📊 本稿は3/18 NYクローズ確定値(サマータイム・NY6時クローズ)を基に整理しています。
💥【3/18 NYクローズ】PPI爆騰+パウエル「利下げなし」——ゴールド-3.73%・ダウ-768ドルの総崩れ、FOMC通過で何が変わったか【XAU/USD】
グローバル金融市場 振り返りレポート
⚡ 今日のマーケット早わかり(30秒で読む)
3/18は「東高西低」の教科書的な1日だった。東京時間は原油供給への過度な懸念が一時後退し、日経が+1,539円(+2.87%)と5日ぶりの大幅反発。春闘の満額回答ラッシュと商船三井へのエリオット参戦報道も追い風となり、全33業種が上昇した。しかし夜に潮目が一変する。NY時間21:30に発表された2月PPI(前月比+0.7%、予想+0.3%)が全項目で予想を大幅に上回り、そのわずか5分後(21:35)にトランプが「イランを仕留めてホルムズはお前ら使う国が管理しろ」と投稿。さらにFOMC声明とパウエル「インフレ進展なければ利下げなし」発言が重なり、ダウ-768ドル・S&P500-1.36%の総崩れ。ゴールドはXAU/USD換算で前日5,005→終値4,818.88と-3.73%の急落となった。原油高→インフレ→Fed利下げ不能→実質金利上昇→ゴールド売りという当ブログの分析フレームが、この夜のNY時間に完全に発動した。
🌏 株式: 日経+1,539(55,239 / +2.87%)・KOSPI+284(5,925 / +5.04%)。欧州FTSE-98(10,305 / -0.94%)・DAX-228(23,502 / -0.96%)。ダウ-768(46,225 / -1.63%)・S&P500-91(6,624 / -1.36%)・NASDAQ-327(22,152 / -1.45%)。
🛢️ 原油・為替・金利: WTI98.25(+2.72 / +2.85%)と続伸。ドル円159.76(記事作成時点)。米10年債4.265%(+0.064pt)と上昇。VIX25.09(+2.72 / +12.16%)と急伸。
① 21:30米PPI(2月)前月比+0.7%(予想+0.3%)大幅上振れ、21:35トランプ「ホルムズを使う国が管理しろ」投稿——5分間の同時多発ショックでゴールド売りが加速
② FOMC金利据え置き(2会合連続)・SEPインフレ見通し上方修正・パウエル「インフレ進展なければ利下げなし」——利下げ期待の完全剥落でダウ-768ドル(詳細はFOMC結果記事へ)
③ 東京時間は日経+1,539円の大反発・春闘満額・商船三井エリオット参戦——アジアは明暗くっきりの「東高西低」
📌 本日のニュース
- ▶【背景】NCTC長官ジョー・ケント辞任「イラン戦争を良心上支持できない」(前日22:24発表)
- ▶【背景】トランプ「NATO同盟国の助けは不要だった、イラン軍を壊滅した」(前日0:18発表)
- ▶日経平均 55,239(+1,539 / +2.87%)5日ぶり大幅反発
- ▶TOPIX 3,717(+90 / +2.49%)
- ▶KOSPI 5,925(+284 / +5.04%)独歩高
- ▶春闘集中回答日 満額回答相次ぐ、3年連続5%超の賃上げ水準
- ▶商船三井 急騰、エリオットが株式取得・株主還元改善要求と報道(ロイター)
- ▶全33業種上昇の全面高、海運・石油石炭・卸売が上昇率上位
- ▶ラリジャニ事務局長殺害確認で外交的解決がさらに遠のく(前日からの継続材料)
- ▶FTSE100 10,305(-98 / -0.94%)
- ▶DAX 23,502(-228 / -0.96%)
- ▶CAC40 7,969(-4 / -0.06%)
- ▶欧州株 軟調、中東情勢とFOMC前夜で様子見姿勢が続く
- ▶ゴールド ロンドン時間に軟化、4,950ドル水準 FOMC待ちで方向感なし
- ▶ドル円 159円付近でフラット、主要通貨は動意薄
- ▶イラン 近隣諸国への警告示唆ヘッドライン、エネルギーインフラへの報復を示唆
- ▶ECB 政策金利据え置き決定、タカ派スタンス維持
- ▶21:30米PPI(2月)前月比+0.7%(予想+0.3% / 前回+0.5%)、全項目で予想を大幅上回る
- ▶21:35トランプ「イランを"仕留めて"ホルムズはお前ら使う国が管理しろ」Truth Social投稿
- ▶NYダウ 46,225(-768 / -1.63%)
- ▶S&P500 6,624(-91 / -1.36%)
- ▶NASDAQ 22,152(-327 / -1.45%)
- ▶NASDAQ100 24,425(-355 / -1.43%)
- ▶ラッセル2000 2,478(-41 / -1.64%)
- ▶フィラデルフィア半導体 7,795(-41 / -0.53%)
