【キーエンス(6861)決算】2027年3月期第1四半期 売上高3,466億円・営業利益1,871億円で大幅増収増益、IFISコンセンサスを22.7%上回る

2026年7月28日火曜日

企業決算

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【キーエンス(6861)決算】2027年3月期第1四半期 売上高3,466億円・営業利益1,871億円で大幅増収増益、IFISコンセンサスを22.7%上回る

【キーエンス(6861)決算】2027年3月期第1四半期 売上高3,466億円・営業利益1,871億円で大幅増収増益、IFISコンセンサスを22.7%上回る

2026年7月28日|ぱぶちゃんのファンダメンタルlab

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キーエンスの2027年3月期第1四半期(2026年3月21日〜6月20日)決算は、売上高346,621(261,076)百万円・前年同期比+32.8%、営業利益187,076(129,301)百万円・+44.7%、経常利益196,793(131,532)百万円・+49.6%、親会社株主に帰属する四半期純利益139,133(92,116)百万円・+51.0%と大幅な増収増益を達成した。営業利益率は53.97%(前年同期49.5%)まで改善。北中南米・アジアで設備投資が堅調に推移したほか、欧州は持ち直しの動き、国内も回復基調で推移したことが追い風となった。直近のIFISコンセンサス(経常利益1,604億円)に対し実績は1,968億円と22.7%上回る大幅なポジティブサプライズとなった。なお2027年3月期の通期業績予想は開示していない。年間配当予想は前期実績と同水準の550円(第2四半期末275円・期末275円)を据え置く。

📄 一次資料:2027年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(PDF)

1|キーエンスとはどんな会社か

株式会社キーエンス(大阪府、東証プライム:コード6861)は、センサ、測定機器、画像処理システム、電子顕微鏡、FA(工場自動化)関連機器などを開発・製造・販売する電子応用機器メーカー。ファブレス経営や直販体制、コンサルティングセールスを特徴とし、高い営業利益率を維持していることで知られる。代表取締役社長は中野鉄也氏。同社グループは電子応用機器の製造・販売を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、連結財務諸表においてセグメント情報の記載は省略されている。連結財務諸表は日本基準に基づいて作成。

2|主要財務ハイライト(1Q、前年同期比)

2026年7月28日、キーエンスは2027年3月期第1四半期(2026年3月21日〜6月20日)の決算短信を発表した。当第1四半期連結累計期間の世界経済は、製造業を中心に設備投資が各地域で堅調に推移。北中南米では幅広い業界で堅調さがみられ、アジアでは半導体・電気精密業界を中心に成長が継続、欧州では持ち直しの動きがみられ、国内でも設備投資は回復基調で推移した。アジアの半導体・電気精密業界については、AI関連需要の広がりを背景に設備投資サイクルが底堅く推移しているとみられ、同分野向けにセンサ・画像処理システムなどを展開するキーエンスにとって追い風となった格好。

指標(1Q累計) 2027年3月期1Q 2026年3月期1Q 増減
売上高 3,466億21百万円 2,610億76百万円 +32.8%
営業利益(利益率) 1,870億76百万円(54.0%) 1,293億1百万円(49.5%) +44.7%
経常利益 1,967億93百万円 1,315億32百万円 +49.6%
親会社株主に帰属する四半期純利益 1,391億33百万円 921億16百万円 +51.0%
1株当たり四半期純利益 573.69円 379.82円 +51.0%
四半期包括利益 1,439億67百万円 967億43百万円 +48.8%

売上高は前年同期比+32.8%と大幅増収となり、費用増加を上回るペースで利益が伸びたことで営業利益率は54.0%(前年同期49.5%)まで改善した。経常利益は為替差益2,243百万円(前年同期は為替差損2,070百万円)の計上もあり、営業利益の伸び率(+44.7%)を上回る+49.6%の増益となった。同社は中長期的な成長を維持する観点から、企画開発面での充実・営業面での強化を進めてきたとしている。

3|セグメント情報

キーエンスグループは、電子応用機器の製造・販売を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、決算短信上ではセグメント別の売上高・利益の記載を省略している。地域別・製品カテゴリー別の詳細な内訳についても、決算短信の範囲では開示されていない。

4|財政状態

2026年6月末の総資産は前連結会計年度末に比べ542億35百万円増加し3兆7,248億91百万円となった。これは投資有価証券が839億73百万円増加したことなどによるもの。負債は前連結会計年度末に比べ230億33百万円減少し1,761億50百万円となった。これは未払法人税等が423億85百万円減少したことなどによるもの。純資産は前連結会計年度末に比べ772億68百万円増加し3兆5,487億40百万円となった。これは利益剰余金が724億38百万円増加したことなどによるもの。自己資本比率は95.3%(前期末94.6%)とさらに上昇し、極めて高い財務健全性を維持している。

