【2026年07月08日】本日の展望——イラン空爆でリスクオフ、日経平均は反落スタート、原油は72ドル台後半へ急伸、金は4,100ドル台に反落
📎 前日の振り返りはこちら:【2026年07月07日】米国がイランへ空爆再開、ホルムズ海峡でタンカー攻撃の応酬——日経平均1480円安、NATO首脳会議も開幕
②原油はWTIが70ドル台後半〜72ドル台で上下に振れる展開。CENTCOM空爆を受けた供給懸念が意識される一方、金は4,100ドル台前半で反落基調——地政学リスクの高まりにもかかわらずドル高・金利上昇が金の上値を抑える構図が続く
③ドル円は162円台前半で底堅く推移。NATO首脳会議は2日目を迎え、イラン情勢の続報とホルムズ海峡の緊張推移に最大限の注意が必要な一日に
| 指標 | 現値 | 前日比 | 時刻 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 68,218.32円 | -38.64円(-0.06%) | 10:03 |
| ドル円 | 162.31円 | +0.22円(+0.14%) | 10:02 |
| XAUUSD(NY金) | 4,123.99ドル | -33.41ドル(-0.80%) | 10:01 |
| WTI原油 | 71.79ドル | +1.35ドル(+1.92%) | 10:01 |
※先物・CFD値を含む市況スクリーンショットに基づく速報値。時々刻々変動するため、実際の売買にあたっては最新の気配値をご確認いただきたい。
🇯🇵 日本株
前日の振り返り
7日の日経平均は前日比1480円73銭安の6万8256円96銭で大幅反落した。日本の長期金利が2.833%まで上昇し30年ぶりの高水準を更新したことに加え、サムスン電子の好決算にもかかわらず材料出尽くし感から半導体株が売られる流れが波及し、指数を押し下げた。この日はNATO首脳会議がトルコ・アンカラで開幕したほか、取引時間終了後にはホルムズ海峡でタンカー3隻が攻撃を受け、米中央軍(CENTCOM)がイランへの空爆を再開するなど、地政学リスクが一段と高まる展開となった。
本日の注目ポイント
8日10時03分時点で日経平均は6万8218円32銭、前日比38円64銭安(-0.06%)とほぼ横ばい圏まで下げ幅を縮小している。寄り付き直後は552円80銭安からスタートし、225先物(大取ラージ)も一時前日比80円安の6万8340円まで売られたが、時間外CME先物(円建て・ドル建て)は10時前後にプラス圏へ転じており、当初のリスクオフ一辺倒からは落ち着きを取り戻しつつある。もっともイラン情勢の続報次第では地合いが再び悪化しうる点には引き続き注意したい。
注目イベント・指標
国内では毎月勤労統計・家計調査(7日発表分の続報確認)に続き、8時50分に国際収支(5月分)、14時に景気ウォッチャー調査(6月分)の発表が予定される。海外ではNATO首脳会議が2日目を迎え、トランプ大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談は9日に予定されている。何よりもイラン情勢の続報——CENTCOMの空爆規模やイラン側の報復の有無——が本日の相場を左右する最大の変数になりそうだ。
💴 為替(ドル円中心)
前日の振り返り
7日のドル円は米貿易赤字の拡大や雇用関連指標の軟調さから一時161円76銭まで弱含んだが、その後はホルムズ海峡でのタンカー攻撃と米財務省によるイラン産原油ライセンス取消を受けて原油価格が上昇、これに連れて米長期金利が10年債利回りで4.52%まで上昇したことでドル買いが優勢となり、162円14銭まで上昇して162円08銭で引けた。ユーロドルは1.1442ドルから1.1409ドル付近まで下落し、ドル全面高の展開だった。
本日の注目ポイント
8日10時02分時点でドル円は162円31銭、前日比+22銭(+0.14%)で推移している。CENTCOMのイラン空爆開始という地政学リスクの急変にもかかわらず、円が積極的に買われる場面は限定的で、9時台の162円36銭から10時台の162円31銭へとほぼ横ばいのまま推移し、方向感に乏しい神経質な値動きが続いている。原油高を通じたインフレ懸念・金利上昇観測がドル買い材料として意識されやすい一方、財務省による「不意打ち介入」への警戒も根強く、162円台後半への一段の上昇局面では上値が抑えられやすい点には注意したい。
注目イベント・指標
