【ServiceNow決算】全指標がガイダンス上限突破、非GAAP EPS0.90ドル・売上39.9億ドルともにコンセンサス上振れ——決算前は急落も時間外で急反発の乱高下

2026年7月23日木曜日

企業決算

t f B! P L
【ServiceNow決算】全指標がガイダンス上限突破、非GAAP EPS0.90ドル・売上39.9億ドルともにコンセンサス上振れ——決算前は急落も時間外で急反発の乱高下

【ServiceNow決算】全指標がガイダンス上限突破、非GAAP EPS0.90ドル・売上39.9億ドルともにコンセンサス上振れ——決算前は急落も時間外で急反発の乱高下

2026年7月23日|ぱぶちゃんのファンダメンタルlab

⏱ 30秒で読む結論

ServiceNow(NYSE: NOW)の2026年第2四半期決算は、サブスクリプション収益38.77億ドル(前年同期比+24.5%、cc+23%)、総収益39.87億ドル(+24%、cc+22.5%)となり、Zacksコンセンサス(総収益約39.2億ドル、非GAAP EPS0.86ドル)を上回った。非GAAP EPSは0.90ドルとなり、コンセンサスに対して+4.65〜5.1%程度のサプライズとなった。cRPO(当四半期以内に収益化する契約残高)は132.0億ドル(+21%、cc+21.5%)、RPO(契約残高全体)は290億ドル(+21%)で、会社側は「2026年第2四半期のトップライン成長・収益性の全指標でガイダンス上限を上回った」としている。通期サブスクリプション収益ガイダンスは157.6億〜157.8億ドルへ再度上方修正された。一方、決算発表前の通常取引時間中は、直近四半期のcRPO成長鈍化への警戒感から株価が前日比-4.9%程度まで下落する場面があったが、決算内容の好調さを受けて時間外取引では+4.6%〜+7%程度まで反発するなど、当日は乱高下となった。

1|ServiceNowとはどんな会社か

ServiceNow, Inc.(NYSE: NOW)は、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くクラウドソフトウェア企業。自社を「ビジネス変革のためのAIコントロールタワー(the AI control tower for business reinvention)」と位置づけ、あらゆるクラウド・モデル・データソースと連携するServiceNow AI Platformを通じて、企業内の業務フローを統合・自動化するサービスを提供している。Technology Workflows(IT)、Core Business Workflows(人事・調達・法務・財務など)、CRM and Industry Workflows、Creator and Other Workflowsの4領域を軸とした単一プラットフォームを展開する。

2025年末時点でグローバル顧客数は8,800社超、うちフォーチュン500企業の約9割が同社ソリューションを利用しているという。年間100億件超のワークフローが同プラットフォーム上で稼働しているとされる。2025年12月17日付で5対1の株式分割を実施しており、本決算における1株当たり指標は分割後ベースで比較可能な形に修正されている。

2|主要財務ハイライト(コンセンサス対比)

米国時間2026年7月22日、ServiceNowは2026年第2四半期(4〜6月期)決算を発表した。同社は「トップライン成長・収益性のあらゆる指標でガイダンス上限を上回った」とし、通期サブスクリプション収益ガイダンスの再上方修正を行った。

指標 Q2'26実績 コンセンサス 前年同期比
総収益 39.87億ドル 約39.2〜39.3億ドル +24%(cc+22.5%)
サブスクリプション収益 38.77億ドル +24.5%(cc+23%)
EPS(希薄化後・GAAP) 0.29ドル 前年0.37ドルから減益
EPS(非GAAP・希薄化後) 0.90ドル 約0.86ドル 前年0.81ドルから増益
cRPO(当四半期以内収益化分) 132.0億ドル cc成長率19.5%程度 +21%(cc+21.5%)
RPO(契約残高全体) 290億ドル +21%(cc+22%)

📌 コンセンサス出典の内訳

  • Zacksコンセンサス:総収益39.2億ドル/非GAAP EPS0.86ドル|出典:Zacks Investment Research(Yahoo Finance掲載)
  • Fiscal.ai集計:総収益39.2億ドル/非GAAP EPS0.86ドル|出典:TradingView(StockTwits経由)
  • その他情報ベンダー集計:総収益39.67億ドル/非GAAP EPS0.8625ドル|出典:ChartMill

非GAAP EPSのサプライズ幅は情報ベンダーにより+4.3%〜+5.1%程度と幅があるが、いずれの集計でも明確なコンセンサス超えとなった。総収益は前四半期(Q1'26)の19%成長から24%へ加速しており、会社側は米国連邦政府向けを中心とした強い需要と、オンプレミス収益の一部がQ3から Q2へ前倒し計上されたことが上振れの要因と説明している。