- ▶VIX 25.09(+2.72 / +12.16%)恐怖指数急伸
- ▶米10年債利回り 4.265%(+0.064pt)
- ▶XAUUSD 始値5,003 / 高値5,016 / 安値4,805 / 終値4,818.88(-186.87 / -3.73%)
- ▶FOMC 金利3.5〜3.75%据え置き(2会合連続)・SEPインフレ見通し上方修正 → 詳細はFOMC結果記事へ
📅 主要経済指標(3/18発表)
📎 → 詳しく読む:【PPI爆騰】なぜゴールドは-3.7%暴落したのか
📈 株式市場
※終値は3/18確定値(アジア株は現地終値)。騰落はすべて前日比。
① 日本・アジア株
原油供給への過度な警戒が後退したとの見方が広がり、全面買い戻しの展開。春闘満額回答とエリオット・商船三井報道が追い風となり、東証プライムの値上がり比率は90%超の全面高となった。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経225 | 55,239.40 | +1,539.01 | +2.87% |
| TOPIX | 3,717.41 | +90.34 | +2.49% |
| グロース250 | 778.71 | +27.99 | +3.73% |
| KOSPI(韓国) | 5,925.03 | +284.55 | +5.04% |
| 上海総合 | 4,062.98 | +13.07 | +0.32% |
| ハンセン指数(香港) | 26,025.42 | +156.88 | +0.61% |
| Nifty(インド) | 23,777.80 | +196.65 | +0.83% |
日経は前日比+1,539円と5日ぶりの大反発。業種別では全33業種が上昇し、海運・石油石炭・卸売が上昇率上位。アドバンテストが日経を+423円押し上げてトップ寄与。KOSPIは半導体主導で+5.04%と独歩高だった。
② 欧州・米国株
欧州はFOMC前夜の様子見で軟調。NY時間はPPI上振れ・トランプ発言・FOMC・パウエルのタカ派発言が連続し、全指数が大幅安となった。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| FTSE 100(英国) | 10,305.29 | -98.31 | -0.94% |
| DAX(ドイツ) | 23,502.25 | -228.67 | -0.96% |
| CAC 40(フランス) | 7,969.88 | -4.61 | -0.06% |
| NYダウ | 46,225.15 | -768.11 | -1.63% |
| NASDAQ | 22,152.42 | -327.11 | -1.45% |
| NASDAQ 100 | 24,425.09 | -355.33 | -1.43% |
| S&P 500 | 6,624.70 | -91.39 | -1.36% |
| ラッセル2000 | 2,478.64 | -41.35 | -1.64% |
| フィラデルフィア半導体 | 7,795.13 | -41.70 | -0.53% |
「PPI爆騰(21:30)→トランプ発言(21:35)→FOMC据え置き→パウエルタカ派(翌3:30)」という四重苦でNY株式は全面安。前日の小幅高から一転して今年最大級の下げとなった。
「イランのテロ国家を"仕留めて"、ホルムズ海峡を使う国々——我々は使わない——に管理させたらどうなるか気になる。それで非協力的な"同盟国"たちも動くはずだ、すぐに」
PPIショック直後のこの投稿は「ホルムズ管理の米国離脱示唆」として市場に受け取られた。日本・韓国・中国など海峡依存国のエネルギー安全保障リスクが急浮上し、原油高継続→インフレ→利下げ不能という構造をさらに強化した。
💱 為替
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ドル円(USD/JPY)水準:159.763/17比:+0.73(+0.46%)FOMC据え置きとPPI上振れによるドル強含みが続いている。3/17クローズ159.03から159.76台まで上昇。パウエルが「利下げなし」を明言したことでドルの底堅さが意識されており、円の戻りは限定的。本日(3/19)午前には日銀政策決定会合(据え置き見込み)・植田総裁会見・日米首脳会談が控え、引き続き方向感が出にくい局面が続く。
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ユーロ円(EUR/JPY)水準:183.133/17比:-0.35(-0.19%)※推計ECB据え置きを受けてもユーロは底堅い。ドル安局面でユーロが相対的に支えられている構図。(3/17のEUR/JPYは前日記事に非掲載のため、EUR/USD×USD/JPYより推計)