NATO首脳会議2日目の発言内容、独5月鉱工業生産(15:00)、米MBA住宅ローン申請指数(20:00)、米卸売在庫確報値(23:00)、米週間石油在庫統計(23:30)が予定される。次回FOMCは7月29日、日銀会合は7月31日。何より、イラン側の報復措置の有無とホルムズ海峡の航行状況が最大の焦点となる。
🥇 貴金属(金・銀)
前日の振り返り
NY金は7日、前日比10.1ドル安(-0.2%)の4157.4ドルで4営業日ぶりに反落した。ホルムズ海峡での攻撃応酬という地政学リスクの高まりがあったにもかかわらず、原油高を通じた米長期金利の上昇とドル高が上値を抑え、前日までの上昇分の持ち高調整売りも出た格好だった。
本日の注目ポイント
8日10時01分時点でNY金は4123.99ドルと、前日比33.41ドル安(-0.80%)で下落が続いている。9時台には4112ドル台まで下げた後、10時台にはやや持ち直しているが、依然として前日比マイナス圏にある。CENTCOMのイラン空爆開始という本来であれば安全資産需要を高めるはずの材料が出ているにもかかわらず金が上値の重い展開となっており、実質金利・ドル動向が支配的な地合いは前日から継続している。この「地政学リスク上昇=金高」という単純な構図が崩れている点は、ドル・金利動向を軸に相場を読み解くうえで留意しておきたい。
注目イベント・指標
9日午前3時発表予定のFOMC議事要旨(6月分)や、NATO首脳会議での中東・ウクライナ関連の発言内容が、実質金利・ドルの動向を通じて金相場に波及し得る。イラン側の報復措置の有無次第では、安全資産需要が再び強まる可能性もあり、今後の値動きの方向感を左右しそうだ。
🛢️ 原油(WTI中心)
前日の振り返り
WTI原油は7日、前日比1.89ドル高(+2.8%)の70.44ドルで反発した。ホルムズ海峡でカタールのLNGタンカーやサウジアラビアの原油タンカーを含む商船3隻が攻撃を受けたと伝わったことに加え、米財務省がイラン産原油販売に対する制裁免除措置を撤回したことが買い材料となった。通常取引終了後の時間外取引では一時72.51ドルまで上昇する場面もあった。ブレント原油も2.17ドル高の74.16ドルで取引を終えている。
本日の注目ポイント
8日10時01分時点でWTIは71.79ドルと、前日比1.35ドル高(+1.92%)で推移している。9時台には一時72.61ドル(+3.08%)まで買われる場面もあったが、10時台にかけてはやや上げ幅を縮小しており、CENTCOMの空爆開始という材料を受けても一本調子の上昇にはなっていない。一方で中東ではタンカーの往来が回復基調にあり供給網は想定より底堅いとの指摘もあるほか、OPECプラスが8月の増産で合意済みという需給緩和要因も残っている。今後はイラン側の対応が焦点で、報復の規模が限定的にとどまれば供給懸念は後退し伸び悩む公算が大きい一方、ホルムズ海峡の航行そのものに影響が及ぶ事態となれば一段の上昇余地も否定できない、双方向のリスクがある点は押さえておきたい。
注目イベント・指標
米週間石油在庫統計(23:30)に加え、イランが表明している「国家の利益と安全保障を守るために必要と見なすあらゆる措置」の具体的な中身、ホルムズ海峡の航行データ(通過隻数)に注目したい。故ハメネイ師の国葬・埋葬(9日マシュハド予定)を挟んでイラン側がどう出るかも、原油需給の見通しを左右する材料になりそうだ。
- 日本経済新聞「NY商品、原油反発 ホルムズ海峡の通航懸念で 金反落」(2026年7月7日)
- Fisco「7日の米国市場ダイジェスト」(2026年7月8日)
- Fisco「NY為替:イランがホルムズ海峡で3隻のタンカーを攻撃」(2026年7月7日)
- Bloomberg(Yahoo!ファイナンス経由)「米WTI先物が一時約6%上昇」(2026年7月7日)
- ロイター(Yahoo!ニュース経由)「イラン『米が覚書に違反』、原油制裁再開を非難」(2026年7月8日)
- nikkei225jp.com「リアルタイム225先物」市況スクリーンショット(2026年7月8日9:24時点/10:03時点)
- 当ブログ「【2026年07月07日】米国がイランへ空爆再開、ホルムズ海峡でタンカー攻撃の応酬」(2026年7月7日)
ファンダメンタルを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。たまにチャート分析もします。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god