※コンセンサス数値は情報ベンダーにより集計対象アナリスト数や集計時点が異なるため幅がある点に留意。

3|GAAP/非GAAPブリッジと利益率

指標 GAAP 非GAAP
総粗利益/粗利益率 28.18億ドル/70.5% 31.07億ドル/78%
営業利益/営業利益率 1.62億ドル/4% 11.73億ドル/29.5%
純利益 2.98億ドル 9.30億ドル

GAAPとの主な調整項目は、株式報酬費用6.55億ドル(総収益の16.5%)、無形資産償却2.19億ドル、事業結合関連費用0.75億ドル、リストラ費用0.62億ドルなど。株式報酬費用は前年同期の4.99億ドルから大きく増加しており、GAAP営業利益率を圧迫する主因となっている。非GAAP営業利益率は29.5%で前年同期比横ばい(Q1'26の32%からは低下)。

フリーキャッシュフロー(非GAAP)は6.34億ドル、マージンは16%となり、前年同期の16.5%からわずかに低下した。上半期累計の非GAAP FCFマージンは29.5%(前年32%)。

4|主要KPI(RPO・顧客コホート・更新率)

大型契約の伸び:純新規ACV(年間契約額)100万ドル超の取引は123件で、前年同期比40%近い増加。500万ドル超のACVを持つ顧客数は658社(+23%)に達し、その平均ACVは1,520万ドルとなった。

更新率:Q2'26の更新率は98%(Q1'26は97%)と高水準を維持。同社は買収や統合等に伴うアカウント統合の影響を調整した数値としている。

顧客コホート成長:過去の顧客コホート(入社年別)の年間契約額(ACV)成長率を示す指標では、2011年に契約した顧客群の初期ACVが四半期を追うごとに拡大し、Q2'26時点で当初比233%の伸びに達しているとされる(同社の開示ベース)。

AI関連:ServiceNow AIの年間契約価値(ACV)は今四半期に10億ドルを突破。CEOのBill McDermott氏は、AIエージェントの本番稼働件数が過去9カ月で9倍に増加したとコメントしている。

5|Armis買収のガイダンスへの影響

同社は2026年4〜5月頃にセキュリティ資産可視化企業Armisを買収したとみられ、今回の決算資料では買収の財務インパクトを個別に開示している。

Armis影響 Q3 2026 FY2026ガイダンス
サブスク収益cc成長率への寄与 +約175bp +約125bp
cRPO cc成長率への寄与 +約150bp 該当なし
非GAAP営業利益率への影響 約(100bp) 約(75bp)
非GAAP FCFマージンへの影響 該当なし 約(200bp)

Armisは売上成長には寄与する一方、通期の利益率・キャッシュフローマージンには相応の希薄化要因となっており、前四半期(Q1'26決算時)に通期営業利益率ガイダンスが32%から31.5%へ、FCFマージンが36%から35%へ引き下げられた際の主因ともされている。

6|バランスシート・キャッシュフロー・財務状況

項目 2026年6月末 2025年末
現金及び現金同等物 25.03億ドル 37.26億ドル
総資産 316.66億ドル 260.38億ドル
のれん 98.37億ドル 35.78億ドル
長期負債(純額) 54.35億ドル 14.91億ドル

上半期の投資活動によるキャッシュアウトは71.05億ドルで、うち事業結合(買収)に87.76億ドルを投じている。これはArmis買収を含む複数の買収によるものとみられる。買収資金の一部を賄うため、財務活動ではシニアノート発行39.44億ドル、タームローン調達39.91億ドル(同時に既存タームローン40.00億ドルを返済)、コマーシャルペーパー純発行35.34億ドルなど、活発な資金調達が行われた。結果として長期負債は前年末の14.91億ドルから54.35億ドルへ急増し、短期負債も20.82億ドル計上されている。

Q2四半期のGAAP営業キャッシュフローは5.87億ドル(前年同期7.16億ドルから減少)、非GAAP FCFは6.34億ドル(前年同期5.35億ドルから増加)。自社株買いは上半期で22.25億ドル実施(前年同期6.59億ドル)。

7|通期・Q3ガイダンス(今回修正)

📋 Q3 2026ガイダンスの要旨

  • サブスクリプション収益:39.75億〜39.80億ドル(+20.5%、cc+20%)
  • cRPO成長率:19.5%(cc+20%)
  • 非GAAP営業利益率:31%
  • 為替影響:Q3のcRPOに約3,500万ドルの逆風(ドル高進行の影響)