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ユーロドル(EUR/USD)水準:1.14623/17比:-0.0075(-0.65%)PPI上振れ後のドル買い圧力とFOMC後のドル強含みで前日1.1537から1.1462へ下落。ユーロ圏のエネルギーコスト上昇懸念も引き続き重しとなっている。
📊 金利・債券
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JGB10Y(日本10年債)水準:2.209%前日比:-0.054pt前日2.263%から低下。日銀3/19会合での据え置き見込みが大勢で国内材料は乏しく、米長期金利の動向と連動しやすい局面が続く。
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US10Y(米10年債)水準:4.265%前日比:+0.064pt前日4.201%から4.265%へ上昇。PPI上振れ+FOMC据え置き長期化示唆が背景。パウエルがインフレリスクを率直に認めたことで実質金利上昇への警戒感が広がり、ゴールドの売り圧力と直結した。
🪙 コモディティ(原油・金・銀)
| 品目 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| WTI原油先物 | 98.25 | +2.72 | +2.85% |
| ゴールド(XAU/USD) | 4,818.88 | -186.87 | -3.73% |
WTIは前日95.53から98.25へ+2.85%と続伸。トランプの「ホルムズをお前らで管理しろ」発言でエネルギー供給の不確実性がさらに高まり、原油買いが継続した。一方ゴールドはPPI上振れ→FOMC→パウエルタカ派の三段ロケットで-3.73%の急落。東京金先物も-3.24%(値下がり上位)と連動した。
🧠 市場心理・VIX
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VIX(恐怖指数)水準:25.09前日比:+2.72(+12.16%)前日22.37から25.09へ急伸。前日はラリジャニ暗殺という悪材料でもVIXが下落する「FOMC前の低ボラ状態」だったが、FOMCを通過したことで一気に警戒感が解放された。25超えはリスクオフ領域への突入を示しており、今後の動向に注視が必要だ。
🥇 で、ゴールドどうなんだ?(XAU/USD考察)
今日の金相場を一言で
「安全資産なのに下がった」ではなく、「原油高→インフレ→Fed利下げ不能→実質金利上昇→ゴールド売り」という因果が教科書通りに発動した1日だった。始値5,003から高値5,016まで届いた後、PPI発表とトランプ投稿を受けて急落。安値4,805.58まで叩かれ、終値4,818.88と前日比-186.87ドル(-3.73%)。3月を通じて一貫して守られてきた5,000の心理的節目を、今夜初めて明確に割り込んだ。
| 水準(ドル) | 区分 | コメント |
|---|---|---|
| 5,595.46 | ATH | 史上最高値(1/29高値) |
| 5,238.64 | 上値抵抗 | 3/10高値——直近ピーク |
| 5,016.45 | 本日高値 | PPI発表前の短期的な上昇局面 |
| 5,003.04 | 本日始値 | 前日終値5,005.75から下で寄り付き |
| 5,000.00 | ⚠️ 節目割れ | 3月を通じて一貫してサポートとして機能してきた心理的節目。今回初めて明確に割り込んだ |
| 4,911.02 | 本日半値 | (高値5,016.45+安値4,805.58)÷2——反発の第一目標。半値までの戻りは起きやすい |
| 4,818.88 | 📍 本日終値 | 前日比 -186.87(-3.73%) |
| 4,805.58 | 本日安値 | 5,000から約200ドルの急落 |
| 4,755 | 第1サポート | 日足水平線——5,000割れ後の最初の支持帯 |
| 4,665 | 第2サポート | 日足水平線——4,755を割り込んだ場合の次の防衛ライン |
| 4,420 | 第3サポート | 日足水平線——より深い調整局面での主要サポート |
