3月13日(金)コアPCE——ISM価格指数70.5%とPPI超過を踏まえた試算では3.1%前後が予想される「高インフレ確認イベント」(※PCEは4月9日に延期との報道もあり要確認)。③3月17〜18日(火水)FOMC——利下げなしはコンセンサスだが、パウエル議長が「戦時下のインフレ」にどう言及するかが最大の注目点だ。加えて3月18〜19日の日銀会合も重要で、ホルムズリスク下での植田総裁の追加利上げ判断が国内市場を動かす可能性がある。

🥇 【最終判断:「プレミアム剥落の1日」——5,000ドルの大台は守られたが余裕は薄い】

ゴールドは2日間で5,419ドルの急騰→5,088ドルへの急落という328ドルの往復を経験した。ATH(1/29:5,595.46ドル)まで約506ドルの距離がある現水準は「上昇トレンドの終わり」ではなく「一次調整の試練」と読むのが中立的な評価だ。

5,000ドルという大台が安値(4,996.15)で辛うじて機能したことは、「買いたい勢力は存在する」ことの証明だ。しかし終値5,088.65ドルは5,000ドルから92ドルしか離れておらず、翌日のドル高・金利高継続で再び試されるリスクがある。3/6 NFPと地政学の次の展開が「5,000ドル防衛成功」か「下抜けで4,881ドル試し」かを決める最大のカタリストとなる。


📊 マーケットデータ一覧(3/3 NYクローズ確定値)

資産終値前日比(値)前日比(率)
日経22556,279.05-1,778.19-3.06%
TOPIX3,772.17-126.25-3.24%
ハンセン指数25,768.08-291.77-1.12%
上海総合指数4,122.68-59.91-1.43%
KOSPI5,791.91-452.22-7.24%
FTSE 10010,484.13-295.98-2.75%
DAX 3023,790.65-847.35-3.44%
CAC 408,103.84-290.48-3.46%
NYダウ48,501.27-403.51-0.83%
NASDAQ 10024,720.08-272.52-1.09%
S&P 5006,816.63-64.99-0.95%
ドル円(USD/JPY)157.67+0.20+0.13%
ユーロドル(EUR/USD)1.1612-0.0078-0.67%
DXY(ドルインデックス)99.06+0.68+0.69%
JGB10Y2.148%+0.077+3.72%
US10Y4.063%+0.012+0.30%
WTI原油$74.80+3.57+5.01%
ゴールド(始値5,346.05 / 高値5,380.08 / 安値4,996.15)$5,088.65-233.47-4.39%
シルバー$82.0565-7.302-8.17%
VIX23.57+2.13+9.94%

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📰 情報ソース

  • 経済指標・金利:Investing.com / みんかぶFX / CME FedWatch Tool
  • 市場ニュース・中銀動向:ロイター / ブルームバーグ / 日本経済新聞 / CNBC / 各国中央銀行公式サイト
  • 地政学情報:Reuters / Al Jazeera / CNN / Wikipedia(2026 Israeli–US strikes on Iran)
  • 実勢価格:主要取引所データ(CME, ICE, JPX等)
  • 終値データ:3/3 NYクローズ確定値

🥇 執筆者:ぱぶちゃん

✍️ 執筆者 / 運営者
📈 投資歴6年 / 💹 XAUUSD(金/ドル) / 🌐 マクロ経済 / 📰 一次情報重視

世界の金融市場・経済指標を中心に、一次情報と複数の主要メディアを照合し、事実に基づき中立的な立場で整理・解説しています。投資歴6年、近年はXAUUSDを中心にFXで取引中。都合により証拠金・ポジションは公開できません。難しい専門用語より「で、ゴールドどうなんだ」という視点を大切にしてるぞ。

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ぱぶちゃん|投資歴6年
ゴールド・マクロ・FXを事実ベースで解説するブログを運営中。
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