📋 2026年通期見通しの要旨

  • サブスクリプション収益:157.6億〜157.8億ドル(+22.5%、cc+21%)※再上方修正
  • 非GAAP サブスクリプション粗利益率:81%
  • 非GAAP営業利益率:31.5%
  • 非GAAP フリーキャッシュフローマージン:35%

会社側は、Q2のサブスクリプション収益がガイダンス上限を150bp上回った要因として、純新規ACVの上振れに加え、米国連邦政府向け需要の強さを背景にオンプレミス収益構成比が想定を上回ったことを挙げている。これによりQ3に計上される予定だった一部のオンプレミス収益がQ2に前倒しされた形となり、通期ガイダンスはこの純新規ACVの強さを反映して再度引き上げられた。なお、通期粗利益率ガイダンスは、ハイパースケーラー各社とのパートナーシップ活用の広がりと顧客のAI導入加速を反映した水準としている。

8|主要トピック・戦略イベント

📋 直近の主な取り組み

  • 5月開催のKnowledge 2026で、Now Assist・Moveworks・AI Experienceの機能を統合した新しい統一AI体験「ServiceNow Otto」を発表
  • AI Control Towerを拡張し、あらゆるAIシステム・エージェント・ワークフローに対する発見・観測・ガバナンス・セキュリティ・測定機能を追加
  • IT・CRM・従業員サービス・セキュリティ&リスク領域向けに「Autonomous Workforce」のAI専門エージェント群を展開。Armis・Vezaの機能を統合した「Autonomous Security & Risk」もローンチ
  • 開発者向け「Build Agent」がGA(一般提供)に到達し、Cursor・Windsurf・Claude Code・GitHub Copilotにも対応範囲を拡大
  • サードパーティAIがServiceNowのワークフロー経由で安全にアクションを実行できる「ServiceNow Action Fabric」を発表。Anthropicが最初の設計パートナーとなり、ClaudeをServiceNowのワークフローとアクションに直接接続
  • NVIDIA・Microsoft・AWS・Accenture・Experianなど複数社とのパートナーシップを拡大。AWS Marketplace経由の取引額は累計10億ドルを突破
  • 米国50州のほぼ全てがServiceNow AI Platformを活用し、サービスデスクコスト66%削減などの成果を上げているという

9|Financial Analyst Day目標・評価

5月4日に開催されたFinancial Analyst Dayでは、長期目標としてサブスクリプション収益300億ドル超、ACVの30%をAI由来とすること、2030年までにRule of 60+(コンスタント通貨ベースのサブスクリプション成長率とフリーキャッシュフローマージンの合計が60%超)を達成する方針を掲げた。あわせて、2029年までに株式報酬費用を売上高の10%未満に引き下げる目標も表明している。2026年通期についてはRule of 56を掲げ、Rule of 60達成に向けた途上にあるとしている。

また、ServiceNowは2026年のGartner Magic Quadrantで「AIガバナンスプラットフォーム」「ワークプレイス体験アプリケーション」「SaaS管理プラットフォーム」の3分野でリーダーの評価を獲得したほか、「アナリティクス&ビジネスインテリジェンスプラットフォーム」ではビジョナリーに位置づけられた。Forrester Wave(戦略的ポートフォリオ管理ツール)およびIDC MarketScape(デジタル従業員体験)でもリーダー評価を得ている。フォーチュン500には4年連続でランクイン、フォーチュン100働きがいのある企業にも選出された。

10|株価反応

7月22日の株価は、決算発表前の通常取引時間中とその後の時間外取引とで大きく異なる値動きとなった。決算発表前の午前中、ある報道では、cRPOコンセンサス(19.5%)が示唆する「買収を除いた実質的なオーガニック成長率は約17%」(モルガン・スタンレー試算)にとどまるとの見方への警戒感から、株価は前日比-4.9%程度の97.04ドル近辺まで下落したと伝えられている。この報道の背景には、前四半期(Q1'26決算発表)でも好調な決算内容にもかかわらず、cRPO成長ガイダンスの鈍化や通期利益率ガイダンスの引き下げ(Armis買収の影響)を理由に株価が急落した経緯があり、市場がバックログ関連指標に神経質になっていた面もうかがえる。

決算発表後の時間外取引では一転して株価が急伸し、報道によって幅はあるものの、+4.6%〜+7%程度の上昇が伝えられている。ある報道では、通常取引終了時点で前日比-6.5%程度まで下落していた株価が、決算発表後の反発で下げ幅の一部を解消し、時間外時点でなお+5%程度を維持していたとされる。非GAAP EPS・売上のコンセンサス超え、および通期サブスクリプション収益ガイダンスの再上方修正が好感された形である。なお、これらの上昇幅は情報源・集計タイミングによって数値の振れが大きいため、あくまで参考値として捉えられたい。