5|キャッシュフロー

キーエンスは当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していない。参考情報として開示されている減価償却費(無形固定資産に係る償却費を含む)は46億78百万円(前年同期38億13百万円、+22.7%)となっている。

6|通期業績予想について

キーエンスは2027年3月期の通期業績予想を開示していない(決算短信の会社予想欄は売上高・営業利益・経常利益・当期利益いずれも「-」表記)。同社は例年、期初時点でも通期予想を開示しない方針を取っており、今回もその流れを踏襲した形。参考までに前期(2026年3月期)は経常利益6,357億56百万円(前期比+13.3%)で5期連続の過去最高益、5期連続増収・6期連続増益を達成している。通期の業績見通しを掴む上では、後述するIFISコンセンサスの動向が引き続き重要な参照点となる。

7|IFISコンセンサスとの比較

IFIS株予報によれば、キーエンスが7月28日に発表した2027年3月期第1四半期の経常利益は1,967億93百万円と、直近(2026年7月27日時点)のIFISコンセンサス1,604億円を22.7%上回る水準だった。売上高・営業利益・純利益についても、いずれもコンセンサスを2割前後上回る大幅なポジティブサプライズとなっている。なお経常利益の伸び率(+49.6%)が営業利益の伸び率(+44.7%)を上回った背景には、為替差益2,243百万円の計上(前年同期は為替差損2,070百万円)がある。この為替要因だけで前年同期比+4,313百万円の押し上げとなっており、経常利益の上振れ幅の一部を説明している。

指標(1Q、単位:百万円) IFISコンセンサス(7/27時点) 今回発表・実績 乖離率
売上高 304,802 346,621 +13.7%
営業利益 155,525 187,076 +20.3%
経常利益 160,400 196,793 +22.7%
純利益 111,840 139,133 +24.4%

会社が通期予想を開示していない分、IFISコンセンサスが市場の実質的な業績目線となっている。7月27日時点の通期コンセンサスは、売上高1兆3,296億51百万円(前期比+13.7%)、営業利益6,941億69百万円(+16.5%)、経常利益7,179億78百万円(+12.9%)、純利益5,036億2百万円(+13.1%)。今回の1Qが大幅な上振れとなったことを受け、次回の四半期決算発表以降、アナリストによる通期コンセンサスの上方修正が進むかが焦点となる。参考までに、2Q単独(2026年9月20日締め)のコンセンサスは売上高3,357億60百万円・営業利益1,751億50百万円・経常利益1,771億67百万円・純利益1,271億50百万円となっている。

指標(単位:百万円) 通期コンセンサス(7/27時点) 前期比
売上高 1,329,651 +13.7%
営業利益 694,169 +16.5%
経常利益 717,978 +12.9%
純利益 503,602 +13.1%

1Q実績の経常利益196,793百万円は、通期コンセンサス717,978百万円に対して進捗率27.4%となる。単純に4等分した場合の目安(25%)を上回っており、通期コンセンサスに対しても順調な滑り出しといえる。

8|配当

  • 2026年3月期実績:第2四半期末275円・期末275円の年間合計550円。
  • 2027年3月期予想:第2四半期末275円・期末275円の年間合計550円で、前期実績から据え置き。
  • 修正の有無:直近に公表されている配当予想からの修正はなし。

9|リスク・注視すべきポイント

⚠️ 決算資料から読み取れる留意点

①通期業績予想を非開示としているため、投資家は決算ごとの実績とIFISコンセンサスとの比較でしか業績トレンドを掴めない構造にある——実績がコンセンサスに対してどう推移するかが株価インパクトを左右しやすい
②アジアの半導体・電気精密業界向け需要への連動性が高く、当該分野の投資サイクルの変調が業績に影響しやすい
③高PER・高評価が定着している銘柄であるため、絶対的な増収増益率よりも「コンセンサスに対してどれだけ上振れ・下振れしたか」が株価反応の主因になりやすい点には留意したい
④四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、営業・投資・財務それぞれのキャッシュフロー動向を四半期ベースで把握できない

総じて今回の決算は、世界的な設備投資の堅調な推移を追い風に、売上高・利益とも前年同期比で大幅な伸びを示し、IFISコンセンサスも大きく上回る内容だった。通期予想を開示しない同社の情報開示スタイルのもとでは、今回のような大幅なコンセンサス超過が今後の市場の業績目線(コンセンサス)の上方修正にどうつながるかが、次の焦点となりそうだ。

出典

✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年/ぱぶちゃんのファンダメンタルlabを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god

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