3月を振り返ると、5,000ドルは一貫してゴールドの生命線だった。イラン戦争勃発後も、ラリジャニ暗殺報道でも、FOMC前夜の揺れの中でも、5,000は何度も試されながらそのたびに守られてきた。それが今夜、PPI爆騰とパウエルタカ派発言によって初めて明確に割り込んだ。高値切り下がりトレンドも継続(5,238→5,044→5,016)しており、テクニカル的な状況は3月で最も悪化した局面と言える。ただし終値4,818.88が4,800を上回って引けていること、また4,805という安値はWTIが98ドル台・米10年債が4.265%というインフレ環境下での当然の調整とも読める。
一般的なイメージでは「戦争→安全資産→ゴールド上昇」だが、当ブログが一貫して指摘してきた通り、中東産油地域の紛争はゴールドの下落要因になる。
① 原油産地紛争 → ② エネルギー価格急騰 → ③ インフレ再燃(PPIが証明) → ④ Fedの利下げ不能(FOMCが証明) → ⑤ 実質金利上昇 → ⑥ ゴールド売り
この夜のNY時間は、このフローが完全形で発動した夜だった。
📎 → 詳しく読む:戦争でゴールドが上がらない理由
■ ブル派の根拠
- 終値4,818が4,800を上回って引けており、最悪の崩壊シナリオではない
- 中東情勢が好転し原油が下落に転じれば、インフレ懸念後退→実質金利低下→ゴールド反発の逆回転が起きうる
- 長期の中央銀行需要・脱ドル化トレンドは変わらない
■ ベア派の根拠
- 5,000の節目を明確に割り込み、高値切り下がりトレンドが加速(5,238→5,044→5,016)
- FOMCでインフレ上振れ修正+利下げ時期不明確——実質金利上昇圧力が持続
- PPIのエネルギー影響は3月以降のデータでさらに上振れする公算大
- トランプのホルムズ発言で原油高継続リスクが再確認された
■ 上値:4,900(心理的節目)→ 5,000(節目回復試し)→ 5,016(本日高値)
■ 下値:4,800(直近安値ゾーン)→ 4,755(第1サポート)→ 4,665(第2サポート)→ 4,420(第3サポート)
注目ポイント:
本日3/19は日銀政策発表(現状維持見込み)・植田総裁会見・日米首脳会談が控える。日銀がタカ派サプライズを出せば円高→ドル安→ゴールド反発の可能性もあるが、現状は据え置き見込みが大勢だ。ロングポジション保有中なら4,800割れをストップ目安に。新規ロングは4,800台の底固めを確認してからが無難。
🚀 全体まとめ
3月18日(水)は「東高西低」に象徴される分断の1日だった。東京時間は原油への過度な懸念後退・春闘満額・エリオット参戦で日経+1,539円の大反発。しかし夜は一転、PPI爆騰(21:30)とトランプのホルムズ発言(21:35)という5分間の同時多発ショック、そしてFOMC・パウエルタカ派発言がダウ-768ドル・ゴールド-3.73%をもたらした。
当ブログが一貫して指摘してきた「原油産地紛争→インフレ→利下げ不能→実質金利上昇→ゴールド売り」のフレームワークが、この夜に完全形で発動した。NCTC長官ケントの辞任表明(「イスラエルのロビーに騙された戦争」)、トランプの「NATO不要・単独勝利宣言」と「ホルムズを使う国が管理しろ」という2つの投稿を並べると、米国の中東政策が構造的に不安定化しているという根本的なリスクが浮かび上がる。ゴールドが「安全資産」として買われない理由は、ここにもある——「有事のゴールド」ではなく「インフレのゴールド売り」という現実を、今晩の市場は改めて突きつけた。
📌 今日のマーケット一言
「東京で1,539円上げ、ニューヨークで全部持っていかれた夜」
PPI+0.7%(予想+0.3%)、FOMC据え置き、パウエル「利下げなし」、ダウ-768、ゴールド-3.73%。
原油高→インフレ→実質金利上昇という連鎖が、この夜に完全発動した。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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📰 情報ソース
- 市場ニュース:Bloomberg / CNBC / Reuters / 株探 / 財経新聞 / 日本経済新聞 / NHK
- 経済指標:米労働省労働統計局(BLS)/ CME FedWatch / 米FRB公式発表
- 要人発言:Donald J. Trump(Truth Social)/ Joe Kent(X)
- 終値データ:3/18 NYクローズ確定値 / Investing.com(XAU/USDスポット価格・サマータイム対応)/ nikkei225jp.com
- FOMC詳細:3月FOMC結果記事(当ブログ)
⚠️ 免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。掲載データは各種メディア・公的機関の発表をもとに筆者が整理したものですが、内容は予告なく変更される場合があります。最新情報は各機関の公式発表でご確認ください。