このように、決算発表前の警戒的な地合いと発表後の好感とが入り混じった値動きとなっており、当日終値ベースでの実際の騰落率については情報源により振れ幅があるため、今後の値動きも含めて注視が必要な状況となっている。

11|注視すべきポイント

⚠️ 決算資料・報道から読み取れる留意点

① 前四半期(Q1'26)決算では好内容にもかかわらずcRPO成長鈍化と利益率ガイダンス引き下げを理由に株価が急落した経緯があり、今回も決算前に同様の警戒感から株価が下落する場面があった。バックログ系指標(cRPO・RPO)の伸び率トレンドは引き続き市場の焦点となりやすい
② Armis買収を含む複数の買収により、通期の非GAAP営業利益率・FCFマージンともに希薄化影響を受けており、買収統合の進捗と収益貢献のバランスが今後の焦点
③ 買収資金調達に伴い長期負債が前年末の14.91億ドルから54.35億ドルへ急増しており、財務レバレッジの状況は継続的な確認が必要
④ 株式報酬費用(SBC)が総収益の16.5%まで拡大しており、GAAP営業利益率(4%)と非GAAP営業利益率(29.5%)の乖離が大きい点は、GAAPベースでの収益性評価において留意が必要
⑤ Q2の増収の一部はオンプレミス収益のQ3からの前倒し計上によるものとされており、Q3以降の実勢の伸びを見極める必要がある
⑥ 決算発表後の株価反応は報道間で数値に幅があり、当日の実際の値動きの全体像は複数の情報源を照らし合わせて確認する必要がある

総じて今回の決算は、サブスクリプション収益・総収益・非GAAP EPSがいずれもコンセンサスを上回り、通期ガイダンスも再度上方修正されるなど、内容面では市場予想を上回る結果となった。一方で、Armis買収に伴う利益率希薄化や負債の急増、株式報酬費用の拡大といったコスト構造面の変化、そして前四半期に見られたようなバックログ指標への市場の敏感な反応など、今後の株価動向を左右しうる要素も複数存在する。次回Q3決算では、cRPO成長率の実績とArmis統合の進捗が引き続き注目点となりそうだ。

出典

  • ServiceNow, Inc.「ServiceNow Reports Second Quarter 2026 Financial Results」(2026年7月22日)|PDF
  • ServiceNow, Inc.「Second Quarter 2026 Investor Presentation」(2026年7月22日)|PDF
  • Zacks Investment Research「ServiceNow (NOW) Q2 Earnings and Revenues Top Estimates」(2026年7月22日、Yahoo Finance掲載)
  • Zacks Investment Research「ServiceNow Set to Report Q2 Earnings: Buy, Sell or Hold the Stock?」(2026年7月)
  • Benzinga「ServiceNow Stock Rallies After Strong Q2 Print: Details」(2026年7月22日)
  • ChartMill.com「ServiceNow (NYSE:NOW) Rallies After Q2 Earnings Beat and Raised Guidance」(2026年7月22日)
  • TradingView(StockTwits経由)「NOW Stock Surges 7% After-Hours As ServiceNow Beats Q2 Estimates, Lifts Full-Year Outlook」(2026年7月22日)
  • TS2.tech「ServiceNow (NYSE:NOW) Stock Falls After Q2 Backlog Fails to Impress, Despite Revenue Increase」(2026年7月22日)
  • FinancialContent(StockStory)「ServiceNow (NYSE:NOW) Exceeds Q2 CY2026 Expectations」(2026年7月22日)
  • IndMoney「ServiceNow Q2 2026 Earnings Preview: What July 22 Needs To Prove」(2026年7月)

✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年/ぱぶちゃんのファンダメンタルlabを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。

© 2026 ぱぶちゃんのファンダメンタルlab

ほうもんしゃ

Translate

PVアクセスランキング にほんブログ村
このブログについて
当ブログ「ぱぶちゃんのファンダメンタルlab」では、
世界の株式・為替・商品・金利市場の振り返りや、
マクロ経済の動向や重要経済指標を中立・事実ベースで徹底解析しています。
投資判断を目的としたものではなく、
情報整理と理解を目的とした内容を提供しています。

ニュースや経済指標は数が多く分かりづらいため、
当ブログでは日々のマーケット情報を整理し、 冷静に読み解くことを目的としています。

このブログを検索

人気の投稿

ブログ アーカイブ

カテゴリー

自己紹介

自分の写真
ぱぶちゃん|投資歴6年
ゴールド・マクロ・FXを事実ベースで解説するブログを運営中。
相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。
ナンピンは得意です。
X @pablo29god

QooQ